布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2007年10月

現場の英語

2007年10月18日
先週から今週にかけて、19名を英語でインタビューした。対象者は30代を中心とした優秀な人材ばかりで、企業派遣で6ヶ月の海外研修にこれから出発する人たちである。TOEICは平均700点代で、それなりにビジネスで英語を使っている人が多かった。



19人それぞれが英語に関する『悩みや壁』を感じている。



Aさんは、TOEIC800点後半であり、知性の高さを感じさせる英語を話すのだが、まだ自然に英語が出てくるのではなく、苦しみながら話しているのがわかる。ネイティブとの電話会議や難易度の高い交渉の場面を終えるごとに、自分の英語力の未熟さを実感しているそうである。Aさんは海外に住んだ経験がない。国内で多忙な中をまじめに英語学習に取り組んだ結果、TOEICで高得点も取り、英会話レッスンにも積極的に取り組んだ様子であるが、まだ苦しみは続いている。



TOEIC700のBさんは、その「保有能力」(ボキャブラリー、文法力、リスニング力)をまだ60%程度しか発揮できないため、「Please tell me about yourself.」というような初歩的な質問にさえ相当苦労して答えている。しかしこの状態は、こつを覚えてTOEIC700という「保有能力」を「発揮能力化」することにより、それほど複雑ではないビジネスのシチュエーションであれば問題なくこなせることを説明するとかなり安心したようである。



このように、ビジネスの現場では、それぞれのレベルでそれなりに個人個人悩みがある



TOEIC高得点者の多くは、「正確さ重視」である。逆に言えば「正確さ重視」であるから高得点が取れるとも言える。イギリスのビジネスパーソン向けの語学学校でよく見られる光景だが、TOEIC500-600のイタリア人やスペイン人がどうどうと持論を流暢に展開するのに出くわす。英語テスターとして、注意深く聞けば、文法や語彙の使い方で間違いは多いが、言わんとすることや感情が十分に伝わってくる英語がそこにある。



仮定法や微妙なニュアンスを含んだ内容や、高い語彙力を必要とするプレゼンや交渉にはTOEIC900は必要である。しかし、通常のビジネスにおける会話や社交の場では、TOEIC600をフル活用すれば十分に活き活きと会話できるのである。



日本人も、「正確さ重視」から「流暢さ重視」へ方向転換すべしといつも提言している。30-40代になってから、ネイティブのような英語を目指すのではなく、パリやシンガポールあるいは米国でも人種の坩堝であるニューヨークでノン・ネイティブが堂々と使っているグローバル・イングリッシュが最も現実的且つ実用的な英語なのである。



「流暢さ重視」のGE(Global Education)流英語学習法を当社のサイトでも紹介しているので、ぜひ一度訪れていただきたい。

http://www.globaledu-j.com/k/index.html



「私の英語学習法」コーナーは当社の「右脳型英語学習法セミナー」参加者を中心に運営されている。まだ、開設したばかりだが、中高年の英語に苦しむ管理職や「コア人材・butノットグローバル」な人たちもお互い勇気付けあい、助け合いながら英語学習に励む様子がわかり、私も楽しく読んでいる。



このコーナーは、IDとパスワードが必要なので、ご興味のある人材育成ご担当者はお気軽にお問い合わせ下さい。



kazukon at 18:19

グローバル人材化への3ステップ

2007年10月03日
日本企業が取り組むグローバル人材育成の最前線はなんといっても、コア人材のグローバル化である。現在様々なプログラムで、コア人材グローバル化プロジェクトに取り組んでいるが、受講者の典型的なプロフィールは以下のようなイメージである。



* 国内ビジネスでの発揮能力を100とすると、グローバルビジネスではその保有能力の30-50%しか発揮できていない。

* 英語力はTOEIC400-600が中心で、英語でのビジネスは苦痛に近い。

* 40歳前後が年齢層の中心であるが、残り20年管理職やスペシャリストとして生き残るのに、自分をグローバル化することは必須と考え始めている(5年前に比べ危機感は強くなっており、グローバルビジネスで能力を発揮できないことに漠然とした不安感を抱いている)。



このようなコア人材へのアドバイスとして、グローバル人材化(特定の国・地域の専門家である、リージョナル人材ではなく)の3ステップを挙げたい。



1)欧米のグローバル企業のプロフェッショナルに対応できるスキルセットとマインドセットを身につけることを目標とする。なぜなら、グローバルトップ500企業の70%が北米とEUから輩出されているのであるから、その事実を踏まえその核となっているプロフェッショナル人材をベンチマークする。

http://www.globaledu-j.com/d/index.html (グローバルマインドセットとスキルセットについての概要)



2)1を基本に持ちながら、大枠ではあるが、BRICs (ブラジル、ロシア、インド、中国)人との対応力を高める。アジアにおいてはなんといっても華僑やインド人MBAなどのコミュニケーションスタイルをあえてベンチマークすることをお勧めする。理由は、英語を母国語としないという意味で日本人と共通項があるが、彼らはよりアサーティブ(ここでは特にダイレクトかつロジカルという側面)なコミュニケーション巧者だからである。そうした人材には、欧米の影響を受けつつ、アジアの価値観を持つプロフェッショナルが多くいる。彼らをアジアのグローバル人材像として自分を鍛える。



3)1+2を経て体得したグローバル人材としての自信(self-confidence)を余裕として持ち、グローバル人材化していないローカル人材への対応力を高める。自分たちのやり方を押し付ける一部の欧米人を反面教師として、ローカルと協働できる真のグローバル人材を目指す。



この3ステップは、1)をクリアするのが大変であるが、一旦1)をブレークスルーすれば、2)と3)は意外とあっさりパスできるのである。



kazukon at 16:13
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