布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2009年07月

ストーリーを語れますか?

2009年07月28日
6de15565.jpgストーリーを語れますか?」と問われたら、あなたは「Yes」と答えられるだろうか?



今、管理職、営業マン、コンサルタント、技術者など様々な職種の人々に、ストーリーを語ることがより求められている。







その理由は、トップのビジョン、企業の価値観、事業部長が打ち出す方針、営業課長の営業戦略、技術者の思いなどが部下や顧客に共感を呼ばない、記憶に残らないということが、経営の大きな課題になりつつあるからである。



ここで、自分の社内や外部、取引先や友人で印象的で記憶に残る人たちを思い浮かべていただきたい。

恐らく、そういった人たちには存在感やアイデンティティといったものがあったのではないか。私の場合、やはり自分の言葉で物事の本質をわからせてくれた人たちは記憶に残っている。そして、その人たちは様々な形で「物語」を語っていて、その人たちには存在感とアイデンティティがあった。



少し話はそれるが、私が尊敬する作詞家の阿久悠さんはこんなことを言っていた。



●「人力」 は一人で生きる力

●「人間力」 は人と一緒に生きる力




組織において「人と一緒に生きる力」の中に、ストーリーを語る力が、重要度を上げてきている、と私は感じている。



疲弊し、明るい未来や、ありたい姿が浮かんでこないときに、自分たちの活動の「意味」「貢献」「顧客からの賞賛」「感動」などが、組織内で語られるようにすることは重要である。



そんな流れの中、今週の火曜日には、G研プレミアム分科会リーダーのためのビジョンメイキング&ストーリーテリング)を開催した。b77cb052.jpg

このプレミアム分科会は最大6名までとした。理由はよりインタラクティブで、深い気づきが得られる機会を創りたいからである。



今回は3回目で、講師は菅原美千子氏にお願いした。



菅原さんは、トップのビジョンをただそのまま伝えるのではなく、それぞれの部署の幹部が、そのビジョンを組織に浸透させ、部下が共感し行動に移す仕組みの核として、ビジョンメイキング&ストーリーテリングを提唱している。



トップのビジョンや商品のコンセプトを自分なりに表現し、共感を得ることを自然にできてしまう人たちもいる。だが、残念ながらほとんどの人にはそのクリエイティビティや技術が欠けている。日本の学校教育や企業内教育では、それらをあまり重要視されてこなかったことにも、「出る杭は打たれる」「もの言えば唇寒し」的な文化も影響しているように思える



菅原さんのコースは、「ビジョンメイキング&ストーリーテリング」のマインドとスキルを自己訓練できるようになるように構造化したものである。



2日間と1日のコースがあるが、今回は4時間でご体験頂いた。



ご参加者の皆様からはとても満足頂いた模様である。



次回G研は、『勝てる人材のマインドセットとは?~欧州視点のグローバル人材育成』 である。講師はMarco Narducci氏(マルコ・ナルダッチ)氏である。イタリア人の彼から視た日本人ビジネスパーソンの「独特なマインドセット」は米国人や中国人の視点と異なり非常に興味深いので今回ご登壇いただくことになった。



私からは、『「攻めの組織」を大急ぎで実現するためのダイバーシティマネジメント対応可能な人材の育成』についてお話させていただく。



残席はわずか4である。まだ申しこんでいない方、ぜひご参加ください!



写真は当日の模様。

















kazukon at 20:14

「経営塾」はなぜグローバルリーダーを輩出できないのか?

2009年07月24日
bfdcdd0b.jpg呼称はさまざまであるが、コア人材を選抜し、経営塾を開催している企業が増えている。前回のG研では、私のパートで、この「経営塾のグローバル化」について取り上げさせていただいた。



なぜか?



それは、一般的に行われている経営塾が、意外にもグローバルリーダーを輩出出来ていないからである。

もちろんそれは、私の視点であり、異論があるのは承知で申し上げている。



昨今の経営塾の真の目的は、以下3点を少なくとも併せ持つ人材の輩出ではないだろうか?



1)グローバリゼーションに翻弄されない経営戦略を打ち出す。

2)自社特有のグローバル人材育成を構想し実行する。

3)自らもグローバルリーダーとしてのロールモデルとなる。






グローバルリーダーとはたとえばこんな表現がぴったりする。

これは「東大EMPが開発する「状況を変える人材」の要件」(Diamond Harvard Business Review March 2009)から抜粋した。



課題形成能力を持ち、英語はそれほどうまくなくとも、存在感があり、どこに出しても堂々としていて、話してみると基軸がしっかりとしており、公共の精神もあり、話題や内容が豊かで引き込まれてしまい、自然に場をリードしてしまう、ちょっと強引だがとても魅力的な人物



この中に、「英語はそれほどうまくなくとも、存在感があり、どこに出しても堂々としていて」という表現がある。

この文章を誤って読むと、なんだ英語はそれほどうまくなくてもいいんだとなるが、「どこに出しても堂々としていて」いるには、少なくともTOEIC800程度の語彙力や表現力を持ち、

それらの英語力が発揮能力化されている状態と読まなければならない。



業種にもよるが、業界大手の選抜人材(40代)の多くは、おおむね英語力が低い国内でバリバリ仕事してきて、45歳まで英語などほとんど使わなかった、という人物が主流である。TOEICでいえば、400-600が7、8割といったところだ。



こういう人材を、1年間の日本語による経営塾でグローバルリーダー化するには無理がある。中には、英語レッスンを加えるケースもあるが、1+1=2(講義を日本語で理解し、英語を別に学び、付け加えれば問題なし)というわけにはいかない。



確かに「日本語による講義+英語力」という考えは、論理的のように見えるが、実は抜けもれが多い。そこには、先に挙げた状況を変える人材にある「(話に)引き込まれててしまい、自然に場をリードしてしまう」ためのコミュニケーションスキルが見逃されていることはもちろん、何よりも、「基軸がしっかりしている」ためのビジョンや自己強化していく姿勢など、成長へのドライブとなるマインドセットが欠けているからだ



アジアでますます存在感を発揮し始めているのは、華僑のビジネスリーダー達だ。

彼らは、英語はネイティブか準ネイティブクラス、リーダーシップがあり、グローバルで通用するマインド・スキル・知識は全く問題がない

彼らにも「経営塾」的なコンセプトのプログラムが存在する。



例えば、弊社が提携しているINSEADのシンガポール校などで展開されている経営者教育プログラムやグローバル企業の社内ワークショップがそれだ。弊社の講師陣も、グローバル企業の社内ワークショップのファシリテーションのために年に何度もシンガポールや香港に出張する。もちろん言語は英語である。



そうしたビジネスリーダー達の前では、日本企業の幹部の多くが、会議などで彼らの存在感の大きさに圧倒されている。



グローバリゼーションが加速化する中で、グローバルビジネスを展開する企業の幹部が、英語を苦にするようであれば、それは真っ先に是正しなければならない。もう英語は出来て当然であって、英語さえできればグローバルで通用する、というほど甘くはない



まだ日本以外にも中国や韓国では現地言語でワークショップ行い、英語は別に学ぶというやり方は現存するが、徐々に減少しつつある。



日本においても、リーダーシップ、コミュニケーション、マインドセット、財務、マーケティングコースなどプログラムの8~9割は英語を通して行うことで、使える英語も身に付く



英語力がそれほど高くないコア人材が多い中、そのようなプログラムでは効果がないのではと思われるかもしれないが、元々は優秀な人材である。彼らのモチベーションに火をつけるような仕掛けを作ることで、初めのうちは苦労するが、皆、一年後には大きく変わる





写真はG研の模様

kazukon at 15:38

Logicの水をきれいにし、Emotionのパイプを拡げる

2009年07月21日
ca1a52b8.jpg7月15日のG研第36回にご登壇頂いた河原崎・ケニー・圭市氏は、弊社が起業後すぐにパートナー講師になって頂いた方である。

2002年のある日、当時裏原宿にあった小さなオフィスにやってきてくれて、弊社のミッションに共鳴頂き一緒にやりましょう!と言って頂いた。今思うと、あの頃はまだ、私の考えるグローバル人材の定義に共鳴してくれる人は少なかったので、とても心強かったのを覚えている。

弊社も提携しているコロンビア大学MBAの河原崎さんであるが、弊社のプログラムではコミュニケーションスキルをご担当いただいている。



グローバルビジネスで、プレゼンテーションを成功させる、相手を説得するには以下の2点がポイントである、というのが河原崎さんの持論である。





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1)Logicの水をきれいにする。




2)Emotionのパイプを拡げる。







ロジックだけ、エモーションだけでは「人は動かず」である。

言うのは簡単だが、さあ、どうすればいいのかに答えているのが、河原崎さんのワークショップだ。そして、すごいスピードで、ワーク・ワーク・ワークが河原崎流である。



レクチャーが少ないので、ご参加者はへとへとになるが、時間はあっという間に過ぎる。



だから記憶に残るし、体で覚える





某企業のご担当者いわく、数年前の参加者から、今でも「河原崎さんの研修はほんとに役に立ってます!」と連絡があるそうである。



今回のG研でも素晴らしいご参加者の積極的な参加があり盛り上がりました。



私のパートの「経営塾のグローバル化」に関しまして、次回のブログにて。。





写真は当日の様子。当日の詳細は近日中にレポートさせて頂く。

kazukon at 17:42

仕事の正体

2009年07月08日
プレミア堀田さん堀田孝治氏に始めてお会いしたのは2年ほど前のことである。クライアント企業の人材育成ご担当者のO氏から、当社と価値観のあいそうな方ということでご紹介いただいた。O氏はいつも私と感性のあう講師の方を紹介してくれるありがたい方である。





私は、いつもいい仕事をしたいと思っているが、その「いい仕事」は、当然であるが、人によって違う。O氏は私の「いい仕事」をわかってくれている。



昨日はその堀田さんと、G研(グローバル人材育成研究会)プレミアム分科会(参加者を6名までに限定した密な分科会)を開催した。



今回は新人社員から中堅社員のキャリア研修をテーマとした会である。堀田さんが開発したコースは主に若手を対象としているが、実はこの「仕事の正体」を分解したモデル(7つの行動原則)はマネージャークラスでも役に立つ優れものである。マネージャー自身にとっては、自分自身の仕事が行き詰まった際のセルフチェックを可能とし、またOJTにおける部下・後輩指導においては、彼ら、彼女らの自立を促す、本当に気づいてもらいたい点がより明確になるのだ。



2本のショートケースのワークも含めて4時間と短かかったのだが、皆さん(6社6名)の課題や思いが講師の堀田さんも含めよくお互いに伝わり刺激のある会であった。



残念ながら6名で締め切ってしまいご参加できない方も出てしまったが、ご興味のある方はぜひお問い合わせ頂きたい。



皆様お疲れ様でした。



写真は会の模様。

kazukon at 15:08

新里ワールド 『No fun No gain』 『思考の兵器庫』

2009年07月06日
新里さんプレミア金曜日は、新里聡さんとG研分科会(プレミアム)を開催した。このG研プレミアムは、新企画で、人数を最大6名にし、G研で講師に興味を持たれたご参加者がもっと身近に話を聞きたい、コースについて詳しく聞きたいというお声にお答えしたものである。







第一回目は、たまたま上京(新里さんは沖縄在住)されていたので、直前に開催を決定した。

今回は、直前のご案内で3社3名のご参加だったが、和気あいあいで楽しくかつ有意義な会だった。

やはり少人数だと突っ込んだ話もできるし、今回のご参加者からのインプットは、まさに現状を反映したものでオブザーバーの私も引き込まれてしまった。



新里さんのポリシーは、No Pain No Gainではなく、No Fun No Gainである。常に笑いが絶えないし、その中に鋭い角度で本質を突くポイントが出てくる。



以下、私が新里ワールドを満喫したポイントである。



「五者」:インストラクターの五つの役割



学者100を知って1を教える。分かりやすさの裏に膨大な知識。断言とは、大事でない部分を思い切って「断ち」、重要なところに絞って言うこと。知識が無い人には絞れない。



易者成功を信じる気持ちをサポート。不安をきっぱりと切り捨ててあげる。マインドの部分では成功に向かっているのだと思えるようにサポートし、アクションの部分では達成に向け具体的な行動に出来るようサポートする。



医者人の心理を理解する。知識やスキルのレベルを把握し、相手のニーズによって教え方を変える。タイプを見分ける。理屈を追求し考え抜く思考型か暗記・鵜呑み型か。



芸者エンターテイメント!笑いやワクワク感、そして明るさ。ちょっと笑わせ、一気に教え、そしてまた笑い、さらに教える。または、笑いをあちらこちらにちりばめる!



役者人を惹き付ける力。話し方(声のトーン、強弱のメリハリ、抑揚や間)、見せ方(動き方、アイコンタクト)、身だしなみ(服装)



そして、ジェームス・アレンのこの言葉も紹介された。



『人は、自分をつくりもし、壊しもする。思考の兵器庫の中で、人は自分を破壊する兵器をつくるし、また自分自身のために喜びと力と平和とからなる天国のような邸宅をつくる道具も設計する。』



『思考の兵器庫』か。。。

人材育成の現場にいると、ぐっとくる言葉である。



新里さんは、一見天然系天才(失礼!)であるが、まさに「100を知って1を教える!」を実践している深みのある学者であり、他の4者も具えているのはさすがである。



次回プレミア分科会は、堀田孝治氏をお迎えし、明日8日(水)に開催する。嬉しいことに、すでに6名ご参加で満席である。





次々回は7月28日(火)に、菅原美千子氏をお迎えし、「ビジョンメーキング&ストーリーテリング」を学ぶ予定であるので、ご興味のあるG研会員の方はぜひご一報頂きたい(こちらはまだWebG研未発表)。



写真は当日の模様。

kazukon at 17:47

Lyntonから聞いた『いい話』

2009年07月03日
Lynton@Imperial先日、ハーバードビジネススクールのDr. Lynton Hayes(Executive Director, Executive Education)が来日していたので、秋以降に予定しているG研(グローバル人材育成研究会)の講演に関するランチミーティングを行った。

そこで、Lyntonからとてもいい話を聞いた。



彼がボストンからニューヨークにタクシーで向かったときの話だ。ドライバーは、運転席から少ししか頭が見えないとても小柄な老婦人だった。彼女はアメリカに13年前にインドから移民し、ずっとタクシードライバーをしている。Lyntonが、『こちらの生活はどうですか?』と聞いたところ、彼女は息子の話を始めた。彼女がなぜがんばって仕事をしているのかは、すべて息子のためなのだ。

ハーバード大学は、お金がなくても優秀な学生を奨学金で入学させることに熱心である。実際、世帯年収6万ドル(約600万円まで)だと授業料は無料である。

その資金は、ハーバード大学卒で成功した人々から基金として寄付されているものを使っている(350億ドル、3兆5000億円近くあるらしい)。

そのインド系の老婦人は『息子がハーバード大学に合格したの!』と本当に嬉しそうに語ったそうだ。彼はその奨学金制度で合格した学生の一人だったのだ。



Lyntonは奨学金制度が、世界中の優秀な人々の役に立っていることを実感し感動し、敢えて自分がハーバード大学の人間であることを告げずにタクシーをおりた。



前回のG研(Lyntonの講演)はこちら

http://blog.m-furukawa.jp/archives/2008-06.html



写真は、帝国ホテルのカフェにて弊社福田聡子と

kazukon at 14:59
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