布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2006年10月

後継者のマネジメントコース@ニューヨーク大学

2006年10月24日
3fa6b221.jpg国際後継者フォーラムマネジメントスクールさん主催のニューヨーク大学マネジメントコースが今週始まった。この企画は昨年に引き続き2回目で、弊社がコースのコーディネートを担当している。



代表の二条さんは、23歳でお父様が亡くなり9店舗を擁する婦人服チェーンの会社の社長となった。その後16年間中小企業の経営者として頑張られたが,2000年に会社は整理・破産。そして、二代目経験者として同じ過ちをしてほしくないという一念で全国の後継者を支援している方である。(二条さんのBlogはこちら→http://nijou.livedoor.biz/



二条さんとは6年前にキャリアカウンセラーのセミナーで一緒になり、同じ時期に起業したこともあり親しくさせていただいている。 会員の後継者にグローバルな体験をしていただきたいという二条さんの依頼で、ニューヨーク大学に5日間のマネジメントのコースをカスタムで昨年開設した。内容は、リーダーシップ、ミーティングマネジメント、異文化コミュニケーションに加え、ゲストスピーカーをお呼びしている。



昨年の1回目の到着日に、二条さんからメールを頂いた。そのメールが感動的であった。5年前の自分は会社を閉め、破産まで追い込まれ、その頃には自分がコンサルタントとして会員の方たちとニューヨークまでやってくることなど想像もできなかった。ホテルで一人になった時は、走馬灯のように今までの苦労が目の前に浮かんできて涙が止まらなかったとのことである。普段から二条さんの優しい人柄を知っている私は、その光景が目に浮かんできて、この企画に参加できたことが本当に嬉しかった。昨年のご参加者との帰国報告会には私も参加したが、皆さんそれぞれ何か感動を持ち帰られたようで会も盛り上がった。家の事情で大学進学をあきらめた後継者の方もいて、ニューヨーク大学で短期間であるが講義を受けたことには特別な感情を覚えたと二条さんに語ってくれた人もいた。



写真は今朝早速二条さんよりメールされてきたもので今年の参加者である。前列左から三人目が二条さんである。後列中央が前々回このブログでご紹介したDr. Jexで、今回もいろいろとアレンジに走り回ってくれた。



今週の土曜には一行は帰国する。



kazukon at 18:49

INSEADのシンガポール校を訪問して

2006年10月20日
cc628175.jpg












先週末から火曜にかけてINSEAD(フランスのビジネススクール)のシンガポール校で、カスタムプログラムの打ち合わせを行ってきた。赤道直下に位置するシンガポールは、四季のない熱帯モンスーン気候でいつも日本の夏のような状態である。風邪気味であったので真夏の気候で一気に治そうと思ったが、現地はあいにくインドネシアからの森林火災による煙害で、空はどんよりし、空気も悪く当てが外れてしまった。ということで、今日もまだ咳こんでいる。



今回はカスタムプログラムのコーディネーションをアウトソースしていただいたクライアントの人事部長とこのコースのご担当者との出張である。5月に1回目の打ち合わせを現地で行い今回は2回目で1日のミーティングであったが、そのプロセスにおいてやはりトップビジネススクールのコースデザイン力、教授の質の高さは印象に残った。こちらからの要望以上の内容をよく考えて提案してくれた。



この日もキャンパスでは、欧米のグローバル企業のカスタムプログラムがいくつか展開されていた。INSEADいわく、これらのグローバル企業の強みと共通点は、『グローバルレベルで機動的に人を動かす事ができている』ということである。まあ、当然のことであるが重みのある言葉であった。 その通りで、必要な時に必要な人材がプールされていることが、グローバルビジネスで成功する条件である。日本企業の多くはこの点で、残念ながら遅れをとっている。弊社クライアントの多くは、各業界のトップ企業であるが、グローバル展開に必要な人材は十分揃っているという話はほとんど聞こえてこない。



シンガポールの町を歩いていて、車がよく磨かれていたり、ごみが落ちていないのは東京に似ている。ただ、別に洗練されているイメージはない。むしろ東京に比べるとなんとなく野暮ったい。ただ、圧倒的に違うのが『英語が通じる』という部分である。シンガポールイングリッシュ(シングリッシュ)は半分くらいしか理解できないこともあるが、ごく自然に英語を話している。必死に中国語を英語に直して話している感じはしない。INSEADがアジアにキャンパスを展開する時に、東京も候補に上がったようだが、やはりこの英語の部分もネックになったのかもしれない。日本人が英語をシンガポール人と同じレベルで話せるようになったら、東京はもっと外国資本の投資が増え、観光客が増え、さらに魅力のある大都市になるのかもしれない....とふと思ってしまった。



写真はINSEADのMBA学生用のカフェテリアである。米国ビジネススクールとの違いは学生の多国籍度(50カ国)である。



kazukon at 16:24

人材育成の『場』としての中国

2006年10月03日
81974937.jpgデスクトップを整理していたら、今年の3月に中国出張した際の写真が出てきた。 写真で私の隣のベレー帽の紳士はニューヨーク大学のDr. Jexである。 Jex氏とはニューヨーク大学で『Global Certificate』(http://www.globaledu-j.com/g/g52.html)というMini-MBA的なプログラムで『若手のグローバル人材を育成しよう』という志で協働させていただいている。 もうかれこれ10年近いお付き合いで、今回も『中国の大学とのジョイントプログラムの可能性もあるし一緒に行かないか?』という有難いお誘いを受けて、即座に『YES!』とお答えし、上海、西安、北京をJex氏のビジネスパートナーで教育コンサルタントのY氏と3名で10日間視察した。

そこで感じたことを2点述べさせていただく。



中国人材>グローバル人材



今回の私の印象では、中国の大学やビジネススクールは、プログラムの充実度としてはまだ発展途上である。 ただ、日本からの企業派遣の研修プログラムとしての展開を考えた場合、中国という場でのトレーニング機会を持つということは、中国要員の育成には効果があるだろう。問題点は体系的にマネジメントを学ぶにはまだ充実度は低いことである。中国人材の育成にはいいが、グローバル人材育成という意味ではベストの選択肢とは言えない。



台湾出身米国人のチャイナドリーム



同行したコンサルタントのY氏が私に話してくれた彼の夢が興味深いので紹介する。彼は15年前にニューヨーク大学で修士号を取り、その後米国のグリーンカードを取得し米国国籍になった。いわゆるアメリカンドリームを求めて米国に家族とともに移住したわけである。その彼が、数年以内に中国に移住することを本気で考え、反対する家族を説得中だという。理由はいたってシンプルである。中国の方がよりチャンスが転がっているから、という訳だ。彼は年に4-5回中国を訪れ、数ヶ月で信じられないくらい変わっていく中国のスピードとパワーに魅了されたのだ。彼はこの変化のスピードの中に自分の自己実現の可能性を見出したと言う。米国に憧れ、米国籍を持つ46歳の彼は、彼自身のプロフェッショナルとしての最後の主戦場を米国ではなく中国におこうとしているのだ。台湾出身米国人のチャイナドリームである。私自身も、この出張で「リスク」と「機会」が混在し、日本どころではない「格差社会」を体験した。そして、一種の嫌悪感とともに、どこか退屈で平凡な日本社会にはない「未開発のビジネスチャンス」の魅力も同時に感じてしまった。



強烈な刺激を得られるという意味では『ハングリー精神』を失い、『自立』を模索する日本人ビジネスパーソンには、現在の中国は自らを鍛える格好の『場』になりえる。アジア全体を踏まえたグローバルリーダー育成プログラムをコーディネートしたいと考えるなか、中国の教育研修機関は未開発だが大いに可能性を秘めている。



写真は万里の長城(北京)にて撮影



kazukon at 10:05
ページの先頭へ


このWebサイトに掲載されている文章・写真・イラスト等の無断転載等を禁じます。(C)Copyright 2006 GLOBAL EDUCATION AND TRAINING CONSULTANTS. All Rights
      Reserved.
布留川 勝の「人材育成の現場!」日記 グローバルエデュケーションのサイトへ 詳しくはこちら