布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2013年08月

ハーバードビジネススクール最前線

2013年08月30日
一昨日、ハーバードビジネススクール(HBS)の日本リサーチセンター長である佐藤信雄氏の講演に行ってきた。

「ケースメソッドでリーダーシップを養う 〜ハーバード・ビジネス・スクール最前線〜」というタイトルである。

個人的にも佐藤氏と日本企業における幹部育成に関しては意見交換をさせて頂いている。
HBSにはLynton Hayes氏に何度も弊社のグローバル人材育成研究会で講演頂いているが、次回はぜひお二人にG研メンバーと直接意見交換をできる場にしたいと思っている。


今回の講演を聞いて改めて印象的だった点が2つある。

第一にHBSのMBA課程では、ケースを2年間で500回行うということである。

ご存じの通り、ビジネススクールで使われるケースには「正解」がない
そして、現実世界と同じく「不完全な情報」しかない。
その中で、90人の同期と共に、自分ならその立場においてどうすべきかを考え、実行プランを考える。これを何度も繰り返す訳だ。
「答え」を提示するのではなく、なぜその考えに至ったか、思考プロセスを出すことが重要である。
そのプロセスを500回と繰り返すことで、様々なジレンマの中で、決断を下す力を持ったリーダーとしての基礎体力をつける。受け身で学んだ知識はすぐに陳腐化するが、この反復練習により得た決断力と行動力は、10年後、20年後にも生きる

第二にHBSのMBA課程では、リーダーとしてのKnowing(知識), Doing(行動), Being(あり方)のバランスを見直しているという事実である。

金融危機における反省から、よりリーダーとしてのモラル、謙虚さ、価値観を重視した教育にすると同時に、教室を出て、新興国でのフィールドワークなどを組み込むなどの改革を行っている。
ケースメソッドでは、知識を教えている訳ではないが、やはりクラス内のことであり、現実に行動することでの気づきは大きい。
リーダー育成も変わりつつある。

しかし、一点気になったのは、日本企業の経営陣についてである。

HBSのリサーチセンターでは、HBSのMBA課程やエグゼクティブエデュケーションはもちろん、世界各国のビジネススクールで活用されているケースを作るためのフィールドリサーチを担っている。例えば、企業の経営者や幹部にインタビューをすることで、ケースの材料となる彼ら、彼女らの決断が求められるある状況下での「ジレンマ」を引き出す訳だが、佐藤氏曰く日本企業の経営陣や幹部はこの「ジレンマ」を感じている人が少なく、引き出すのが難しいことが多いそうだ。
この意味するところは、サラリーマン経営者として決断をしているため、それほど苦しみながらの決断、主体性を持っての決断を下していないリーダーが多いということだろうか?

決してそうは思いたくはないが、現状を見ているとそう思わざるを得ない事例も多々ある。グローバルで戦うことが増々求められる中、不安である。

今後のグローバル人材育成研究会(G研)においてもリーダー育成、そしてビジネススクールのエグゼクティブエデュケーションの活用について、より積極的に考えていきたい。

次回9月19日(木)はカーネギーメロン大学のビジネススクール、Tepper School of BusinessのCarnegie Bosch Instituteの代表, Ms. Sylvia Vogtをお招きし、「Leadership Beyond Border」というテーマでお話し頂く予定だ。ボッシュ社がスポンサーとなっていることもあり、技術系企業のリーダー育成に強いのが特徴だ。

詳細はこちらから
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_91.html

また、11月14日(木)はロンドンビジネススクールよりエグゼクティブエデュケーションのディレクターであるAdam Kingl氏が登壇予定だ。

ぜひお気軽にご参加頂きたい。

kazukon at 16:28

グローバルリーダーだからこそ必要な「禅」

2013年08月27日
先週、第90回『日本とグローバル企業のリーダーシップにおける違いとは?』
〜組織のリーダーとして覚悟を固めるための、「禅」の精神アプローチ〜 
を開催した。
今回は仲本講師をお呼びして、お寺「で」リーダーシップを考えるという研修のご紹介だ。

私のパートでは、
『「ついていきたい」と思われるグローバルリーダーに必要な要素とは』
というトピックをご来場いただいた皆さんと一緒に考えた。

社長2

日米のリーダー像比較やサッカーの本田選手のコメントを紹介した後、
「グローバルな環境で揉まれ叩かれ、リーダーやトップアスリートは育成されるのか、
それとも国内にとどまり日本人や日本社会においても
グローバル人材は育成できるのか?」
というディスカッションでは
参加いただいた皆様からも多くの意見をいただいた。

社長3

例えば、以下のようのコメントがあげられた。

・国内・海外という場所の違いではなく、その仕事を通じてどんな経験値が上がるのか、
であるので、必ずしも海外に行けばグローバルリーダーを育成できるわけではない
・育成のスピードを考えると、国内よりも海外に「放り込む」方が
早くグローバルリーダーを育成できる
のではないか、というものだ。

私は「海外経験がないとグローバルリーダーになれない」という考え方には立っていない。
実際、私は日本国内でしかビジネス経験のない人たちの中に、グローバルで通用する人たちを多く知っている。
ただ、同時にこのようにも考える。
もしこの同じ人物が、 20代から30代の時に、欧米やアジア、中東、アフリカなどで経験を積む機会があったとしたら、昨今の日本企業がグローバル展開の中で苦しむ中、まさに切望される人材になっていた可能性があるのではないかと。

もちろん、答えは一つではなく、いろいろな考えがあるだろうし、
これを行えば、「グローバル人材が出来上がる!」という類のものでもない。
この研究会ではこのようなことをご担当者様同士が
真剣に議論できる場にしていきたいと思っている。

次回G研(9月19日)は、この課題を取り上げる。
『徹底解説!投資効果を最大化するための海外ビジネススクール活用法
〜Tepper School of Business, Carnegie Bosch Instituteから学ぶビジネススクール最先端の動向〜』
と題して、Carnegie Bosch InstituteのPresidentであるMs. Sylvia B. Vogtが来日して、世界のグローバルリーダーが学ぶビジネススクールの動向をお話する。

<次回研究会の詳細>
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_91.html

大変貴重な機会なので、是非、ご興味のある方は、お越しいただきたい。

社長1

第二部の仲本講師のパートでは、鎌倉のお寺で行っているZEN研修をご紹介いただいた。
お寺という非日常の環境で五感を研ぎ澄まし、リーダーとしての覚悟を持ち始めるための、
研修の仕組み
についてお話いただいた。

仲本さん3

Steve Jobsの有名なスタンフォード大学の卒業式スピーチでも、禅の精神が表れているとのことで、
その解説や、禅がビジネスにもたらす効用についても語っていただいた。

お寺では、座禅を組んだり、掃除をしたり、写経をしたり、
墨絵で表現したり、という、より深く自分と向き合う時間もある。
仲本講師からのより深く内省を促すような質問によって、
組織が抱える問題の解決の糸口となる
ような時間になるのだ。

仲本さん1

潔く捨てる、一つに集中する、
つまらない対立を忘れる、自然のままを受け入れる、
そしてその場・瞬間を心から楽しむ。

ものごとがめまぐるしく絶えず変化し続ける現在にあって、
グローバルで活躍していくためには、きれいな心、しっかりした心を持つことが大切だ。

そんなグローバルリーダーに必要とされる心のありよう、体のありようを考える時、
禅がもたらす効用は計り知れない。
そんなことを心から思った一日だった。

<仲本講師と一緒に>
仲本さんと社長

kazukon at 11:52

なぜ急増? 管理職向けグローバルマインドセミナー

2013年08月23日
管理職向けグローバルマインドセミナー」の依頼が増えている。
今回はその背景とセミナーの目的について述べたい。

今週も東京と大阪のIT企業で「パーソナル・グローバリゼーション(自分をグローバル化する方法)」の講師を担当させていただいた。
今年は毎週どこかの企業でこのセミナーを開催している。

昨日は大阪で講演させていただいたが、社長と副社長が私の目の前に着席され、200名の管理職と当日参加できない場所にいる100名の方々にはリアルタイムでTV会議システムを使って配信された。

私の講演の前には、副社長による英語のスピーチと外国籍の社員2名と日本人1名が英語でプレゼンテーションをされていた。この企業のグローバル化対応に対する真剣度は高い。
会社が今後国内で日本人だけで日本語だけでビジネスを行っていくのではないこと、世の中が変化し始めていることを感じ取った人も多かったはずだ。

グローバル化はIT化に伴い2000年以降にものすごい勢いで他人事ではなくなりつつある。
企業においては、「グローバル案件は、国際部に任せるよ」というのは過去のものになりつつある。また、そういう感覚の社員の感度の低さは目立つようになった。

これからもグローバル案件に携わる社員の割合は増え続けるだろう。クライアントもグローバル展開し、ベンダーは海外からも探し、社員の外国人比率も高まってきているのだ。
数年以内に定年を迎えるというのであれば話は別であるが、上司や部下がこれからも永遠に日本人であるという保証はどこにもない。
自分だけは一切関係ないというのは現実的ではないし、管理職であればそういう姿勢は周囲にネガティブな影響を与えていることを知るべきである。

≪芽生え始めた不安≫

自分がグローバル化に適応できていないことが小さな不安として芽生え、次第に無視できないレベルになっていく社員が増えている気がする。私のセミナー受講者の反応からそう感じる。
私は正常な危機感を持つことは必要だと思う。
この時代に自分の苦手なことから逃げようとする姿勢は課題を先送りしているに過ぎない。

ただ、自分をどうグローバリゼーションに適応させたらいいのかがわからない。
英語を学べばいいのか?でも、英語は何回も挑戦したが身につかなかった。
また、どうも英語だけの問題ではないようだ。
ではいったいグローバル人材というのはどういう人材のことなのか?

そういう疑問に答え、個人個人が

Why (なぜ自分をグローバル化すべきか?)
What (グローバル人材の要素は?)
How (どうすればいいのか?)


を腹落ちするようになるのが「パーソナル・グローバリゼーションセミナーの目的」である。

戦後の世界経済の中で日本はまだ強烈なグローバリゼーションの洗礼をうけていない。むしろ恩恵を受けてきた。韓国は97年に財政破たんに直面し、国として辛酸をなめ、財閥企業は解体された。

2013年、1000兆円の借金を抱える日本。しかも借金は増え続けていく。
一方日本の大手企業の管理職の多くは日々の生活と仕事をこなすことで精いっぱいだ。
自らが先陣を切ってグローバル市場を開拓しようという勢いは感じられない。

グローバルは他人事という管理職との接触を通して自分に課したことは、もっと本音で企業の中核の管理職と対話したいという思いである。

kazukon at 22:33

お寺で「リーダーシップを学ぶ」という試み

2013年08月07日
早めのお盆休みに入った方も多いのではないだろうか?
お盆と掛けたわけではないのだが、
次回の8月23日(金)のG研では、「お寺でリーダーシップ研修」を紹介する。

真のグローバルリーダーに最も必要なものは何か?
それは、私は「覚悟」だと思っている。

リーダーたる覚悟、引き受ける覚悟、踏み出す覚悟、捨てる覚悟…。
リーダーには様々な「覚悟」が必要だ。
では、その覚悟はどこにあり、どうやって養われるのか?というと、
やはり、覚悟は自分自身の中にしかないのだ。

自分自身の経験、そして内省の中からしか「覚悟」は生まれない。
ただ、経験をそのままにしておくと、そこから蓄積はされないので、
「質の高い内省」を適宜行うことで、より「覚悟」を決めやすい状況になるだろう。
そこが「リーダーシップ研修」の役目だと私は思っている。

今回G研でご紹介するのは、リーダーシップ研修をお寺で行う、という新しい取り組みだ。
お寺という、非日常的な空間で、
自分を見つめ、立ち止まり、振り返り、俯瞰することで、
より深い内省が出来るようになる。


お寺では、座禅を組んだり、掃除をしたり、写経をしたり、
という、一人で自分と向き合う時間もある。
もちろん、ファシリテーターをつとめるのは、プロの講師であるから、
より深く内省を促すような質問
をどんどんしていく。

ファシリテーターを務める仲本氏は、
AI(Appreciative Inquiry)やU理論を取り入れた研修
積極的に取り入れ、様々な問いを通して、
個人・組織の真価を認め、さらに変革を促すことを行っている。
今回ご紹介する研修でもお寺という非日常の環境で五感を研ぎ澄まし、
終了時にはリーダーとしての覚悟を持つことに導けるのではないかと語っている。

普段せわしない毎日を送っている現代人が
建立されてから何百年という、悠久の歴史の中で自分の存在を相対化する。
その中から、自分自身のリーダーシップや覚悟を決める。
そうすることで、軸のぶれない、自分軸がはっきりしたリーダーへの道
踏み出すことが出来るだろう。

この新しい取り組みのご紹介、ぜひ、ご参加いただきたい。

お申込みはこちらから。↓
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_90.html
kazukon at 11:38
ページの先頭へ


このWebサイトに掲載されている文章・写真・イラスト等の無断転載等を禁じます。(C)Copyright 2006 GLOBAL EDUCATION AND TRAINING CONSULTANTS. All Rights
      Reserved.
布留川 勝の「人材育成の現場!」日記 グローバルエデュケーションのサイトへ 詳しくはこちら