布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝

IMD流のグローバルリーダー教育とは? 第133回G研報告

2016年09月25日
幹部層のグローバルリーダー化として有効な手段として近年日本企業においてもこれまで以上に幅広い業界から注目を浴びているのがビジネススクールの「エグゼクティブエデュケーション」(短期幹部教育プログラム)だ。

グローバル人材育成研究会(G研)においても、この数か月、名門ビジネススクールのディレクター陣の来日が続いている。

6月: ロンドンビジネススクール
7月: ハーバードビジネススクール


そして、8月4日(木)のG研では、フィナンシャル・タイムズのエグゼクティブエデュケーションランキングにおいて5年連続世界1位を取り続けている、IMDからSalvatore Cantale教授をお招きした。

DSC_0074DSC_0052


しかし、なぜ今、エグゼクティブエデュケーションなのか?

敢えて一言で言い切るのであれば、「VUCAワールドにおけるリーダーシップの発揮」である。

変化が激しく(Volatility)、不確実性が高く先行きが見えず(Uncertainty)、様々な要素が複雑に絡み合っており(Complexity)、加えて、ものごとの因果関係が不明瞭で、かつ前例もない(Ambiguity)のがVUCAワールドだ。

VUCAの要素が深まるほど、進むべき方向を見出すためのリーダーシップが求められる

自動車業界を例に取ると、これまでの自動車会社にとっての競合他社は他の自動車会社だったが、これからはまったく違った業界から思わぬ競合が出てきて、業界のゲームがガラリと変わる可能性が高い

例えば、自動運転技術の研究開発に大きな投資をしたり、トヨタと提携するなど話題になっている、Uberの創業者のトラビス・カラニック。彼は、究極的には自動車の数を減らしグリーンな世界を目指しており、従来の自動車会社とはまったく違う位置づけから自動車業界に参入している。

また、今までの電気自動車の概念を覆す性能やスタイルを持った電気自動車を生み出したり、垂直着陸が可能な画期的なロケットを開発しているイーロン・マスクのような経営者も参入してきている。

まさにVUCAワールド真っ只中である。

ビジネススクールの「エグゼクティブエデュケーション」では、様々な経歴を持った、多種多様な業界のリーダー人材と共に、大局的かつ異なる観点からビジネスを考えられる
だからこそVUCAワールドにおいて先へと進み、結果を出すリーダーシップを磨くことができるのだ。

そのようなリーダーシップを磨く場に出て、十分な費用対投資効果を得るには、人選と事前準備が成功のカギとなる。
特に日本企業からの参加においては、高い英語力はもちろんのこと、コミュニケーションスキルや、MBAフレームワークも欠かせない。
そして、そもそも「授業を受ける」という受け身の姿勢から「貢献する」という積極的な姿勢へとマインドの切り替えが必要となる。
適切なアセスメントをかけ人選し、また対象者となる方からヒアリングをしながら数多くあるプログラムから最も適切なものを選択し、そしてプログラムのメリットを享受できるように、事前研修を組むべきだ。

G研では、第一部において、私からこれらエグゼクティブエデュケーション参加のメリットと成功させるための準備の考え方を紹介した。

DSC_0003DSC_0018

そして第二部では、IMDのSalvatore Cantale教授にご登壇頂いた
彼はイタリア人で、ロンドンで大手投資銀行でアナリストとして働き、その後イタリア、ニューヨークの大学で教鞭を取り、IMDでファイナンスや次世代リーダー向けプログラムの人気教授である。
イタリア人らしい陽気でチャーミングなファシリテーションで、開始早々に参加者から自然に笑みがこぼれた。

そんな、教授にお話し頂いたのは、「IMD流のグローバルリーダー教育」
今、リーダーが舵取りしなければならないのはVUCAワールドと呼ばれる、先が見えない複雑・曖昧で変化が激しい世界。
その世界においてリーダーとしては、どのように問題解決に取り組むべきか?

DSC_0069DSC_0044

そこで教授は、普段の授業さながらにBMWやシンガポール航空のケースを用いてのファシリテーション。
ビジネススクールで鍛えられる「思考法」の一部をご紹介いただいた。

シンガポール航空は、航空会社としての格付けが最高ランクの5つ星を獲得した1社だ。
新機材の導入に積極的であり、機内サービスの質の高さ、顧客満足度の高さで評価されている。
そうなると、さぞコストも掛かっていることだろう、と考えがちがだが、実は2001-2009年の記録では1席あたり1km動かすコスト、という指標で見ると、LCCを含む他の航空会社と比較しても格段に低く、最もコスト効率の高い会社ということが明かされる。
シンガポール航空は、様々なイノベーションを起こし続けている企業だが、あらゆるレベルで対立する2つの要素の両立を実現している。

例えば、
・トップダウンでの中央集権的なイノベーションと、現場からのボトムアップでのイノベーション
・他社に先駆け最新機材を導入するテクノロジーリーダーでありながら、バックオフィスでは実証済みの技術を使いコスト効率を高める

どのように相反する要素を両立させながら問題解決するのか?

教授が紹介したのは得たい成果に応じて4つのレベルの思考を柔軟にシフトさせながら意思決定をする考え方だ。

Level 1: 問題型思考
白か黒かはっきりさせる思考法。

Level 2: パズル型思考
問題は白か黒かではなく、「程度」問題という思考法。

Level 3: ポラリティー(極性)型思考
両極端の状況を併存させる思考法。

Level 4: パラドックス(逆説)型思考
白も黒も併せ飲み、新たな方向性を見出す思考法。

DSC_0046DSC_0078

例えば、シンガポール航空の例であれば、リーダーの目指すべき方向が、
「顧客サービスとコスト低減、という一見相反する目的を達成しながら結果を出していく」ことであれば、

Level 1: 
高いサービスを提供するオペレーションから、ローコストオペレーションのどちらか。

Level 2:
受け入られるレベルでの顧客満足と最低限必要なコストとの妥協点を見出す。

Level 3:
顧客サービスのある要素においては集中して、別の要素においてコスト削減する。

Level 4:
もし一番初めに最適なサービスを提供できれば、無駄な活動を削減でき、その分のコストを取り除ける。そしてその分を顧客サービスに再投資できる。

常にLevel 4の考え方でいる、ということではなく、出すべき答えに応じて思考のレベルを変化できることが重要で、こうしたことを学べるのが、まさにエグゼクティブエデュケーションの学びの本質であり、IMD流グローバルリーダー育成とのことだ。


まさにエグゼクティブエデュケーションの一端に触れらた時間となり、予定の2時間もあっという間に過ぎた大変密度の濃い時間だった。

<終了後にSalvatore Cantale教授、専務取締役の福田と>
Salvo-and-Global-Education_

第132回G研報告『ハーバードビジネススクールは何故トップを走り続けられるのか?』

2016年09月07日
7月21日、第132回G研 『ハーバード ビジネススクールは何故トップを走り続けられるのか?』
を開催した。

今回はハーバードビジネススクール(HBS)から
エグゼクティブ・エデュケーション ディレクターのPhilippe Labrousse氏、
日本リサーチ・センター長の佐藤信雄氏、
そして導入事例として日本を代表する飲料水メーカーの研修ご担当者様に登壇いただいた。

冒頭、私から「エグゼクティブ・エデュケーション」が何故今注目されているのか、
またその効果的な活用方法について主に以下4点をご紹介した。
エグゼクティブ・マネージャー育成の種類
人選と人材プール
人選後の準備
エグゼクティブ・エデュケーション参加に必要な事前研修

132_3957132_3974



私自身、ボストン本校での3日間の人事向けのコースを受講した経験がある。たった3日間であっても多国籍異業種のエグゼクティブとのケースメソッドの体験を通して、なぜ日本企業から派遣されるエグゼクティブがコースに積極的に参加できないのかがよく理解できた。
まとめると以下の3点が挙げられる。

1 英語力が不十分だとケースの予習が十分にできない。1日3ケースでありそれ以外に参考図書まで読むというのもある。ネイティブでも厳しい量である。1日3ケースをストレスなく読むのに十分な英語力はどれくらいかというとTOEICでは最低900というところだろう。

2 多国籍英語が飛び交い普段から慣れていない日本人には、瞬間的にアメリカ・インド・中国・ヨーロッパ・中東英語などの聞き取りにくい英語にスイッチ切り替えができない。

3 何か発言するとすぐに反論や意見が浴びせかけられる。これは日本人的「空気を読みながら意見を言う」 という文化に浸ってきた我々には慣れるまで時間がかかる。
ディベートを小学校から学んでたり、意見を言わない人は能力がないという教育をされている人たちのマインドセットとスキルははケースメソッドと相性がいいが、日本人はほぼ真逆である。

ということで参加してからの課題はあるのだが、国内で活躍し魅力的な幹部をこのプログラムに送り込むことは「良い投資なのであろうか?」という疑問が日本企業の中にある。

できれば上記3点の課題をなくしてからの参加に越したことはないが、そんなことを言っていると大手企業でも10人派遣したらもう候補者がいないということになるのが悩ましいところである(もちろん事前対策コースはある)。

私はエグゼクティブプログラム経験者数十名に帰国後インタビューしてきているが、その感触は投資としては成功していると考えている。なぜなら、プログラムを通して、いくら本を読んでもわからなかった「リーダーの本質」「自分は何者なのか」「ダイバーシティとイノベーションの重要さ」など経営者やマネージャーとしての基本がアップデートされ腹落ちする経験をしてきたと語る人がほとんどだからである。

エグゼクティブプログラムに派遣することは目的ではなく、グローバルリーダー育成の手段の一つでしかないのであるが、もし皆さんの会社に派遣準備ができている人材が枯渇しているとしたら、すなわちグローバルビジネス成功への黄信号がというサインかもしれない。

某メーカ―の事業部長曰く
「選抜されたときは気が遠くなるほどいやだったが、結果として人生で最高の経験だった!もしこの経験なしで現法社長をやっていたらとんでもなく部下に迷惑をかけ自分もつぶれていたかもしれない。。」


続いて佐藤氏とPhilippe から、「HBSが重視していること」
「エグゼクティブ・エデュケーションに次世代リーダーを派遣する価値」
についてお話いただいた。
132_3987132_3985
ビジネスにおいて、「確実」ということはありえないし、決まった正解もないことが大半である。
リーダーはVUCAワールド(Volatility,Uncertainty,Complexity,Ambiguityの略:ビジネスの世界では、企業を取り巻く市場環境が不安定で不確実、かつ複雑で曖昧模糊な混沌とした状況) の中で物事を常に判断し、決断しなければならない。

HBSのエグゼクティブ・エデュケーションでは、そう言った状況の中でリーダーがどのようにストラテジーを実行するのか?最新のケースにふんだんに触れ、各国の参加者とのディスカッションを通じて学び合い、臨機応変な人材を育成することを重視している

また、佐藤氏によると日本人が抱える課題の傾向としては大きく2点あるという。
一つは、最初に自分が発言した意見を変えることに抵抗があることだ。自分の信用を懸念し、本当は意見を変える必要がある局面で撤回ができない傾向がある。

もう一つは、経営者が陥りがちな一つのある分野には精通しているが、他の分野に関する知見が足らず、分野ごとの関わりを統合できないことである。
当然、経営者であればたとえ浅くとも全ての分野で議論を交わせる能力が求められてくる。

尚、カスタマイズプログラムでは、これらの課題に対して深くアプローチすることができ、自分の意見を自信を持って撤回し、各分野の関連性を把握、統合し自己の中に判断基準を作ることが可能になる。ここ数年日本企業からの参加も増加傾向にある。


そして今回は、実際にHBSのAMPプログラムに自社のリーダーを派遣されたA社のご担当者様にもご登壇いただいた。
132_4010

AMPへの参加を通じ、
1) Cooperate-協力
2) Society-社会にいかに貢献するか
3) Family-仕事と自分個人の生活をどう調和させるか
が最も伝えたかったことではないだろうかとのことだ。

日本人は1)のCooperateに偏りがちであることに気づかれたと同時に、
「英語とファイナンスはグローバル市場で活躍する上での入場券である」 とおっしゃっていた点が印象的である。
また、派遣にあたって社内でも大きな変化があったようだ。
10名の社員を選び、前年のHBSのケースを取り寄せ、約40のケースサマリーを作成、ブリーフィングを行ったというから驚きだ。
自社のリーダーが社員を巻き込んでこのプロジェクトに臨んだことで明らかに組織に大きなインパクトを与え、自社も世界で戦っていけると再認識されていた。

ダイバーシティの中で各国の価値観や個人の主張から新たな知を得て、自社のストラテジーに活かす思考パターンを身につけられる最高の教育がHBSにはあるということに、改めて多くの日本企業の次世代リーダーにご経験いただきたいと感じる。
同時に、何度聞いても大きな学びがあるのが、さすが世界の最先端を行くHBSの魅力である。
132_4031

G研報告:第130回「KPIマネジメントだけでは組織は疲弊する!上司としての人間力を高める“自己効力感”の高め方」

2016年08月17日
先日7/6(水)に、「KPIマネジメントだけでは組織は疲弊する!上司としての人間力を高める“自己効力感”の高め方」を開催した。

私からは、組織に活力を与えるための「自己効力感」を高めるためのエッセンスをお伝えした。

自己効力感は、下記3つの要素に大きな影響を及ぼす。

1.その行動を実際に始めるかどうかを決定づける(行動力)
2.どのくらい努力を継続出来るか(継続力)
3. 困難に直面したときにどのくらい耐えられるか(忍耐力)


DSC_3824DSC_3790

自己効力感は、下記4つの方法で高めていくことが可能である。

1.成功体験
2.代理体験
3.言語的説得
4.生理的状態


例えば、1.の「成功体験」とは、たやすく成功するのでは意味がなく、忍耐強い努力によって障害を乗り越える体験が必要とされる。

そのためには、セルフエンパワーメントやレジリエンス(回復力・復元力)を鍛えていくことが必要不可欠である。
また同時に、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のスピーチで言っていたように、「価値ある苦労を繰り返し、過去を振り返ってドットをつなげること」が重要である。
その時は辛くて逃げ出したかった体験も、今、振り返ってみれば価値ある深い経験であり、その経験があったからこそ今の自分がいる。そして、その結果、今の自分の自信=自己効力感に繋がっている。そう思える体験を増やしていくことが大切である。

DSC_3814DSC_3834

また、2.の「代理体験」だが、自分が実際に行動するのではなく、自分が行おうとしている行動を他者(同じような能力の人間)が努力し、上手く行っている場面を見たり、聞いたりすることを意味する。

例えば、弊社で実施している「選抜グローバル人材育成プログラム」でも、この「代理体験」は、よく目にする。

この「選抜グローバル人材育成プログラム」とは、外部からグローバル人材を雇うのではなく、生え抜きで、専門性、ロイヤリティが高く、周囲への影響強い、社内外人脈もある自社の優秀層を半年から1年間かけてグローバル化するというプログラムである。

先日もこの1年のプログラム初日に、受講者の一人がこんなことを言っていた。

「私が選ばれてしまったんですが、大丈夫でしょうか?しかし、まぁ、去年選ばれた同期の山本も(全く初めは英語を話せなかったけど)結局1年頑張って、最後はすごいプレゼンを役員の前でしてましたもんね〜。今では、海外とのやり取りをたくさんしてるみたいですし、あいつに出来るなら、私にも出来ますよね!?」

「代理体験」とは簡単に言えば、「あの人に出来るなら、私にも出来るだろう」と、思える身近なモデルを探していくことである。そうすることで、自己効力感を確実に高めることができるのだ。

第2部では、当社のパートナー講師である新里聡講師にご登壇いただいた。新里さんは、私が心から尊敬している講師の一人で、非常に才能豊かな、素晴らしい講師だ。彼の、目の前のクライアントに正面から向き合う姿勢と人を穏やかにさせる温かさは多くの企業からもご好評いただいている。

DSC_3913DSC_3871

新里講師からは、リーダーシップとは何か?チームとは何か?また、なぜ現代は自己効力感を高めづらい時代であるか?など私との対談形式及び参加者とのディスカッションを通して、皆さまにお考えいただいた。

強い組織を築いていく上で個々に求められる重要な要素は2つある。

1.セルフリーダーシップ(セルフエンパワーメント)
2.チームリーダーシップ

セルフリーダーシップが出来てはじめて、チームリーダーシップが機能する。そして、その人にフォロワーがついてくる。

ここで理解すべきこととして、リーダーシップとマネジメントは異なるものであることだ。リーダーシップとは、例えるなら「どの壁を登り、どこにハシゴをかけるかを決める」ことである。
そしてマネジメントとは「そのハシゴをどのようにして効率よく登るか」を考えることである。となると、最初にハシゴをかける場所は非常に重要だ。どんなに効率よく登れたとしても、間違った場所に効率よくたどり着いても全く意味がない。

DSC_3835DSC_3900

そして、そもそもチームの目的とは、チームで何かを達成する(目指してる結果を達成する)ことであるが、
目的達成のため強いチームを作っていく条件の一つに、行動と結果の見直しができるか?が挙げられる。同じアプローチ(同じところにハシゴをかけて)をして、同じ結果を求めるほど愚かな結果はない。

以下は、そんなリーダーに必要な資質だ。

■Vision caster ビジョンの伝達と共有
■Action Oriented 実践者
■High Performer with an abundance mind ハイパフォーマー(豊かさマインド)
■Understanding roles and connection (役割とつながりの理解)
■Sense of interdependence (相互協力意識)


しかしながら完璧なリーダーなど存在しない。
であるとするならば、「一緒に働きたい」と思わせる努力をし続けることができるリーダーでありたいものだ。100%を目指すことは重要だが、日頃の結果に悲観することなく受け入れ、成功につなげていく自己効力感を是非鍛えておきたいものである。

第2部は、私も後席で参加したが、新里講師のファシリテーション力にはいつも驚かされる。
ユーモア溢れる語り口調で、気付いたときには参加者全員が、自分の意見を活き活きと話してしまっているという、参加者の心からの言葉を引き出す名人だと思う。

新里さんのセッションを見て、改めて、組織を作り上げていく上では自らを信じて挑戦し続ける胆力とそれを周囲と共に成果につなげていくチームビルディングの重要性について考えることのできた貴重な時間となった。

<屋上にて、新里講師と専務取締役の福田>
DSC_3954

第129回G研報告『ロンドンビジネススクール ディレクターが来日! リーダーを着実に育てるプログラム作りのノウハウとは?』

2016年08月15日
先日開催した研究会、第129回G研 『ロンドンビジネススクール ディレクターが来日!  リーダーを着実に育てるプログラム作りのノウハウとは?』 では、ロンドンビジネススクール(以降LBS)のプログラムディレクターである、Adam Kingl氏を再びお招きした。LBSは今年50周年を迎えた記念すべき年でもある。

冒頭、私からエグゼクティブ・エデュケーションが注目されている4つの理由をご紹介した。
 1. グローバルリーダー育成の場として最高峰の場
 2. 優秀人材のリテンション
 3. 後継者育成
 4. クロスボーダーM&Aの増加

DSC_3884-1DSC_3828

日本企業のエリート層は今、もっと世界の優秀な人材の価値観に触れ、対等に意見を交し合う場に身を投じるべきだと考えている。
ご存知の通り日本企業の技術力、協働意識、CSなどのレベルの高さと質の確かさは世界的にも非常に評価が高い。
一方で、その価値を次世代に繋げるための人材の育成と確保という点では、欧米を中心としたグローバル企業と比較した場合、相当遅れていると感じる。

各企業において、後継者育成は喫緊の課題であり、自社ビジョンの明確化、そこに到達するための人材育成戦略の立案、実行は待ったなしである。
そういった意味でも、LBSはグローバルリーダー育成の環境として最高峰の場であり、
世界各国から来た人材のハイレベルな議論に参加することが自身の考え方に好影響を与える絶好の機会となるのである。
このプログラムに参加することで、今まで考えつかなかった戦略や価値観が醸成されると言えるであろう。

また、これらのプログラムに幹部を派遣するにあたっては
英語力を強化するためには「キュレーション型英語学習コーチング」が有効である。
これは、一人ひとりの目的とゴールに合った学習方法や教材・素材・講師を
枠のない、オープンなリソースから選んで個別化するという方法であり、無駄なく効率的に継続学習が可能であることから、当社の実績でも確実に成果に繋がっている。


続いて、LBSのプログラムディレクターであるAdam Kingl氏より
「急速に変化を遂げるグローバル市場環境において組織をどう適応させ、
最高のパフォーマンスを生み続けるか、チームマネジメントの秘訣」
と題しお話しいただいた。

DSC_3834-1DSC_3844

世界が変化する中で組織も変化が必要だが、
必要なアクションはリーダーのレベルによって異なるということを理解しておく必要がある

・次世代リーダー:アジリティ(敏捷性)
・ジェネラルマネージャー(課長):チームに新しい風を吹き込む力
・経営者:新しいビジネスモデルの構想と現状を変える力


共通して重要なことは”Learning by Doing”であるとKingl氏は述べる。
「学習=行動の変容」であるとすれば、組織は、学ぶために失敗を大いに許容する場でなければならないと強調している。
つまり、リスクや失敗を「実験」と捉え、成功するためのパターンを実行したと認識する、そしてその実験からの学びをいかに取り入れていくか?が極めて重要な要素ということである。

リーダーにはポジティブな意味で組織をリスクに晒し、チームの実力を解放してより良い未来へ貢献する能力が求められている。
同時に忘れてはならないことは、周囲はただリーダーの真似をするのではなく
自分自身のリーダーシップを模索し続けることが強い組織を生み出す秘訣であるということである。

当然、「実験」をセットアップするためには「仮説」を立て、実行の後に、
実験から得た学びは何であったか?を検証する必要がある。
仮に仮説が間違っていたとしても、それが貴重な学びとなり、次のより質の高い仮説に繋げていくことができるのである。

DSC_3825DSC_3812

チームマネジメントや組織を変える力といったトピックはよく語られる分野ではあるが、
LBSのような高品質なストラテジーを聞くとその奥深さと難しさ、そして変化を遂げた組織にもたらされる成果に改めて大きな価値と可能性を感じる。


また今回は事例発表として、
今年実際にLBSのプログラムに参加された伊藤忠商事株式会社の暮橋様にもご登壇いただき、
ご体験に基づいた学びをお話いただいた。

DSC_3872DSC_3866

プログラムの各モジュールごとに参加者が異なったため、
毎回新しい参加者と新しい議論となったと暮橋氏。
そんな中で日本人はたった一人。

「日本の立場ではどう考えるのかー?」

と常に意見を求められ、
日本の立場から意見を表明することの重要性を改めて感じたと同時に、
コミュニケーションとは思った以上に伝わらないものであるかを体感され、会社に戻ってからのご自身のコミュニケーション方法を見直す貴重なご経験になったとお話しいただいた。
ご参加頂いた皆様にとっても、実際に現地で刺激を受けて変化されたご本人の経験談が
リアリティを持って伝わり、「自社ももっと積極的にアカデミックな環境での学びを視野に入れなければと再認識した」といった声を多くいただいた。

今回LBSのプログラムに参加されて各国の価値観と議論を交わしたご経験が切っ掛けで、組織カルチャーに変化をもたらし、次世代のリーダーの育成につながっていくことを強く願っている。
些細なことでもエグゼクティブエデュケーションの課題については、是非当社にご相談いただきたい。

DSC_3892DSC_3919

写真のアヒルはLBSの50周年記念のキャラクターで、皆様にお配りいただいた。

第131回大阪G研報告:まだ間に合う? それとも手遅れなのか!?「45歳まるドメ課長」グローバル人材への道

2016年08月04日
先日、大阪で第131回G研 「まだ間に合う?それとも手遅れなのか!? グローバルに無縁の45歳 課長が驚きの変身を遂げた『まるドメ課長』グローバル人材への道」を開催した。

大阪支店開設後、大阪G研は3回目の開催となるが、今回も関西の企業教育ご担当者を中心に多くの方にお集まりいただき、研究会は非常に盛り上がりを見せた。

第1部は私のパートで、上記のテーマでもある。このテーマは以前東京でも開催し、好評であった
リアルなストーリーに基づく内容だ。
ここでは昨今の企業におけるグローバル人材の必要性と、日本を取り巻く環境の変化、新興国を
中心とした新しい人材・ライバルの出現・その背景などを交えてお話しさせていただいた。G遐・31逕サ蜒十IMG_0826G遐・31逕サ蜒十IMG_0827

初めに45歳としたが、実はプログラム自体はこの年齢に限定したものではない。各企業において、
中核となる人材をいかにグローバル化するかということが重要であって、それぞれの状況を鑑みた際には30代前半〜課長職手前などから育成を開始するケースもみられる。

しかしながら日本においては部長・課長のグローバル化は必要であるにも関わらず、その階層への研修は実際できていないケースが多い。
そこには英語ができないために、担当者からは「受講させられない」、本人も「受講したくない」などのネガティブサイクルに陥っている現状がある。
また若手社員と比較した場合など年齢に対しての投資効果の疑問から、安易にこの階層への研修を敬遠しているとすれば残念なことである。

そして、45歳という年齢が果たして「手遅れなのか、間に合うのか?」についての答えは
「手遅れではなく、十分に成長できる(間に合う)」
「対象者を間違えなければグローバル人材として十分活躍していただける」
である。

私から参加者へ質問をさせていただいた。
「幹部級グローバル人材は外部から獲得?それとも、社内で育成?」
に対しては、外部獲得と社内育成の組み合わせが理想と感じられる方が多かったが、
中には個人的な意見として、大半を外部から登用するのもありではないか?という意見もあった。
一方、外部からの獲得に頼らず社内で100%育成を目指している会社もあった。
これには企業のフィロソフィーなども影響するであろうが、
8割は自社で育成、2割は外部から採用というくらいがちょうどいいのではないだろうかと私自身は感じている。
G遐・31逕サ蜒十IMG_0856G遐・31逕サ蜒十IMG_0855
プログラムに戻るが、改めて重要なのは「人選」である。そして選ばれた方の「自己改革する決意」である。約11ヶ月の間、これまで経験したことのないような「しんどさ」と「充実感」、そして自身での変化に対する気付き、他者からの評価の変化、グローバルリーダーとなるべく圧倒的な自信がつくのである。


第2部は当社講師であるJames Doughertyが登壇した。
「今の限られた英語力でできることを飛躍的に増やす!
〜社員のプレゼンテーション力は1週間で驚くほど伸ばすことが出来る〜」
というテーマで、
プレゼンテーション研修の一部をご紹介した。
言うまでもなく、プレゼンテーションで人の心を捉えることと、英語力の高さは決してイコールではない。型を知り、実践すれば今の英語力でも最高のパフォーマンスをし、相手を説得し、動かすことは出来る、というものだ。
G遐・31逕サ蜒十IMG_0866G遐・31逕サ蜒十IMG_0871
何名かの方にも参加いただいて、ワークを実践していただいたが、各参加者の声として、
「コンテンツ(内容)よりコンテキスト(≒デリバリースキル)の重要性を理解することができた。」
「これまで伝える際に内容ばかりに注意が向き、伝え方の部分への意識は低かった。」
など新しい気付きを得ていただいたようだ。
G遐・31逕サ蜒十IMG_0872G遐・31逕サ蜒十IMG_0898
また、世界72か国、4000名以上のグローバル人材を育成してきた経験から、日本人のマインドセットをよりグローバルに変えるにはどうすればよいのか、また成功する秘訣についてお話しいただいた。

彼は「今後のグローバル化した世界で、生き残る人材に必要なのは『attitudes』である」と
主張してる。
大きな成功を収めてきた優秀な人材達に共通しているのは、優秀なスキルや知識だけではなく、
「人生に向かう姿勢、そして仕事に向かう姿勢=attitude」
であるからだ。
また、attitudeを保つためには、モチベーションが必要となるが、モチベーションを高める方法としては
「自分が頑張ることにより周り(家族、同僚、部下、上司など)が感謝してくれる」という、「人のために貢献する」気持ちであるとのことだ。

これは研修の場面でも同じことが言える。一例として、ある研修の中での話が出た。
英語力が非常に低い受講者が、当初の研修では殆ど英語で発言できなかったのだが、その受講者に過去の成功体験を3つと、そこからどんなスキルを得たか、自分自身の強みも含めて書かせた。
その受講者は一生懸命情熱を持ってそれを全員の前で発表したのだが、その瞬間メンバーの目が変わったとそうだ。面白いことに彼が変わると、周りも少しずつ変化が生まれ、結果その研修は大成功をおさめた。

人から認められ、自信をつけることで、徐々にマインドが変わる。
そして、よりオープンに様々な角度から物事を考えることが出来るようになる。
その「変化」が、グローバル人材への成長の一つのきっかけだったのではないだろうか。
G遐・31逕サ蜒十IMG_0906G遐・31逕サ蜒十IMG_0911

次回の大阪G研は9月13日を予定している。多くのご担当者様にお越しいただければ幸いだ。

第128回G研報告『効果的な英語学習PDCAメソッドで自分の「壁」を超える』

2016年07月27日
私は30年に渡ってグローバル人材育成の課題に取り組んできたが、グローバル人材が育たない!という課題の大きな要因の一つは、個人の「Practice」の問題だと考えている
解決方法は至ってシンプルで、多くの場合、練習を重ねてそれを習慣づけることで解決出来る。
また企業においてはグローバル人材の定義が曖昧であることも、本質的にグローバル市場でインパクトを出せる人材が育たない要因だと考えている。
正しい方法で正しいトレーニングを習慣化させることが後にも先にも重要である。

DSC02017DSC02019

先日の第128回G研では、『英語学習を継続させる!「チームラーニング」で学習PDCAを確実に回す「共有型英語学習システム」とは?
というテーマで、グローバル人材になるための一つの要素である「英語力」にフォーカスし、効果的に英語学習を継続させるツールとして、当社が導入する日報共有アプリGamba!の事例をご紹介した。


今回は実際に、株式会社Gamba日報エバンジェリスト 松田充弘氏にお越しいただいた。
松田氏は、学習PDCAを効果的に回して習慣化させるためには、チームメンバー同士が切磋琢磨する環境づくりが必要だと主張した。
その上で、今グローバル市場で最も活躍すべき各社の40代男性がダントツで英語力に強烈な苦手意識を持っており、この層が継続的に英語学習のPDCAを回す重要性を指摘した

DSC02063DSC02078

ポイントはメンバーの成長支援、つまりメンバーのファインプレーやファイン情報を評価、あるいは感謝することで競争意識を高め、協業を促すことである。
このPDCAを高速で回すことで効果的な学習の習慣化を促すというわけだ。

松田氏は英語学習が続かない理由として
\擶詰まっていない(差し迫った目的がない)
▲咼献腑鵝μ榲を自主的に設定しない
真剣に学習時間を確保しない

上記3つを挙げた。
「できれば、英語なんて使いたくないー」という逃避欲求が、彼らの本音だ。

こういった原因を、彼らが手がける日報共有アプリGamba!で解決する。
マズローの唱える人間の5段階欲求の中で最も人間が欲している3つの欲求、それは尊厳欲求、
社会的欲求、そして最後に自己実現欲求であると松田氏。
Gamba!は、これらの欲求をくすぐる仕組みだ


最後に、当社専務取締役の福田より大手メーカー幹部候補クラスへのGamba!活用事例とその効果についてご紹介した。福田は「英会話レッスンは限界を迎えている。週1回、英会話レッスンに通って英語をモノにできた人材を今まで見たことがない」と言い切る。

DSC_3798


・英語の習得において重要な2点
[未質になる(1日1時間以上、月30時間を越えて初めて効果が出始める)
∈能蕕篭遒餌しで継続する仕組みに投資すること


・Gamba!の導入で得られた効果
ヽ惱時間の可視化
これは、受講者・事務局・当社のコーディネーターが個々人の学習時間を把握でき、その受講者に合わせたフィードバックを実施できる。

Gamba!を活用したキュレーション型英語コーチング
キュレーションとは様々なソースの中から自分に合っていて、かつ重要な情報のみを「選定」することを意味し、一人ひとりの目的とゴールにあった学習法を提案する。
松田氏も述べたように、英語に対するアレルギーを持っているという人に対しては、最短距離で成果を出せる方法を提示することが非常に重要だからだ。

つまり、決意と行動、そして継続と安定が肝ということである。Gamba!のコンセプトは英語学習の習慣化支援をしていく上で、相性が良い。自分の現状を共有し、それを周囲が支援することで確実に学習習慣化やモチベーション維持の効果が表れ始めている。

最大の敵である「自分」という壁は、工夫次第で周囲と共に越えることができる。

DSC_3805

写真は、株式会社Gamba代表取締役社長 森田氏、日報エバンジェリスト 松田氏、当社専務取締役の福田と共に。

第127回G研報告:今の若手社員にとって、魅力的な上司とは?

2016年07月04日
先日、第127回『伝わらないのは誰のせい?!若手社員の特徴を理解するための「違いを味方」にする考え方』を開催した。

サーバントリーダシップと支配型リーダーシップ
あなたなら上司としてどちらのリーダーを望むだろうか?

DSC_0252DSC_0282


今、若手社員にとって「あの人についていきたい!」と思う上司像が、サーバントリーダーへと変化しつつある。
サーバント・リーダーシップの提唱者であるRobert K. Greenleaf は、サーバント・リーダーシップの定義について次のように述べている。

『サーバント・リーダーはまず、自分がサーバントであるという考えから始まる。
これは人間なら誰も他人のために仕えようとする人間本質の感情を前提に始まる。
真なるリーダーは率先して他の人に仕えながら、彼らを導く。
現在のリーダーがサーバント・リーダーであるのかを検証するには、部下たちがリーダーの支援を受け、人格的に成長し、より健全で賢明になり、より自律した意思決定ができるのか、また部下自らもサーバント・リーダーになっていくのかを分析しなければならない。』


つまり、リーダー(上司)はリーダーである前にサーバント(部下に仕える)でなければならないということである。そうすることで上司と部下の間に信頼関係が生まれ、組織が目標に向かっていくことの手助けになる。

29歳以下の世代は「つくし世代」とも呼ばれ、物事に対して「仲間に喜んでもらえれば自分も嬉しい」「皆で創り上げたい」という価値観が強いといわれている。

一方、支配型リーダーとはメリット・デメリットを中心とした指示・命令によって人を動かすリーダーのタイプであるが、ここ数年の若手社員は全体的に、統率力を啓示して先陣を切る強いリーダーよりも、自分を理解し、可能性を引き出してくれる上司を求める傾向が顕著になっている。
これも、つくし世代のひとつの特徴と言える。


<若手社員を伸ばす上司が実践している「違いを味方につける考え方」とは?>


後半では、脇田啓司講師にご登壇いただいた。

DSC_0403DSC_0242

いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれる今の若者は、今までの社会共通の価値観とは大きく異なる。

最も重要なことは「相手を変えようとするのではなく、相手への接し方を変える」ということである。

今の若手社員世代は、個性を尊重され、「他者と優劣をつけられる競争」にさらされた経験も殆どないことも起因して、かつての日本企業のビジネスパーソンに比べ出世欲がないことが大きな特徴の一つと言える。

しかしこれは一方で、「自分を活かしたい」という思考を強く抱いていることも同時に示唆している。
自分の個性を発揮して自分が置かれた環境で活かされることに存在意義を見出すため、
企業側はこの心理を活用しない手はないだろう。まさに、「違いを味方につける」ことが重要となる。

その為には、今まで置かれてきた環境で彼らにとって当たり前であった思考から、
否定をするのではなく視野を広げてあげる、というリーダーの視点や接し方が、彼らのモチベーション向上の要となる。


DSC_0194DSC_0363

そういった些細なアプローチの変化は

自分は会社に何が出来るのか?
顧客のためにどんな貢献が出来るのか?

といった仕事をする上で重要な視点を、
彼らが自発的に抱くひとつの契機となるはずであり、「部下育成」を加速させる重要な要素である。

「人」という企業にとって最も重要ともいえるリソースの価値を最大化させることは、
永遠のテーマである、と改めて考えさせられた。

DSC_0408









写真は、脇田講師と専務取締役の福田と一緒に、弊社の屋上にて。

第126回G研報告45歳「まるドメ課長」をグローバル人材に変える方法』

2016年06月06日
先日、第126回G研『45歳からでもグローバル人材になれるのか?それとも手遅れなのか?!「まるドメ課長」をグローバル人材に変える方法』を開催した。

<グローバル人材は必要に応じて必要な人数を採用すればいいのか?>

社内にグローバルで通用する人材がいなければ外からとってくればいいという発想もある。
しかし実際は日本企業ではそのやり方はあまりうまくいっていないのが現状だ。
そこが外資系と違うところだ。会社がそういうドライな風土ではないのに都合のいいところだけ持ってこようとしても機能しないのは当然である。
もちろん各社それぞれ事情は違うので一概には言えないが、8割は自社で育成、2割は外部から採用というくらいがちょうどいいのではないだろうか?


45歳というと、1993年から1996年のバブルが崩壊してすぐ就職氷河期時代に就職を経験されたいわゆる「団塊ジュニア」と呼ばれる方々の世代である。

今回45歳にフォーカスを当てたのは、上記の理由で外部からの採用ではなく専門性や人脈もある生え抜きの自社中核人材をグローバル人材に育成しようという動きが高まっているという背景がある。
せっかく社内にいる優秀な人材を<ローカルもグローバルも適応できる>に変えようということである。

もう少し正確に言えば実際は年代的に35歳〜45歳くらいの層にスポットが当たっている。

DSC_0216DSC_0184


今回ご参加くださったご担当者様からも、
「グローバル人材は必要だが自分ではない、と思っていることが大きな経営課題であるという声がある。その事実を社内の優秀な人材に気付かせる必要がある。」

といった社内の人材育成施策のフェーズの変化の声をお聞かせいただいた。


<本当に45歳から変わることが出来るのか?>

結論から申し上げると、選抜されるようなAクラス人材であれば成功事例がいくらでもある。プログラムは国内外で様々な種類があり、その層や人材をどのように育成していくのかから逆算してカスタマイズすることが可能である。


以前もこのブログでご紹介したが、幹部の上位20%をグローバル人材化することで、組織のカルチャーは着実に変わっていく。当社では、コア人材プログラムとして、11か月間のコアグローバル人材育成プログラムを実施しているが、1年前には想像もつかなかった自分自身の変化に、皆さん共通して大変驚かれる。我々としても変化の過程を共に歩めることは大変に感慨深い瞬間の一つである。


後半では、当社専務取締役の福田聡子より、グローバル人材の一歩ともなる英語学習について
学習する上での重要なポイントと変化をお伝えした。

DSC_0234DSC_0206

・発音、文法、表現力など基礎を学ぶことで、英語に対する苦手意識がなくなり自信がつく
・研修中の発音&ファシリテーションの回数など、リーダーシップ発揮に変化が現れる
・単語力&表現力が増えることで、難しい内容でも諦めずに何とか自分の言葉で伝えられるようになる。

焦点となるのは、「理解できるようになったか?ではなく出来るようになったか?」である。
英語に対する抵抗から手を付けない方も多いが、そろそろ腹をくくって取り組んでいきませんか?というメッセージを強調したい。一歩踏み出せると、一時の辛い体験は達成感の大きさにも繋がる。



<今ある英語力で最高のパフォーマンスをする方法>

第2部では、当社講師であるJames Doughertyが登壇した。

DSC_0256DSC_0300

今回ご参加くださったご担当者様にもプレゼンテーションを実践頂いた。そして、重要な要素を知った上で再度行うと、その変化と周囲に与えるインパクトの大きさに会場が沸いた。たった数時間でも明らかな効果があり、ご導入が決まった企業様もおられる。

DSC_0307DSC_0290

今回取り上げたのはビジネスコミュニケーションスキルの中核である「プレゼンテーションスキル」である。ここで重要なことは、プレゼンテーションにおいてはコンテンツは去ることながら、最も必要なものは「デリバリースキル」だということである。
デリバリー・スキルには主に、

^象
表情(アイコンタクト、笑顔など)
声・声のトーン
ぅ献Д好船磧

の4つが挙げられるが、こういった表現術を一言で表すと「トータル・ボディ・コミュニケーション」である。驚かれるかもしれないが、これらを習得するのに必要なのは一重に
「Practice,Practice Ptactice」なのである。
Practiceこそが、揺るぎない自信とモチベーションを築いていくことを、強くお伝えしたい。

例えば、胸の高さに手を持ってきて自分が思っているよりもオーバーにジェスチャーをつけると、たったそれだけで周囲を一気に引き付け、相手の脳裏に自分の印象を焼き付けることが出来る。また、声の抑揚も同様だ。これらは、例え英語力に自信がなくとも「型」を習得することで、格段に見違えるインパクトを相手に与えることが出来る。

DSC_0286DSC_0319


以下に、James Doughertyのジェスチャーをいくつかご紹介する。


DSC_0261DSC_0275


DSC_0257DSC_0249


DSC_0247DSC_0305


ご参考までに私とJames Dougherty氏の共著「相手を動かす英語プレゼンテーション」はこちら。
CDROM付きで実際にプレゼンテーションスキルトレーニングのBefore/Afterが収録されている。


↓↓詳細とご購入はこちらから↓↓
ジムの本の写真

具体的な方法まで細かくご紹介しているので、多くの方に是非手に取っていただければ幸いだ。

第125回大阪G研報告:部下を伸ばす上司が実践しているたった5つの習慣

2016年05月30日
先日、大阪にて第125回グローバル人材育成研究会(G研)「部下を伸ばす上司が実践しているたった5つの習慣」を開催した。これが大阪支店開設後、2度目のG研開催である。
前回同様、ご担当者間のワークは非常に活発で熱のこもったディスカッションが印象的である。

第1部は私のパートで「なぜ、部下はやる気を失うのか?復元力を引き出せる人、引き出せない人」について意見を述べた。
G125_01
日本でも様々な企業が「グローバル企業」として活動し始めているが、日本を代表する大手電機メーカーの新しい人事制度に簡単に触れた。
その導入目的は、
1.世界中の管理職のデータベース化
2.数万ある管理職ポストの格付け 、である。
それが意味するのは、従来の日本型「年功序列」や「終身雇用」との決別である。
つまり「やる気」の源ともなる、会社における個人の在り方が高度成長期〜バブル期以前とは全く異なるのである。
そこで参加企業の皆さんに「人材確保」「リテンション」「社員のやる気の喚起」に向けた課題について議論していただいた。
G125_04
出てきた意見としては、
 ・世代間GAPの存在
 ・若手のやる気を抑制する上司の存在(考え方も古い)
 ・指示待ち(判断を委ねる)
 ・若いマネージャーに対して年上の部下 、などがあった。
さて現在、深刻になりつつある若者の離職であるが、最も高い理由が「メンタルヘルス面の不調」である。更に深堀すると、「仕事内容への不満」「人間関係への不満」と続く。
この結果からも、上司や職場の関わり方が大きく影響していると言えるであろう。

次に、不満を持たれる上司、不満を持たれない上司の違いについて一例を挙げてみた。
◇ビジョンがない  ◇やる気がない  ◇コミュニケーション力不足
◇課題解決できない  ◇ダイバーシティに適応できない

そして、レジリエンス(復元力)についてもその種類について述べた。
1.知的なレジリエンス(常に能力開発をし続け、前向きな形にする)
2.感情的なレジリエンス(労働以外の時間もある程度確保する)
3.社会的なレジリエンス(様々なネットワークを作り、常に新たな活路を見出す)
これら3つを意識し、常に鍛えることにより「復元力」は自ずと備わってくる。
チャートで参加者自身の復元力について自己評価をしていただき、私のパートの締めくくりとした。

第2部は竹枝正樹講師に登壇いただき、問題解決の研修事例を交えて部下育成についてお考えいただいた。
竹枝講師の非常にテンポ良く、明快な説明と参加者の熱気で議論も大いに盛り上がっていた。
G125_05 G125_03

「よくある営業での上司と部下の問題解決」では、問題の認識・ゴール設定・課題の抽出をする前に原因追求を始めてしまう例や単なる詰問となっているケースなど出しながら「考え方」のポイントをご説明いただいた。
・アイデアを数多く出す、広げる【発散】
・深堀をし考える、情報整理・選択【収束】
考える場合にはこの「発散」「収束」を繰り返しながら議論を深めていくことが重要である。
そして「部下を伸ばす5つの習慣」として以下、ご説明いただいた。
STEP1.問題を認識する[現在抱えている問題とは何か] 「発散」
STEP2.[あるべき姿を決める]どうあればよいのか  「収束」
STEP3.[3A差(課題)を洗い出す]差の発生要素はなにか 「発散」
      [3B差(課題)を特定する]その差は本当に問題なのか 「収束」
STEP4.[原因を探る]なぜその問題が発生しているのか 「収束」
STEP5.[5A解決策を洗い出す]あり得る解決策は何か 「発散」
     [5B解決策を評価して選ぶ]どれが・どの順番が効果的か [収束]
ワークの中では「事実と解釈の違い」を理解し、『あるべき姿の決め方〜問題の抽出〜原因分析〜解決策の立案、まで「思考力」を強化』すれば部下育成にも好影響を与えられることを参加者にはご実感いただけたのではないだろうか。
G125_02
竹枝講師は業界別カスタマイズも可能であり、若手から50代まで幅広い階層に非常に親身になって知見を与えてくれる講師である。参加者のアンケートにも新しい発見を喜ぶ声もっと長い時間体験したかったという声が多かった。

是非、次回のG研も多くのご担当者様にお越しいただければ幸いだ。

プレミアム分科会ご報告:適職マッチングの力とは?

2016年05月20日
先日、少人数限定で実施しているプレミアム分科会
『営業の生産性を2.5倍高める「適職マッチング」の力とは?
〜デキる営業マンと、そうでない営業マンの違いを可視化するアセスメント〜』
を、プロファイルズ株式会社 福島竜治氏をお招きし開催した。

DSC_0185DSC_0187



<その職種にマッチしているか?が最も重要な指標になる>

自社の人材が継続的に成果を上げるために必要なことは、スキルや能力、性格だけではない。
どんなに能力が高くても、その人材が成果を最大化できる職務でなければ生産性が期待できない。
具体的には、スキル・文化・職務が重要な3要素となる。

そこで、適職マッチングを実施するための一例として、採用や人材配置の意思決定において科学の力を活用する人材アセスメントツールProfileXTをご紹介した。
これは、「思考スタイル」、「行動特性」、「仕事への興味」の 3 つのセクションからなる評価・測定アセスメントだ。実際にご参加いただいた皆様には事前にアセスメントを実施していただき、その結果を基に適切な職務や環境で働くことへの課題を議論頂いた。

ご参加いただいた皆様の主なご参加理由としては、
♢ハイポテンシャルな人材を早く見つけ、タレントマネジメントを本格化させたい
♢中途採用を中心に採用活動をしているが、定着率が低い
♢人材を育成する上で、どういったロールモデルを作成し、活用するのかが社内で課題となっている
♢異動先でのミスマッチで能力のある人材が退職し、社内でリソースを最大化できていないと感じている

などが挙げられた。
算出された数値を基に、同じ数域を持つ人材を配置することでその人材の潜在能力と能力発揮に適した環境を定量定期に見極め、意思決定の一助にする
ここで生まれる懸念として大きく二つが挙がった。

 嵜雄倏枌屬梁人誉が損なわれるのではないか?」

この懸念に対しては、同じカテゴリーの中で会っても個々での偏りは存在するため、適職な人材の集まりの中に多様性は担保でき、組織の生産性を高めることが出来るのである。

◆岼嫂淌に適職と多少異なる配置をし、ストレッチをさせることで後発的にマッチングさせていく必要もあるのではないか?」

このパターンも当然有り得る。しかし意図しての配置であるならば本人への徹底的なフォローが不可欠であり、上司が次にどんな職務につけばその人材が力を発揮できるのか、KPIを示す必要がある

このような分析アセスメントは人材配置の前段階からおおよその適職度をマネージャーが把握できるため、意思決定の大きなサポートとなる。しかし当然、数値はすべてではない。
アセスメントツールを活用した上で、部下への「承認」「傾聴」「説明の具体性」が担保されて初めて、相対的な「適職マッチング」が実現されることを強調したい。

DSC_0188DSC_0183

プレミアム分科会は少人数限定開催のため、各社の課題事例を細部までふんだんに共有し、深い議論が出来る。ご参加いただいた方からは「業種は異なっても、他社も同じようなことで悩んでいる、ということが大きな発見であった。もっとこういった議論を蓄積し、アセスメントなどの判断基準を明確に設けていく必要性を感じた」といった感想を頂いた。

タレントマネジメントを経営と結び付ける視点が、今後さらに求められてくると肌で感じた濃厚な時間であった。今後弊社でも、定量的なアセスメントを強化し「世界で活躍できる人材」の精度を高めていく次第である。



kazukon at 11:04│アセスメント 
ページの先頭へ


このWebサイトに掲載されている文章・写真・イラスト等の無断転載等を禁じます。(C)Copyright 2006 GLOBAL EDUCATION AND TRAINING CONSULTANTS. All Rights
      Reserved.
布留川 勝の「人材育成の現場!」日記 グローバルエデュケーションのサイトへ 詳しくはこちら