布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2013年06月

企業内英語研修 <ハピネスorフラストレーション>

2013年06月25日
unougata 私が企業のグローバル人材育成における英語研修に関わり始めてから既に25年以上が経過している。
そして、最近各企業のご担当者から、英語研修について再考したいというご相談が多くなってきている。


それはなぜかを公式化するとこんな感じである。

<やる気のない人> X <中途半端な質の研修> = フラストレーション

やる気のない人達に、中途半端な質の研修をいくら提供しても結果が出ないのは当然である。
これは主観であるが、25年前に来日していた英語の先生の質は今より高かった。やはり当時の日本のパワーとエネルギーが魅力的な英語講師を日本へと向かわせていた。
日本の大手企業で教えることはステータスであり、レジメに必要なアイテムだった。

英語の先生というのは、スキルだけではなく、人間的魅力が大事である。この2つの要素の掛け算が先生の質である。
不景気が価格を下げ、それが先生の質を下げ、本来あるべき先生へのトレーニングをカットした。
結果として受講者への不利益につながるという負のスパイラルに繋がったのだ。

ではあるべき姿はどうか?一応こんな公式ではないだろうか。

<危機感のある人> X <自責マインド> X <妥当な研修/教材> X <妥当な評価システム>=ハピネス

本人に危機感もあり、会社側の評価基準にもきちっと組み込まれ、そして本人は自責で学ぶという姿勢の場合は会社からの研修や教材支援は大きな効果を発揮する。

どの企業も無駄な経費は使いたくないし、現場のご担当者にしても無駄使いをしようとするような人は見当たらない。
それなのに、日本企業はなぜこの原則を無視し、投資効果の低い英語研修を継続してきたのであろうか?
こんなことを感じているのは私だけなのか?

次回のG研第89回では、ではこのテーマを取り上げ、皆様との意見交換の場にしたいと考えている。ぜひ気軽にご参加いただきたい。

『組み合わせが鍵!英語教育体系を見直そう!』
〜フィリピンの英語教育リソース活用と組織全体の英語力を
底上げする今話題の自立型英語学習サービスのご紹介〜

詳細はこちら
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_89.html

(上の写真は弊社福田聡子による某社での新人向け右脳型英語学習法の様子。英語を学ぶのではなく、英語の学び方を学ぶ)


kazukon at 15:03

自分はどんな印象を与えているか?

2013年06月22日
先週の水曜日に、『グローバルビジネスで成功するための「好印象の与え方」と
心理学を応用したエンパワーメント型組織での強いチーム作り』
と題し、
第88回グローバル人材育成研究会を行った。

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私のパートでは、好印象を与える要素とグローバル人材要素の関連と、
インプレッション・マネジメントの重要性についてお話した。
好印象を与える要素は様々だが、弊社が提言しているグローバル人材の要素
からも説明できる。
すなわち、アプリケーションである下記の3つのスキルを伸ばせば、
その人の好印象度が上がる。
・コミュニケーション力
・ダイバーシティ力
・グローバルイングリッシュ

ただし、リーダーとしての好印象を高めるためには、やはりスキルだけでは不足で、
OSである、ビジョナリーシンキングやセルフエンパワーメントを日々鍛えているかどうか
が問われる。
リーダーには内面から滲み出る深みと人としての幅の広さが求められるからだ。

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第二部では、メディアでも活躍中の心理学者であり、
80冊以上の著書を持つ、伊東明講師
に登壇いただいた。

伊東講師の魅力は、なんといっても、心理学に根差した深い知見と、
人を惹きつけてやまない魅力的な語り口ではないかと思っている。
心理学を極めた高い専門性に裏打ちされた研修で、
日本には数少ない、アカデミックとビジネスの現場の両方を
深く理解
されていることを、随所に感じる。

また、伊東講師は5秒程度のちょっとしたやりとりの中で、
その人の話し方や声の出し方の癖を見抜き、
研究会当日は、参加者の特徴を的確に捉え、
その人の魅力をより引きだすためのアドバイス
を行っていただいた。
声の出し方や立ち方など、ちょっとしたコツでかなり印象が変わってしまう。
まさに、それを実感した一日であった。

インプレッションマネジメントに対して、多くの日本人はまだ鈍感であるように思う。
日本では、スキルではなく個性や人柄として捉えていることが多く、それをスキルをして
捉える欧米発のグローバル企業で働いている人材との差は開くばかりだ。

今こそ、日本企業もインプレッションマネジメントの重要性を認識し、
ビジネスに活かしていくべきではないだろうか。

<研究会終了後に、伊東講師と当社ディレクター福田と3人で>
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kazukon at 21:04

G研報告:試練に立ち向かう韓国企業のカーネギーメロン大学での取り組み

2013年06月13日
報告が遅れてしまったが、5月16日に第87回グローバル人材育成研究会を開催した。
今回は私が日本でのプログラムディレクターを務めるカーネギーメロン大学より、
コンピューターサイエンス学部で、アジア・コラボレーションのディレクターを務める
ジョン・カン氏をお迎えした。

第一部では、私からグローバル企業と日本企業との人材育成にかける研修費用を比較し
グローバル人材の定義や、今後グローバルビジネスで生き残るために、
どのような戦略的人材育成が必要かについて提案させていただいた。

1社長

「グローバルリーダーは育成できるのか?」というディスカッションでは、
ご参加者から下記のような課題が挙げられた。

2ディスカッション

・初めから誰でもグローバルリーダーになれるわけではないが、選抜人材を
リーダーにすることは可能である。しかし、実際に自分でも成長したいと強い意思がある人材に投資しなければ、研修費は無駄であり、本当のリーダーは育たない。

社内でのグローバルリーダーとしての定義がはっきりしておらず
結局、グローバル=英語という考え方になりがちで、英語研修ばかり行っているのが現状である。実際にグローバルビジネスで必要とされるスキルがついておらず、真のグローバル人材が育っていない。

3ディスカッション

ディスカッション

グローバルリーダーを育成するためには、まずグローバル人材の定義をはっきりさせ、
具体的にいつまでに何名育成するか、またその目的は一体何なのかを明確にし、
人材育成=コストと考えるのではなく、戦略的に投資していくことが求められる。

社長2

第二部では、ジョン・カン氏から、最先端のIT技術が学べるプログラム内容
また、サムスンやLGなどに代表される韓国企業が、
業界を代表するようなポジションまで上りつめた経緯
についてお話し頂いた。

カン氏は、米国を拠点に、韓国、中国、ベトナム、シンガポール、オーストラリアと
アジアパシフィック各国の企業や政府、教育機関と一体となり、研究開発や企業研修、
また人材開発に取り組んでいる。
そして、韓国企業のみならず世界各国のトップエリートが毎年、このコンピューターサイエンス学部に派遣している。

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今回カン氏の話を聞いて、韓国企業がグローバルマーケットで成功した裏には、単に日本企業の社員より英語力が高いことや、スキルがあるということではなく、何度試練が起きてもその逆行に立ち向かう強さがあったように思えた。

1997年のアジア通貨危機時に大打撃を受け、IMF管理下に入った韓国。
そこから立ち直るべく、産官学協同で強力に力を入れた分野の一つに、「eビジネス」があった。カーネギーメロン大学と共に、企業、大学でのエンジニア養成のプログラムや、IT政策の立案など推進していったそうだ。

しかし、ITバブル(英語では”.com bubble”(ドットコムバブル))が弾け、再び危機が訪れた。
この状況で、単にeビジネス分野から引き下がるのではなく、IT技術の重要性を認識し、そこで育成した人材・技術を、新たな成長分野(携帯などの通信と関連ソフトウェア開発分野)に積極投資することで、次の成長を迎えた。

その後、リーマンショックやiPhone登場による携帯からスマートフォンへの切り替えによる競争の変化などが訪れるも、同様にすぐに軌道修正し、立ち向かったという。この連続の結果が、現在のポジションとして表れているのではないかとカン氏は考えている。

今回ご参加いただいたご担当者様からも、日本企業と韓国企業の人材育成に対する考え方について質問が挙げられた。

カン氏は、韓国企業の人材育成について、サムスンやLGなどが実践してきたように、常にビジネス環境の変化に迅速に適応し、危機感を持って未来のリーダーを育てるために人材育成に投資してきたことが強みだと考えている。それに比べ日本企業は、今だグローバル人材育成に対する危機感が気薄なのではないだろうか。

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今回カン氏の話を聞き、韓国企業の成功の裏には、何度試練が起きてもその逆行に立ち向かう強さと、常にビジネス変化に順応できる適応能力があったことを再認識した。
この二点こそが日本企業がグローバルで生き残るために参考にすべきことなのではないだろうか。
kazukon at 00:24
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