布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝

新年のご挨拶

2017年01月01日
IMG_0156みなさまあけましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。
心より御礼申し上げます。
ここに皆様のますますのご多幸をお祈りしつつ 新年のご挨拶を申し上げます。

今年は米国の新大統領の誕生、Brexitの影響はどうなるのか、またアジアにおいても様々な動きが複雑化し目が離せません。
2016年は幹部層のグローバルリーダー化への投資が活発化し、その胎動を強く感じた年でした。
そして、近年まれにみる激変もあり得る1年が期待と不安を持って始まりました。

だからこそどんなグローバリゼーションの荒波にも適応できるタフかつ柔軟性を持つ組織と人材がますます求められる動きが加速化し、さらに具体的な動きになると予想しています。


私個人としてはライフワークである「パーソナル・グローバリゼーション(個のグローバル化)」をテーマに、微力ながら社会貢献に取り組んで参ります。

引き続きご支援のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

(元旦初日の出@吉浜海岸)

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「グローバル人材育成はなぜ英語研修化し、失敗するのか?」

2016年12月17日
多くの日本企業でグローバル人材育成を検討するものの、最終的には、日本語のグローバルリーダー育成コース+英語研修、または加えても異文化コミュニケーションスキル、という形で落ち着き、結果、「知識はある」が「英語では発揮できない」になることが多い。

そこで、11月25日(金)に第139回グローバル人材育成研究会「グローバル人材育成はなぜ英語研修化し、失敗するのか?〜成功事例から考察する抑えるべきポイント〜」を開催した。

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グローバル人材育成の投資効果が出せず、苦労している場合、主に以下の3つの失敗に陥っていないだろうか?

1. 「要は英語でしょ?」から始まる失敗
英語力があればなんとかなる。
ただ、あまりにハードルが高いと誰もクリアできないので、最低でもTOEICで600にする。
それがいつの間にか、グローバル人材の要件とすり替わる。
そして多くの社員はTOEIC600点を超えた時点で「やっと自由になれる」、となりその後の学習はしなくなる、という本末転倒な事態が発生。

2. グローバル人材の定義が曖昧
グローバル人材の定義に関して、社内コンセンサスがとれない状態が続き放置。
しかし、何もしない訳にはいかず、英語学習に関しては誰も異論を唱えず、結局、英語研修だけ実施することになる。

3. 知識インプット重視
冒頭の日本語での経営塾では、まずは知識、という形になることが多く、英語で実際にタフな交渉やマネジメントができるかは不問とされる。
結果、知識は持っているが、英語で発揮できないケースが多い。
また、何よりも知識重視になっており、自分自身をグローバル化する、またはグローバルビジネスを自分たちが牽引する、というマインドセットが出来ていないことが大きな障害になっている。

最近、ご相談の多い、以下の課題において共通することである。

・管理職クラスのグローバル人材化(プールの強化)
・PMI対応の人材育成(即戦力としてのグローバル人材)
・海外エグゼクティブプログラムの活動
・英語公用語化に向けた動き



今回のG研の第一部では、特別ゲストとして、第一生命保険株式会社 グループ経営本部 兼 人事部 部長 人財開発室 室長 原 由也 様をお招きしての対談を行った。

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第一生命保険株式会社は、114年の歴史を持つが、本格的なグローバル展開は2006年から始まったばかりで、現在の中期経営計画では、利益の30%を海外から、を目標として掲げており、社員のグローバル化も大きな課題となっているとのことだ。

原様は、キャノン株式会社において人事部門で18年間勤め、またそのうち11年間、イギリス、オランダ、ベトナムでの海外赴任もされている。
その原様が考えるグローバル化、グローバル人材育成の在り方について伺った。
ここではそのいくつかを挙げたい。

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Q1.原様にとってのグローバル人材の定義とは?

グローバル人材=ダイバーシティマネジメントに長けた人材と考えている。
そして、結果としてグローバルベースで組織に成果をもたらすことが出来る人がグローバル人材と考えている。

Q2.メーカーと金融業界でグローバル化にどのような違いがあるか?

メーカー:
海外拠点作りにあたって日本本社のコピー。ロールアウトが軸。

金融:
M&Aなどインオーガニック戦略が軸となるため、買収先のそれぞれの会社の価値観、方針を尊重しながら成長することが必要。

全く違うものをリスペクトしながらの成長のやり方はそこに難しさがある
自分たちが技術的にもサービス的にも優れており、それを海外に浸透させる、ではなく、自分たちのほうが優れている、独立性を主張してくる相手のマネジメントが必要

そういった意味で、日本からの赴任者は、黒子であり、リエゾン的な役割が出来ないといけない。
そして、リエゾン的な役割は、マネジメントが出来ない人には出来ない

Q3. そうしたグローバル人材は育成出来るのか?

グローバル人材の必要な要素を考えたときに、「語学力」という観点では一定レベルでは可能。
英語以外の要素としては、アサーティブネス、クリエイティビティなどが必要。
例えば、ベトナムオフィスでは、大卒、高卒、中卒、小卒のメンバーがいる。彼らにどう認めてもらうか?
Integrity(誠実さ)、立ち振る舞い、非言語的など、人間性も非常に重要と感じている。専門性と同じで、一方的に話す人は尊敬されない。

Q4.グローバル人材育成にあたり、どのような取り組みをされているのか?

海外拠点の交代要員(現在赴任している優秀な人材の後任)育成では、貴社でお世話になっている1泊2日×4回のセッションに事前・事後のアセスメント、そしてフォローアップセッションなど若手を中心に体系立ててやってきており、のべ86名を輩出するという成果が出ている。

しかし、海外にポストが豊富にある訳ではないので、すぐに海外赴任ともいかない。
そこで、本社自体のグローバル化も必要であり、人事部としては、日本語が出来る外国人社員に続き、日本語がしゃべれないオーストラリア人を部員に迎えるなどして雰囲気を変えてきた。

また、御社での異業種交流のグローバル版にも参加し、イノベーションのトレンドについて異業種で英語でディスカッションしながら視野を広げることをしている。

Q5. グローバル人材育成にあたりどのような課題があると感じていますか?

若手社員のプーリングはやりやすく、成果が出てきていると感じている。
しかし、メーカーほど海外拠点でのポストがある訳ではないので、本社のグローバル化も必要
そこで先に挙げた、人事部に外国人社員を配置するなどしているが、組織文化の醸成は難しい
これから金融業界は買収・合併、Fintechなどの変化が大きく、ここ2年半で一気に加速している。
その変化対応に向けた人材育成をしていかなければいけない。

原様との対談は非常に示唆に富むものであり、その後参加者からの質問も相次いだ。

私自身、250社以上のグローバル人材、自立型人材育成コンサルティングに携わる中感じるのは、グローバル人材育成のフェーズがまた一つ大きな転換点を迎えているのではないか、ということだ。
これまで若手・中堅を中心にグローバル人材育成の投資がされる傾向にあったが、マネジメント層への投資に関してのご相談がかなり増えてきている。
その背景の一つには、ここ数年、日本企業による海外企業の大型M&Aが相次ぎ、そこから2〜3年経過し、いわゆる「ハネムーン時期」が過ぎ、双方が乗り越えるべき壁としてマネージャー層のグローバル化なしにはどうにも回らなくなってきているのではないかと考えている。

このテーマについては2017年のG研においても事例発表出来るのではないかと思う。

第2部の河原崎圭市講師による「なぜ、あの人は英語が上手くなくても魅力的な話が出来るのか?
〜TEDトークのエッセンスから学ぶ相手に印象を残す3つの法則〜」
については後日掲載させていただく。

「日本語経営塾は投資が回収できない理由」大阪G研報告第138回

先日、11月1日に第138回大阪G研「グローバル研修を日本語でやってはいけない理由&危機管理の視点から考える!幹部層に求められる英語での「瞬発力」と「決断力」」を開催した。

大阪支店開設後、5度目の開催を迎えた大阪G研は今回もオープニング前から即席の名刺交換会があったり、セッション中の参加者間の議論が白熱し、時間制限を越えてもしばしば意見交換が続けられるなど、非常に大きな盛り上がりを見せた。

さて、第1部の私のパートでは、「グローバル人材育成の動向とグローバル人材が育たない理由」、そして解決に向けての提言をさせていただいた。

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日頃より申し上げているが、グローバルで活躍していく次世代リーダーに対する教育は
日本語で知識を教えるだけでは不十分であり、少なくとも実践的、かつワークショップそのものを英語で行っていくことが必須条件である。

また、プログラム設計段階で目的が不明確、グローバル人材の定義も曖昧であれば、その研修が成功する確率は低くなる。
残念ながら「日本語で知識のインプット+英会話レッスン」をグローバルリーダー育成の研修メニューとして位置づけている企業は思いのほか多い。
そして、結果としてグローバルリーダーの育成が思うように進んでいないということが起きているのである。

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1. 経営塾は英語で行わないと投資が回収できない
TOEIC500点の参加者がいるのに、経営塾を英語で行うのは無理である、という考え方がある。その結果経営塾は日本語で行い、英語力をカバーするために英会話レッスンを別立てでつけるという方法が一般的である。もし経営者候補をグローバルマインドとスキルを持ったリーダーとして育成するのであればこの方法は残念ながら失敗している。
リーダーシップや戦略、ダイバーシティーとイノベーションなど難易度の高い内容に関し、英語でディスカッションするから身に付くのであって、英会話レッスンで身に付くものではないのである。
逆に1年間の経営塾の80パーセントを英語で行い、役員への最終発表会を英語で堂々と行うことができるのが弊社の「グローバルリーダー育成コース」である。月に1回1泊2日のコースを11回行うのが標準であるが、受講者は1年間毎日英語の自己学習が課せられている。
毎日英語の自己学習を行っているという事は、なぜそれを行うのかを納得しているからである。英語は「やらされ感」を持っている限りものにすることできない。
選抜人材でも日々の激務の中でじっくりとなぜ自分がグローバル人材になるべきか、あるいはならなければならないのかを考える余裕はないのが現状である。しかし、大手企業の幹部が日本的な発想しかできず、日本社会で日本語でしか仕事ができないのであればグローバル市場を制することはありえない。
このコースにおいては私や 今回登壇のDavid Wagner講師を含む7ー8名の講師陣があらゆる角度から受講生を鼓舞し、視座を高くし、戦略的にものを考え、英語はすきま時間で自己学習するのが当然という人材に変容していくのである。

2. M&A後のリーダー育成
M&A後のリーダー育成を視野に日本人、外国人社員の次世代リーダーを対象としたプログラムが続々スタートしている。ビジネススクールによるカスタムプログラム、複数のビジネススクール教授人とのコラボレーションコース、国内のグローバル系ファシリテーターによるセッションなど、手法は様々ある。


3. 2017年は英語公用語化企業が続出の気配
英語公用語化に関しては、2017年に大きな動きが出てくる気配がある。もう特定の企業のものだけではなくなってきている。弊社はある大手製造業は英語公用語化に大きく踏み出すコンサルティングを行っている。実は1番の英語公用語化に踏み切る理由は中国である。日本語のできる中国人と英語のできる中国人両方を採用し戦力化することが、今後の中国マーケットで前進する大きな要素であるが、ほとんどの日本企業は、日本人社員が英語ができないため日本語のできる中国人のみを採用する。しかし、英語のできる中国人の方が優秀層が多くかつボリュームが大きい。その結果他国の競合企業との間に人材の質と量において差をつけられてしまうのである。
だから英語公用語化なのだ。


参加されたご担当者からは、グローバル人材育成の選抜研修を毎年行っているものの、なかなか育っていない理由に思い当たる節が多々あり、大変参考になった等のアンケート結果をいただいた。

第2部では、元NHKのテレビ講座の制作・司会者としても有名なDavid Wagner講師が登壇した。
彼との付き合いは、当社を設立した当時からであるため、かれこれ16年となる。


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David講師のパートでは、「危機管理対応力」をテーマにご参加いただいた人事の方々に実施の研修で行うミニケースを体験いただいた。

訴訟、品質問題、SNSでの会社の悪い噂が流れるなど、変化する状況の中で、どのように対応するか、そして、その言動一つで、会社の存続の危機にすら成り得る状況をどのようにコントロールするかは、グローバル企業の幹部、マネージャーとして必須のスキルである。

今回は、セクハラをテーマに元従業員が訴えてきた場合、どのように危機を回避し、素早く決断を下し、解決策を導き出すことができるかを体験いただいた。

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この日、セッション中にDavid講師が何度も言っていた言葉が印象的であった。
それは、"Key Questions need to to be asked in order to get right answer." である。

会社の存続をも揺らがすような大きな問題が起きた時、幹部層に必要となるスキルは何か?

それは、まずは状況を整理し、正確な情報を掴んだ上で、問題解決の手助けとなる「戦略的な質問」をすることである。

日本人は質問することが苦手とよく言われているが、この状況を打破するためには、「戦略的な質問スキル」が大きなカギとなる。

では、どのような質問スキルが求められるのか?

Davidは、5W's+2H's(Who, What, Where, When, Why, How?,How much/many?)の中に、その答えはある。

以下例えば:

What do you know? 自分はどのくらいのこの危機に関する情報を知っているか?
What are the issues? 何が問題であるか?
Who is affected? 誰が被害を受けているのか?
Which facilities are involved? 誰がこの件に関わっているのか?
Who/What is causing this? 誰/何がこの問題を引き起こしているのか?
What remains unclear? どの情報がまだはっきりしていないか?
What are our priorities? 優先順位は何か?
What needs immediate attention? 今すぐに実行しなければいけないアクションは何か?
What can we wait? まだ現時点では実行すべきではない行動はあるか?様子を伺う必要のある項目/状況は何か?

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これらの質問スキルを上手く使いこなすことで危機を最小限に回避することは可能である。また、これらの質問スキルは危機管理対応力のみならず、様々なグローバル環境下でも応用が出来る。積極的に質問をするということは、思考力を強化し、視座を上げることにも繋がるだろう。

どの企業も危機的状況に陥ってから対応するのでは遅い。危機が起きる前から、考えられる状況を想定した上で幹部やマネージャー層の英語での「危機管理対応力」を鍛えるニーズは今後、益々増えるだろう。

<最後にDavidと質疑応答の様子>
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【体験版】パーソナルグローバリゼーション、右脳型英語学習法セミナー    第135回G研大阪開催

2016年12月03日
9月13日に大阪にて135回G研『<体験版>パーソナルグローバリゼーション、右脳型英語学習法セミナー』を行った。
これは企業で研修をご担当されている方に、実際の研修の一部を体験していただくものだ
今回はご担当者の国籍も様々である。日本人の方が中心であるが、ウズベキスタン、中国、韓国のご出身の方が含まれ、それぞれの企業で日本人と一緒に日本語で働かれているとのこと。
皆さん日本語が堪能で、英語、母国語と3か国語〜5か国語話すことができるそうだ。
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第一部、私のパート「パーソナルグローバリゼーション」「あなたはグローバル人材?」という
質問を参加者全員にさせていただいた。
「間違いなくグローバル人材」と答えた方は中国人1名、日本人0名
「どちらかというとグローバル人材」は韓国人1名、日本人4名
「どちらでもない状態」は日本人1名
「恐らく違う」はウズベキスタン人1名、日本人4名
「絶対グローバル人材ではない」は日本人3名
多言語が話せ、日本での生活が1番長い外国人の方がグローバル人材でないと答えられたことなど興味深い結果となった。

多国籍の参加者であったこともあり、価値観などの違いがより明確になるなど、ダイバーシティを感じていただきながら活発な意見交換が行われた。
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以下、アンケートを抜粋である。
・グローバル人材やその育成についての講演は何度か受けましたが、何故/whyの部分について
 明快に解説いただいて目からうろこでした。自身のモチベーションも上がりました(空調)
・今の現状が知れて、とてもためになりました。(住宅)
・自分自身を見つめ直すのに多くのヒントを頂きました。(住宅)
・よい刺激になった。(機械)
・非常にわかりやすく、当社に足りないものを認識させてくれる内容でした。(薬品)
・とても面白く、あっという間に時間が過ぎました。
・グローバリゼーションのwhyの部分をよく理解することができた。
 英語ができないことによるリスクを身に染みて感じました。(電気)


改めて、「なぜ自分をグローバル化するのか」の重要性を感じていただいたと思う。


第二部は専務取締役の福田聡子より「右脳型英語学習法セミナー」の一部を実演させていただいた。
このセミナーは英語が不得意な方から、上級者の方まで参加可能だ。
英語学習は筋トレのような面があるが、「こうありたい自分」があり、「学習を習慣化させる手法」さえ覚えれば、必ずゴールに近づく。
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いつもながら、普段は英語を話すことに躊躇がある方も、楽しみながら演習をしている様子が印象的である。

以下、アンケートの抜粋である。
・英語は継続とわかっていても、なかなか実践できていないので、隙間時間を使った
 具体的トレーニングが学べてよかった。 (空調)
・内容が面白い。脳の活性化につながりました(食品)
・動機づけに役立ちそうだと感じました。(スポーツメーカー)
・とても楽しいセッションでした。自分の英語学習の足りないものが分かりました(薬品)
・明快な学習方法を教えていただき、勉強になりました。(メーカー)

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ご担当者からの感想も上々であり、後日参加いただいた3社での導入を決めて頂いた。
次回1/25(金)の大阪G研では、ご要望にお答えし、同内容で体験セミナーを行う。

■詳しい内容はこちらから⇒http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_142.html

是非、多くのご担当者様にお越しいただければと思う。

「拳銃を持っている人とナイフで戦うのは危険だ」

2016年11月11日
今サンフランシスコ国際空港で大阪行きのフライト待ちである。先週の土曜にこちらに着き、某社の多国籍グローバルリーダーコースのコーディネートに携わった。

IMG_4492UCバークレーHAAS School of Businessとスタンフォード大学のデザインスクールの教授のセッションに加え、グーグルなどシリコンバレー企業を訪れディスカッションを組み入れた。
イノベーションやダイバーシティは知識としてではなく、実際にそれらがなければ生き残れないと実感している場所の空気を吸いながら、その渦中にいる人々と交わりその真剣さと対峙しないとわからない。
そういう意味で今回もいろいろ腹落ちする瞬間がおおかった。

最も印象的だったのは「拳銃を持っている人とナイフで戦うのは危険だ」というバークレーの教授の発言だ。3段階のイノベーションの話の中で発せられたのだが、日本企業にとっては真剣にうけとめるべき言葉だと思う。
リーダー育成、イノベーション、ダイバーシティに真剣に取り組む企業と、その意味を真に理解しないで表面的に対応しかしない企業では勝負にならないのは当然だ。

コースは今日も続いているが今年も各国の次世代リーダーは貪欲に学んでいる。
能力の高い人に更なる教育投資をする。そして組織と個人を強くしていく。
今回もその現場に立ち会えたことに感謝!
kazukon at 10:04│海外研修 | イノベーション

なぜ、上司は部下の話が聞けないのか?G研報告第134回パート2

2016年10月31日
8月23日に実施した第134回のグローバル研究会(G研)の第2部のご報告をさせていただきたい。

第2部では、経営者へのコーチング、リーダーシップ、組織開発の観点からのコンサルティング、
ワークショップ、ファシリテーションのサポートを行い、世界中に多くのファンを持つC.オットー・シャーマー教授の「U理論」を翻訳した中土井僚講師が登壇し、「共創」を実現するための自己変容と深い傾聴力に焦点を当てたリーダーシップトレーニングをご体験いただいた。

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上司と部下の関係が上手くいかず、互いに理解し合えず他責的になってしまう原因は、自分の行動が周囲に与えている影響を「認知する能力」に欠けている「人間の本質的な問題」であると中土井講師は言う。

例えばよくある光景として、こんなことはないだろうか?

・上司は部下に対して、「もっと頑張ってほしいから何でも相談しろよ!」と助言したとする。
・それに対して、部下は「はい、、、分かりました。でもまずは自分でやれるだけやってみます」と答える。
・この時に上司は実は心の中で部下のこの反応に対して、「こういう人を寄せ付けないものの言い方がイマイチなんだよな〜」と思っているとする。
・部下は、それに対して、「気軽に相談しろっていうけど、本当に最後までフォローしてくれるのかよ!」と心の中で思っているとする。

その場合、部下の心の中では、下記のような「認知と行動のプロセス」が起こっていることが多い。

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1.上司のメンタルモデルのトーンによる印象
上司の考え方のパターンや声のトーン、話し方や雰囲気によって、部下は無意識的に「この人はXXなんだな〜」と印象持つ

2.実際の上司の行動の目撃
上司側の行動の背景にある意図、純粋な思い、痛みや内面の格闘といったことに部下は注意を払うことが出来ず、上司の些細な行動や、発言よりメンタルブロックが発生し、部下は本能的に自分を守ろうとしてしまう。そして、上司を切り離した存在(敵)と見なし、自分のレンズで相手を見てしまう。「この人って、口ではそう言っているけど、実際は、こんなことしてしまう人なんだ!」など。

3.人物の決めつけ
その結果、「私の上司って、絶対XXで、○○をする類の人だ!」、「この人は、能力のある部下をえこひいきするタイプだ!」などレッテルを張ってしまう。

4.対抗姿勢
最終的には、「この人から被害をこうむらないようにXXしよう」と上司が望んでいない選択・行動を取ってしまう。

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これは上司にも同じことが起きていると言える。この場合、両者とも他人から受ける影響については認識しているが、自分が相手に与えている影響には気が付いていない。
相手がなぜそのようにまた、自分の行動が将来の自分の行動に与え得る影響も特に考慮していない。これは、人間の認知システムの限界によるものであり、従って、意識的に自分はこういう考え方に陥る傾向があるなど、自分の行動や思考パターンを見つめ直し、客観的な視点で行動を選択、実践する必要がある。

部下を傾聴することはもちろん重要であるがそもそも、上司にそのスタンス(心構え)がないと全く意味がない。その部下の意見は、その部下個人の意見としてまずは一旦受け止める。そして、実際に「受け入れる」かは別として、その考え方、そのこだわりはどこからきているのか?その真意を考える。そして、同時に自分のメンタルモデルと向き合い、色眼鏡をかけずに、本当の意味での部下の発言を「傾聴する」ことが重要である。

自分では認識しづらいメンタルモデルの構造を理解し、克服していくこと、また客観的な分析により自らの行動を律する姿勢が、自立型・グローバル人材への第一歩であると改めて考えさせられる機会となった。

<終了後に中土井講師、専務取締役の福田と>
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グローバル研修を日本語でやってはいけない理由: G研報告第136回パート1

2016年10月26日
9月28日(水)に第136回目のグローバル人材育成研究会を実施した。
いつもながらではあるが、特に今回は参加された方々同士の情報交換がとても多い回であった。

第1部では私からグローバル経営塾のパラドックスについて情報共有を行った。
ポイントは以下4点である。

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1. 「1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)にならない?」
先日ある企業で聞いた話だ。1年間、大変厳しい課題の「リーダープログラム」を実施したが、テーマのうちの一つであった「グローバル」は英会話レッスンをすることでお茶を濁してしまった。
本来は、1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)で、グローバルリーダーが量産されるはずだったにも関わらず、実際には最終発表会で経営陣からの簡単な質問に英語で全く答えることが出来ず、部屋中に失望感が漂ったらしい。

知識は日本語でインプットし、ディスカッションも日本語で行い、その方々に英語レッスンをすることで「英語で経営を語り、買収先のエグゼクティブと丁々発止ができ、グローバル事業の方向性と課題を練ることができるようになる」というのはいくらなんでも楽観的である。
実は、この手の話は初めてではない。日本語でのグローバル経営塾は、目的と定義があいまいであるため、コース設計ができない、その結果として1年かけたとしても育成に失敗するケースが非常に多い。

2.コンセプトが重要
経営塾のような大きなプロジェクトになると、様々な意見が飛び交うのは外部からでも想像に難くないし、そこを交通整理する担当者の方々のご苦労を考えると本当に感じ入るものがある。しかし、だからこそやはりコンセプトをしっかりと持っている必要がある。

「どういう人材を育成するのか?」

例えばアジアグローバル企業のリーダー人材(リーダーシップ、MBAフレームワーク、グローバルイングリッシュというスペックは普通に持っている)をベンチマークしていくとその答えが見えてくる。そして、今回の研究会の中ではそういった人材の要素についても定義を共有した。
今回の研究会参加者の中には、香港人やドイツ人のご担当者もいたので、さらに具体的かつ白熱したディスカッションとなった。
グローバル・エデュケーションでは、私が2008年に著した「パーソナル・グローバリゼーション」に基づき、5つの要素がある。
そして、それらは全て訓練が可能である。
当社サイトには、簡易アセスメントもあるので興味のある方はお試しいただきたい。

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3.英語に関しては言い訳なし
その5つの要素の中に、グローバル・イングリッシュという要素があり、これは、「英語を母国語としないが十分に通じる英語」というニュアンスである。これは仕事で英語にまったく触れていない人でも「できない、やらない言い訳なし」というスタンスが大切だ。そこで妥協をすると、全体が緩んでしまう。
まして経営塾にでるような優秀な方々は、英語公用語化は当たり前で論点にもならない、というところまで意識を上げていただきたい。そして、それが新しいスキルやマインドセットで自分を鍛えていくことにも繋がるのだ。そうならなかった方は、過去の当社のグローバルプログラムでは一人も居なかった。

4. 英語学習のやり方を知らない人が多いことに注目するべき
しかしながら、やる気になったとしても、やり方をがわからないと続かないのが英語学習。上達まで期間が長くかかるので、通信教育や英会話だけ提供しても目に見えて自信がつくようになるまでいくような確率は極めて低い。
どうやったらその確率を上げるのか?
それは継続できる英語学習のやり方をを知ることだ。

第2部のパートでは、当社専務取締役の福田聡子より、今まで1万名以上が受講、アンケートの評価4.5以上の大人気プログラム、右脳型英語学習法のデモンストレーションを行った。

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ご自分でも英語学習を頑張っているご参加者も多く、更にやる気になって帰っていただいたようだ。いつもこのセミナーを見て思うが、ストイックに黙々と1人でやる勉強方法しか知らない方には、この「楽しい方法を自分で見つける」手法は相当なインパクトがあるだろうなと思う。福田としては、これを通じて、優秀な皆さんが英語の壁を、やらされ感や苦行としてではなく、軽やかにさっと乗り越えてくださることを心から願い、そして誰でもできるようになることを信じていることが伝わってくる。

実際、福田が担当するコーチングクライアントでは、英語学習を続ける中で見たTEDで、自分の仕事のやり方を変えてみたら、部下から「何かあったんですか?」、と聞かれたなどの、嬉しい波及効果がよく報告される。投資効果があまりに高いので、当社としても、もっとうまくこの効果を皆さんにお伝えしていきたいと思っているところだ。

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異文化コミュニケーションに必要な”Cultural Intelligence”とは?:G研報告第136回パート2

2016年10月15日
皆さんは、「異文化コミュニケーション研修」というと、何を思い浮かべるだろうか?
異文化コミュニケーションという分野は、古くからの学問で、様々な流派がある。

私が長年、感じていた違和感というのが
「異文化コミュニケーションの知識がなかなか実践と結びつかない」ということだ。
知識としてわかってはいても、いざ実践の場で使おうとなると、
なかなか効果を感じるのが難しい分野でもある。

そんな中、Ross Moore Fay講師は私の長年の疑問を解消してくれた。

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彼は、異文化の知識に裏打ちされた実務的なビジネススキルのトランスファーも可能な講師だ。
例えば、プレゼンテーション研修と言っても、オーディエンス分析をしないまま、
プレゼンテーションを行っても効果が半減してしまう。
Rossの場合は、オーディエンスがどのようなCulture(s)を持っているのか、
そこに対して効果的に訴えるスキル
を学ぶことができる。

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Rossが重要視するのは、Cultural Intelligenceだ。
グローバル化が進み、自分の想定外のことが多く起きる現在では、
自分の想定範囲内をどんどん広げていき、フレキシブルに対応することが重要だ。
イギリスに生まれ育ったものの、何とも言えない「違和感」を感じ続け、
それを言語化しよう、違和感を理解しよう、という絶え間ない試みの中から
彼の異文化への深い洞察が生まれている。

「フレキシブルに対応」は言うは易し、行うは難しの典型だ。
ただ、Cultural Intelligenceを高め、相手をより深く理解することで、
より双方のシナジーを高めることができる。

それが出来るようになることが、今後のグローバルリーダーに必要な力だろう。


<研究会後にRossと専務取締役の福田と>
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G研報告:第134回「機能するダイバーシティ」を実現するために知っておきたいポイント

2016年09月29日
先日、8月23日(火)に第134回「仕事を抱え込むプレーイングマネージャー、話を聞かないマネージャーを超える!答えのない時代における「任せる、引き出す、共に創る」を可能にする共創型リーダーシップとは?」を開催した。

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第1部の私のパートでは、「機能するダイバーシティ」を実現するために知っておきたい4つのポイントについて解説した。

1.なぜ、ダイバーシティが必要か?
2.外国人社員の採用と定着の課題
3.ダイバーシティとイノベーションの関係性
4.世代間ギャップ


「2.外国人社員の採用と定着の課題」では、参加者の方々に現在の外国人社員の定着率についてディスカッションいただいた。下記が出ていた意見である。

・「ここ数年で一気に外国人社員の数が増え、サポート体制は正直回っていない。今までは日本の大学を卒業した日本語が流暢な外国人社員を雇っていたので、そこまで言語の問題はなかったが、最近では英語しか話せない社員も増えてきた。日本語があまり話せないため、非常に優秀ではあるが、同僚や上司とのコミュニケーションが上手くいっておらず、データをまとめる、文献を読んでおくなど、簡単な仕事しか渡せていないことが多い。先日、マレーシア人の社員が食堂で一人で座ってご飯を食べているところを見た時、胸が痛んだ。速く手を打たなければまた数名辞めてしまうだろう」

・「私は中国出身だが、そもそもなぜ定着しなければいけないのか?と、実はいつも考えてしまう。日本は未だに終身雇用の考え方が根付いているが、私の国では、良い会社があればすぐに辞める、長くて3年ほど働くというのが一般的である。多くの若者は、自分の能力をどのように活かし、キャリアに繋げていくか、ということばかり考えている。その観点で、会社も良い人材を確保し、キープするためには、その人にあった職務や能力に合わせての昇給、昇格が必要になる。」

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なぜ、外国人社員は定着しにくいのか?

下記3つの問題があると考える。

原因1:コミュニケーションの問題
原因2:日本特有の「あいまい型」マネジメントの弊害
原因3:年功序列や終身雇用などの雇用体系の問題


特に原因1:コミュニケーションの問題
についてだが、外国人社員が必ず日本語を話さなければいけない理由はない。日本人社員も英語を話し、互いに歩み寄り理解し合うことが重要。そのため社内英語公用語化の促進も視野に入れている企業が年々増えている。最近、社内英語公用語化へのロードマップを描くというお手伝いが多くなってきている。

グローバルビジネスの公用語は英語で、必然的に日本以外のグローバル企業でホワイトカラーで英語ができない人はほぼいない、という事実がかなり知られるものとなってきた。
海外へ活路を見出すためには、英語社内公用語化は避けられない流れになってきている。ただ、そうは言っても各種の障害や抵抗があるのが社内英語公用語化。

以下のような意見にどんな話をすればよいか。。。

・英語を使わない部署だから。
・日本人しかいないから。
・若い人がやればいいから。


しかしそのポイントの盲点は、2年先、5年先、10年先もそうであるとは限らない。プラス、そういう意見を持っている方のほとんどの場合は、ご自身が英語ができないまたはやりたくないという隠れた理由がある。さて、そういう人たちをどうしたらよいか、という相談が急増している。

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ここを破っていくには、会社の産業や、トップの方のモノの味方によって大きく変わってくるが、社内英語公用語化に踏み切る企業は、日本市場だけではなく、グローバル市場で勝負する決心がついている会社が多く、そのような企業にとっては、公用語化は不可避の流れで、しないと考える方が不自然である。

公用語化が何のためなのかを本質的に理解、整理し、ロジックを整理するためにも、そして、「グローバルの視座」の持ち方が分からない方のためにもよくご利用いただいているのが「パーソナル・グローバリゼーション」。このセミナーでは、この「グローバルの視座」を身に付ける方法を取り上げている。この内容での今年の公開セミナーは既に先日終わってしまったが、また来年年明けに実施する予定なので、是非、組織全体をグローバル化する第一歩として是非、この機会にご活用いただきたい。

次回のブログでは、第2部に登壇いただいた中土井講師の内容についてご報告したい。

IMD流のグローバルリーダー教育とは? 第133回G研報告

2016年09月25日
幹部層のグローバルリーダー化として有効な手段として近年日本企業においてもこれまで以上に幅広い業界から注目を浴びているのがビジネススクールの「エグゼクティブエデュケーション」(短期幹部教育プログラム)だ。

グローバル人材育成研究会(G研)においても、この数か月、名門ビジネススクールのディレクター陣の来日が続いている。

6月: ロンドンビジネススクール
7月: ハーバードビジネススクール


そして、8月4日(木)のG研では、フィナンシャル・タイムズのエグゼクティブエデュケーションランキングにおいて5年連続世界1位を取り続けている、IMDからSalvatore Cantale教授をお招きした。

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しかし、なぜ今、エグゼクティブエデュケーションなのか?

敢えて一言で言い切るのであれば、「VUCAワールドにおけるリーダーシップの発揮」である。

変化が激しく(Volatility)、不確実性が高く先行きが見えず(Uncertainty)、様々な要素が複雑に絡み合っており(Complexity)、加えて、ものごとの因果関係が不明瞭で、かつ前例もない(Ambiguity)のがVUCAワールドだ。

VUCAの要素が深まるほど、進むべき方向を見出すためのリーダーシップが求められる

自動車業界を例に取ると、これまでの自動車会社にとっての競合他社は他の自動車会社だったが、これからはまったく違った業界から思わぬ競合が出てきて、業界のゲームがガラリと変わる可能性が高い

例えば、自動運転技術の研究開発に大きな投資をしたり、トヨタと提携するなど話題になっている、Uberの創業者のトラビス・カラニック。彼は、究極的には自動車の数を減らしグリーンな世界を目指しており、従来の自動車会社とはまったく違う位置づけから自動車業界に参入している。

また、今までの電気自動車の概念を覆す性能やスタイルを持った電気自動車を生み出したり、垂直着陸が可能な画期的なロケットを開発しているイーロン・マスクのような経営者も参入してきている。

まさにVUCAワールド真っ只中である。

ビジネススクールの「エグゼクティブエデュケーション」では、様々な経歴を持った、多種多様な業界のリーダー人材と共に、大局的かつ異なる観点からビジネスを考えられる
だからこそVUCAワールドにおいて先へと進み、結果を出すリーダーシップを磨くことができるのだ。

そのようなリーダーシップを磨く場に出て、十分な費用対投資効果を得るには、人選と事前準備が成功のカギとなる。
特に日本企業からの参加においては、高い英語力はもちろんのこと、コミュニケーションスキルや、MBAフレームワークも欠かせない。
そして、そもそも「授業を受ける」という受け身の姿勢から「貢献する」という積極的な姿勢へとマインドの切り替えが必要となる。
適切なアセスメントをかけ人選し、また対象者となる方からヒアリングをしながら数多くあるプログラムから最も適切なものを選択し、そしてプログラムのメリットを享受できるように、事前研修を組むべきだ。

G研では、第一部において、私からこれらエグゼクティブエデュケーション参加のメリットと成功させるための準備の考え方を紹介した。

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そして第二部では、IMDのSalvatore Cantale教授にご登壇頂いた
彼はイタリア人で、ロンドンで大手投資銀行でアナリストとして働き、その後イタリア、ニューヨークの大学で教鞭を取り、IMDでファイナンスや次世代リーダー向けプログラムの人気教授である。
イタリア人らしい陽気でチャーミングなファシリテーションで、開始早々に参加者から自然に笑みがこぼれた。

そんな、教授にお話し頂いたのは、「IMD流のグローバルリーダー教育」
今、リーダーが舵取りしなければならないのはVUCAワールドと呼ばれる、先が見えない複雑・曖昧で変化が激しい世界。
その世界においてリーダーとしては、どのように問題解決に取り組むべきか?

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そこで教授は、普段の授業さながらにBMWやシンガポール航空のケースを用いてのファシリテーション。
ビジネススクールで鍛えられる「思考法」の一部をご紹介いただいた。

シンガポール航空は、航空会社としての格付けが最高ランクの5つ星を獲得した1社だ。
新機材の導入に積極的であり、機内サービスの質の高さ、顧客満足度の高さで評価されている。
そうなると、さぞコストも掛かっていることだろう、と考えがちがだが、実は2001-2009年の記録では1席あたり1km動かすコスト、という指標で見ると、LCCを含む他の航空会社と比較しても格段に低く、最もコスト効率の高い会社ということが明かされる。
シンガポール航空は、様々なイノベーションを起こし続けている企業だが、あらゆるレベルで対立する2つの要素の両立を実現している。

例えば、
・トップダウンでの中央集権的なイノベーションと、現場からのボトムアップでのイノベーション
・他社に先駆け最新機材を導入するテクノロジーリーダーでありながら、バックオフィスでは実証済みの技術を使いコスト効率を高める

どのように相反する要素を両立させながら問題解決するのか?

教授が紹介したのは得たい成果に応じて4つのレベルの思考を柔軟にシフトさせながら意思決定をする考え方だ。

Level 1: 問題型思考
白か黒かはっきりさせる思考法。

Level 2: パズル型思考
問題は白か黒かではなく、「程度」問題という思考法。

Level 3: ポラリティー(極性)型思考
両極端の状況を併存させる思考法。

Level 4: パラドックス(逆説)型思考
白も黒も併せ飲み、新たな方向性を見出す思考法。

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例えば、シンガポール航空の例であれば、リーダーの目指すべき方向が、
「顧客サービスとコスト低減、という一見相反する目的を達成しながら結果を出していく」ことであれば、

Level 1: 
高いサービスを提供するオペレーションから、ローコストオペレーションのどちらか。

Level 2:
受け入られるレベルでの顧客満足と最低限必要なコストとの妥協点を見出す。

Level 3:
顧客サービスのある要素においては集中して、別の要素においてコスト削減する。

Level 4:
もし一番初めに最適なサービスを提供できれば、無駄な活動を削減でき、その分のコストを取り除ける。そしてその分を顧客サービスに再投資できる。

常にLevel 4の考え方でいる、ということではなく、出すべき答えに応じて思考のレベルを変化できることが重要で、こうしたことを学べるのが、まさにエグゼクティブエデュケーションの学びの本質であり、IMD流グローバルリーダー育成とのことだ。


まさにエグゼクティブエデュケーションの一端に触れらた時間となり、予定の2時間もあっという間に過ぎた大変密度の濃い時間だった。

<終了後にSalvatore Cantale教授、専務取締役の福田と>
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