布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2010年08月

渡辺パコさんは自由な人であった

2010年08月30日
fec7c25e.jpg先週G研第55回(第1部 Visionary人材になる方法 第2部 論理思考で扱うHow?と人生のWhat?を見つける)を開催し、渡辺パコさんを第2部の講師としてお招きした。以前からパコさんのロジカルシンキングの著書を読んで面白い人だな、と思っていた。実際お会いして、講演を聞いてみると、言葉にまったく無駄がない。さすがに、ロジカルシンキングのベストセラー作家である。私のパートのワークでは、はっと気がつくと、ご参加者に混ざって一緒にワークされている。自由な人なのである。



最近では「おとなの社会科」という講座を展開されている。いわゆる教養講座なのだが、パコさんは非常に面白い視点で難易度の高いテーマを扱うようだ。弊社とは今後法人向け「おとなの社会科」を一緒に展開しましょうとという話になっている。



6a8551fd.jpg「布留川さん、なんかいい教養講座ないかな?社長がグローバル人材は、まず教養だ、って言うんだよ。」とおっしゃるご担当者が最近増えた。なぜかな、と思っていたが、考えてみたら当たり前で、英語力もコミュニケーション力も高くても教養がなければ言葉も軽すぎて存在感はない。ただ、教養は人材育成プログラムとして体系的に組み込むのは大変である。第一予算がつきにくい。交渉力やプレゼンは、売上利益に近いので予算もつくが、教養はどうしても優先順位が下がる。



d71c6822.jpg今回は、私がパート1で、「ビジョナリー人材になる方法」を担当し、次の3つのポイントを挙げた。1)仕事は面白いからやる、誰もやってないことをやる。2)「ビジョニング・ライフ(先を読み、そこで自分はこうありたいと思うイメージを描く)」を1年続ける。3)ビジョナリーな友人を3人作って、ビジョンを語りあう。



そうするとこんな意見が聞こえてきた。「3のビジョナリーな友人、というのが難しいです。私の周りにはいませんよ、そんな人。」私が、ビジョナリーな友人のイメージとしてアンディ・グローブの言葉「サンフランシスコの北のトンネルを抜けて、陽光にきらめく都市を見た瞬間に、僕はベイエリアに恋に落ちた。(中略)美しかった。 人々はフレンドリーだった。そしてこの街は僕の故郷になった。」を引用したせいかもしれない。

確かに、こんな人、なかなかいない。ん、パコさんは、こんな感じかも。



写真は当日の様子。

kazukon at 21:36

「低価格低品質VS高価格高品質」とその裏側の大問題

2010年08月18日
75f41c72.jpg前回に引き続き、G研第54回のAndrew Isaacs氏(カリフォルニア大学バークレー校Haas School of Business, MOTプログラムディレクター)のパートについて書かせていただく。



私にとって特に印象に残ったのは、『Disruptive Business Model(破壊的なビジネスモデル)』である。これは、一言でいえば、これまでマーケットにはなかったほどの非常に低価格だが低品質の商品が従来のマーケットを占めていた高価格高品質の商品・サービスを駆逐するというビジネスモデルのことであり、言葉通り非常に破壊的なのである。



上のスライドは、米国、日本、中国、韓国の輸出総額とGDPの比較表である。意外にも輸出大国日本の輸出額はGDPと比較すると15%でしかない。韓国の42%、中国の39%と比較し非常に低い。中国と韓国はなぜこのように輸出を伸ばすことが出来たのか?新興国向けには『Disruptive Business Model』戦略を取ったことにあると言われている。

日本と異なり、低価格低品質でシェアを独占するというやり方だ。

もし、日本が中国や韓国並みに輸出を伸ばすことができたら、税収も大幅に伸び財政的にも大きく寄与する。



しかし、日本では、低価格・中/高品質であれば容認されるが、低価格低品質の商品やサービスはほとんど受け入れられない。したがって、そのカテゴリーに入る商品はなかなか開発もされないし、市場でも見つけにくい。一方、最近新興国市場ででは(それだけでなく米国でも)、日本企業がこの低価格低品質にシェアを奪われている。理由は単純である。購買力の低い新興国の企業も人は、その購買力の範囲内でモノやサービス探すからである。より長期間に渡って使える機械や、よりクリアな映像の見えるTVは購入したいが予算がない。3年しか使えなくても、映像の質が低くても価格が半分以下であれば今はそれでいいのだ。一家で始めて買うPCは、ハイエンド機種である必要はなく、インターネットにつながり、ワープロと表計算ができれば十分なのである。これはごく当たり前の理屈であり、日本企業も技術的には低価格低品質市場への参入は可能であるが、日本企業/人は「安かろう悪かろう」は作りたがらない。言い換えれば、低品質の製品やサービスを製造・提供することの社内コンセンサスをとることには何層もの厚くて高いハードルがある。最近ではユニクロが低価格高品質というある意味破壊的といえる動きも見られるが、あくまで主流は高価格高品質か中価格高品質である。問題は、その低価格低品質の企業が高収益を上げ、高価格高品質に固執する企業の収益を多く上回っている事実である。もし今後この状態が長期にわたって持続すれば、中国や韓国などの高収益企業は財務体質も強固になり、ノウハウも蓄積され、それほど遠くない将来には高価格高品質領域にも侵食し始めるだろう。



そして、もうひとつの大問題がある。新興国の人材と先進国の人材の競合である。

これはDisruptive Business Modelとは異なり、先進国の高賃金だがグローバルビジネスでの生産性は低い低生産性人材と、新興国の低賃金だが、高生産性人材が同じ労働市場に混在するグローバル化した社会である。この平準化が今急速に進み始めている。



弊社に舞い込む案件の多くはグローバルという枠組みで見た高賃金低生産性人材(国内では高生産性をもつが、グローバルでの生産性は極端に落ちる人材のこと)、を高賃金高生産性人材に変える仕組み作りである。



先進国企業はどのようにしてこの状況に立ち向かうべきなのか?

Isaacs氏は、とにもかくにも、まずは市場を破壊している低価格低品質の商品を購入してみることで、この世の中で一体何が起きているのかを体感することを勧めている。

グローバル人材育成においても同感である。

自分たちが戦い・協働する相手はどのようなマインド&スキルを持っているのか?パッションと好奇心を持って知ることが第一歩だと考えている。

kazukon at 10:11

オフィス移転しました(青山→神谷町)

2010年08月17日
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まったく引っ越す予定はなかったのですが、たまたま感じのよい営業の方からの電話がきっかけで10年間慣れ親しんだ青山から先週金曜日に神谷町に引っ越しました。

やはり営業は大事だな、と実感しました。



まだ段ボールがあちこちに散らかっていますが、今日はようやく落ち着いてきました。引っ越し翌日は、東京湾の花火大会が屋上のルーフガーデンから見えるということでみんなで見ました。200人くらい来てました。オーナーの森ビルさんがただでビールや飲み物を準備してくれてました。さすがです。



東京タワーが真横にあるので、その向こうに打ち上がる花火は最高でした。



新オフィスは、オランダヒルズという神谷町の駅からあがってすぐのビルで、オフィスの7Fの窓からはサッカーグラウンドが目の前で、少年たちが毎日練習しています。これが結構癒されるのです。



お近くにいらした際はぜひお寄りください。



写真は花火大会と引っ越し後のお疲れ様会



オフィス

kazukon at 16:49

グラスシーリングサイクル

2010年08月05日
4c1c284e.jpgグラスシーリングという言葉は、15年ほど前にリサーチで渡米した時に、米国のMBAのクラス(学校名が思い出せない!)を聴講していた時にに始めて聞いた。アメリカでは管理職の4割を女性が占めているが、「ガラスの天井(Glass Ceiling)」に阻まれて、下からはトップの座は見えるのに、女性にはそのポジションがなかなか手に入らない状況のことを指している。



2010年現在、実は違う種類のグラスシーリングが日本で出現しているので、私はその構造をグラスシーリングサイクル(左の図クリックで見れます)と名づけた。そして、今週の月曜日にUCバークレーHaas School of BusinessのMOTプログラムエグゼクティブディレクターAndrew Isaacs氏をお招きして開催したG研第54回の私のパートでご参加者にディスカッションしていただいた。



違う種類の例をグラスシーリングをあげると、外資系日本法人の日本人管理職層が、上級管理職を目指すのだが、そのプロセスで何か見えない壁にこつんと当たってしまいそれ以上進めなくなってしまうことである。海外本社での熾烈な役員ポジション競争では、日本人はほとんど勝てない状況があり改善される兆候はない、というのが、私が外資系の人事マネージャーから昨今頻繁に聞く話である。最近の若者は草食系が多いと嘆く経営陣が多いが、日本人の30-40代管理職もさらに上のポジションを狙う肉食系マインドが薄れてきたのだろうか?



この現代のグラスシーリングは、別に日本人が不当に差別されているわけではなく、そのリーダーシップ、コミュニケーション力、スキルやマインドと語学力などの総合力で欧米人や華僑(シンガポール人や香港系中国人)やインド人などのエグゼクティブと比較して見劣りしてしまうのが原因なのだ。まさに、それらの統合スキルとマインドセットこそがグラスシーリングなのである。例外的な日本人も散見されるが、ヘッドハンターいわく「市場ではほとんど見つからない」のが現状である。



Andrew Isaacs氏には、日本企業を取り巻く「ビジネスを永遠に変える8つのグローバルトレンド」について講演頂いた。そのグローバルな視点は新鮮であった。

次回ブログでそのポイントについて書きたい。



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写真は当日の様子

kazukon at 10:26
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