布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2013年10月

1年ぶりのG研@大阪 『グローバル人材育成プラン成功の秘訣』

2013年10月23日
先週、大阪では一年ぶりのグローバル人材育成研究会を開催したので、
その様子をお知らせしたい。

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大阪での第93回G研は、
「『グローバル人材育成プラン成功の秘訣』
〜組織のグローバル力を底上げするためにまずは考えるべき2つの事〜」
と題し、
3部構成で行った。
私からは、グローバル人材育成に成功する企業の特徴、失敗する企業の特徴

第2部では、ディレクターの福田から、右脳型英語学習法の研修体験、

第3部では、数多くのエグゼクティブコーチングも行っている、
ジェームス・ドハティ講師のプレゼンテーション研修の一部を紹介した。
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当日は、お越しいただいた皆様にグローバル人材育成上の課題
議論いただいたのだが、課題と言っても、
各社の規模・業態、グローバル度の進み具合によっても大きく異なってくる。
会社自体でグローバルに向かっていく機運を高めるための底上げが必要な企業もあれば、
部署ごとに必要なグローバルコンピテンシーモデルのようなものを作って、
誰が次のグローバルリーダーになるか、という選抜を行っている企業もある。
だからこそ、各社とも、自らに合ったグローバル人材育成が必要だ。
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グローバル人材育成に失敗する企業の特徴の一つに、
「本質ではなく、他社事例などの影響を受けやすい」というものがある。
業界、業種、会社によって違うニーズであるのに、他社動向を過度に気にして、
何年も情報収集のみにとどまり、方向性が出せない。

そうではなく、自らに必要なものを徹底的に議論し、
決めたらやってみる、という覚悟が必要なのではないか。
そこから見えてくるものもあるし、そこからどんどん改善してゆけば良いと思っている。

第2部でご紹介した右脳型英語学習法は、組織の英語力底上げにぴったりのセミナーである。
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社内の英語コースに相当の投資をしたが、数年後には受講者が継続的に学習していない、すなわち元のレベルに戻っているという不満足な結果が多く報告されている。
従って、社員の英語学習を支援する方法としては、必ずしも社内英会話コースを充実させるという方向では無いと言うのが私の結論である。
英語をモノにしている人たちの共通点は、継続学習をしていることである。
継続学習をしている人の特徴は、次の2点である。
1) 英語を学ぶモチベーションが高い(なぜ英語を学ぶのかがある)
2) 隙間時間を使った現実的な学習方法を身に付けている。


右脳型英語学習法は、独学で英語を学ぶ英語マニアのノウハウを研究しつくして
出来上がった研修
である。
英語学習は会社負担ではなく、自ら学んでいく、という学習に対する
自立的な姿勢を育むという意味でも使っていただけるのではないかと思っている。

第3部のドハティ講師とは、もう20年来の友人かつビジネスパートナーなのだが、
毎回、彼のワークショップには、毎回楽しい驚きがある。
彼はマネジメント研修や、企業理念浸透、海外マネージャ向けの研修など、
非常に幅広いことが出来る人なのだが、今回は、プレゼンテーションに焦点を当てた。
当日いらしたお客様の中から5名にご協力いただき、
プレゼンテーションのコーチングを行った。

パワースタンドという、プレゼンテーションの時に効果的な立ち方や発声、
どの言葉を強調するか、それをどのような感情を込めて言うのか、など、
ドハティ講師からのフィードバックによって、
5人の皆さんのプレゼンテーションがみるみる良くなっていくのを見るのは
非常に興味深かった。
その時の様子はこちら。
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現在、大阪では1年に一回開催という形だが、
今後はぜひ増やしていきたいと思っているので、応援いただきたい。


[ドハティ講師、ディレクターの福田と私で]
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kazukon at 18:34

グローバル人材育成 「成功する企業 失敗する企業」

2013年10月16日
今週の水曜日に、第92回G研
「導入事例発表!ディベートを取り入れた
「選抜人材向けグローバル研修」でのグローバルリーダーシップ醸成』
〜ディベートを通じて、グローバル人材に必要な英語力、ロジカルシンキング、教養を高める 〜

を開催した。

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今回は、下記のような3部構成で行った。
第1部: グローバル人材育成の失敗例、成功例
第2部:あずさ監査法人様の事例発表
第3部:河原崎講師のディベート研修


私からは冒頭にグローバル人材育成の成功例と失敗例をお話した。
私がグローバル人材育成の現場に携わってからかれこれ27年が経過した。
思い起こせば、今でも記憶に残っている成功事例と、折れるべきではなかった妥協を許し、
失敗してしまった事例
がある。
そして私が実感している成功する企業の特徴は下記の3つだ。

そして、あずさ監査法人様は、下記3つにどれも当てはまり、
かつ、3番目の「人材育成担当者の専門性が高くかつ、思いがある」が極めて高い。

1. 英語力のある人材ではなく、グローバルで通用する人材像が明確且つ社内で共有され、継続的に偏りなく育成している。また、いつまでに何名という期限が設定されている。

2. 景気の落ち込みと関係なく育成に投資する。ブレがない。

3. 人材育成担当者の専門性が高くかつ、思いがある。


あずさ監査法人様の事例発表で、私が一番心に残っているのは、
「プログラムは生き物。丁寧な作り込みと事務局の粘りが必要。」という一言だ。

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研修は、本当に生き物だと思う。
例え、全く同じ内容で企画をしたとしても、
・受講者
・事務局
・講師
・研修会社
の四者の関わり合い方で全く異なる場が出来上がる。
だからこそ、毎回が化学反応なようなものに思えるし、一瞬一瞬が勝負だ。
二度と同じ瞬間は訪れないし、一瞬一瞬を最高の時にするために、
四者がそれぞれ、知恵を絞ってベストなものを作り、参加者に気づきや成長のきっかけになる場を作る


「場を作る」という意味では、河原崎講師のディベート研修は職人技である。私は河原崎氏とは10年以上弊社のパートナー講師としてお付き合い頂いているが、常に細部に工夫を凝らし妥協しない前のめりの姿勢には頭が下がる。
河原崎講師の研修は、まさに一瞬一瞬が勝負で、無駄な時間が1秒たりともない。
まさに高速回転な研修なのだが、それは河原崎講師の
受講生のニーズに120%以上応えたい、という「場作りへの思い」に起因するものではないだろうか。

5繰り返しになるが、研修とは、個人・組織の成長の場作りをすることだ。
頭の中で描いた企画通りに行くことはほとんどなく、
ニュアンスを含む現場での細かいの調整をしてこそ、よい場が出来上がる。
手間暇を惜しんではいけない。
まさに、そんなことを改めて感じた一日だった。


[ 終了後に、あずさ監査法人の元田様、丸山様、そして河原崎講師と ]
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kazukon at 11:17

嬉しいメール

2013年10月11日
3年前の1年間選抜グローバル研修のご参加者R社I氏から弊社のコーディネーター大貫知加にとても嬉しいメールをいただいたのでシェアしたい(ご本人から許可を頂きました)。

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グローバル・エデュケーション
大貫様

ご無沙汰しております。
お元気でしょうか?お子様は大きくなられましたか?
(実は、うちにも今、1歳の子供がいます)
私は、震災以降、復旧復興工事の増加により、かなり忙しくなっています。
施工機械・人・材料すべてが不足している状態です。
福島原発内でも作業しています。

久しぶりにメールしましたのは、東京オリンピックのプレゼンを見て、あの、つらい日々を思い出したからです…。
(もしかしたら、御社の講習を受けた方々、こういう人多いのではないでしょうか?)
感想としては、みなさん相当練習したのでしょうねということですね。
日本人もここまでできるようになったのかと思いました。(私が言うのもなんですが(笑))
我々が教わったこと、彼らはすべてやってました…。
緊張感、すごいでしょうね。私らは社内でもあの緊張だったのに…。
緊張感が共有できたので、わたしも緊張しながらテレビ見てました。
家族も一緒に見てたのですが、やはりジェスチャーが異様に見えたようです。
「あのときのグローバル研修はまさにあれ」と家族に説明したら、
「ちょっとすごいな」と思ってくれたみたいです。(笑)
最近、200人ぐらいの会場でプレゼンする機会がたまにあるのですが、
全く緊張しないでプレゼンできます。これはグローバル研修のおかげですね。(英語ならそうはいきませんけど)
なんといっても、最高の緊張を体験しているので…。

脈略のないメールで失礼いたしました。
これからも元気でご活躍ください。
布留川社長、福田さまをはじめ、みなさまにもよろしくお伝えください。

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弊社のグローバル研修受講者でオリンピック招致のプレゼンテーションを見た多くの方々から同様のコメントをたくさんいただいている。
I氏は、今グローバルの現場で活躍されていないが、1年間のハードな研修は着実に今の現場にも活かされているのを頂いたメールから読み取った。

振り返れば「魅力的なリーダー人材だが英語は苦手マネージャー14名」は、回を重ねるごとに本気度が増していった。この時の英語によるファイナルプレゼンテーションの熱気と終了時の参加者と見学者の一体となった感動は今でも心に刻まれている。
その時の様子のブログ→http://blog.m-furukawa.jp/archives/51689251.html

この仕事をしていてもっとも大事な心の財産である。

過酷な現場で働くIさんと皆様に心から敬意を表したい。
Iさん、日本のために頑張ってください!
kazukon at 14:49

新入社員の海外研修の投資効果を問う

2013年10月02日
海外研修報告会
先週弊社がコーディネートを担当させていただいた82名(日本人、中国人、韓国人、マレーシア人)の新入社員が3ヶ月の海外研修を終え、帰国報告会が行われた。研修先は、米国、英国、カナダの語学学校である。1校につき3〜4名のメンバーで、語学学習に加え、アクションラーニングを取り込んだ研修だ。上記82名以外に、インドネシア人と中国人の2名は日本国内で日本語研修を行った。
報告会は8時からスタートし5時までと長丁場であったが、新人からの質問がですぎるほどの盛り上がりであった。
28組のプレゼンテーションをすべて見た感想は、ただ一言、「なかなかやるな!」である。
昨今、日本の若者は留学を嫌い国内志向が強いと言われるが、そんな心配は吹き飛んだ。
それぞれの上司も見学にいらしていたが、たった3ヶ月で堂々と英語でのプレゼンテーションをこなす新人達に驚いていた。グローバル展開を加速させているこの企業にとって、頼もしい若手の出現は喜ばしいことである。

さて、こうした新入社員の海外研修の企画運営や投資効果についてよく問われる。
そこで、よく聞かれることを以下の4点にまとめてみた

1. 海外研修は欧米で行うのが良いのか、新興国がいいのか?
2. 期間はどのくらいが妥当なのか?
3. 語学や異文化スキルを学ぶために語学学校か、現地に放り込んでサバイバルか?
4. 海外研修の投資効果とは何か?


一概にこうとは言い切れないが、一般的な想定のもとに私の答えは以下である。

1. 海外研修は欧米で行うのが良いのか、新興国がいいのか?

欧米、新興国、いずれにしても最も重要なポイントは、研修の質である。新興国に展開する企業にとっては、新興国が研修地として良いという判断もあるが、研修の質が担保されなければ無意味である。ここで言う「質」とは、教育機関の質、講師の質、プログラムの質、そして参加者の質である。
残念ながら、新興国での研修は、これらの質においてまだ低いと言わざるを得ない。したがって、答えは欧米の方が適していると考える。
ただここ数年で、新興国においても日本企業のニーズを学習し、質を高めてきているものもあるので今後が楽しみではある。

2. 期間はどのくらいが妥当なのか?

語学を習得し、ダイバーシティスキルを身に付けるには最低1年は必要と思われる。しかし、それは理想であって、現実的には3ヶ月から4ヶ月という決断をする企業が多い。上記の82人の研修期間は3ヶ月であったが、かなりの効果が見られ本人も企業側も満足度も高い。

ただし、研修効果は期間の長さに関わらず、国内での事前研修の内容によって大きく変わる。国内での事前研修で英語研修をしたり、異文化理解をするのではなく、グローバルマインドについて考え、グローバル化することの意味を理解することから始める。また、プロアクティブに研修に取り組む姿勢や、そこに必要なコミュニケーションスキルなどを学ぶものだ。
新入社員の海外研修に関して、これも良くあるご相談だが、新入社員が「学生帰り」してしまった、ということを防ぐ上でも効果的だ。また、海外では「トラブル」ばかりで、海外嫌いになったり、または英語が出来るからもうOKという勘違いが起きることもあるが、そこに対応している。
「研修に行かせるのに、事前もするのか」と反対の声が挙がることもあるが、これらがあるなしでは効果は大きく違うと強調したい。
実際に、これまで他社で海外研修を行ってきた企業において、「御社に切り替えて以来より高い成果がコンスタントに出るようになった」、というお言葉を多数の企業において頂いている。


3. 語学や異文化スキルを学ぶために語学学校か、現地に放り込んでサバイバルか?

現地に放り出して苦労させれば、自動的に言葉も文化もタフネスも身に付けてくる、というのは幻想である。100人に1人か2人はそんな人材もいるが、私の経験からすると、逆に遊んでしまうかつぶれてしまうケースが多い。
若者を甘やかすな、現地で苦労させろ、といういわゆる「サバイバル研修」は20年前から繰り返し行われてきているが、ほとんどの場合1年から2年で打ち止めになるケースが多いから要注意だ。サムスン社の同様の研修がよく引き合いにでるが、研修生の英語レベルは皆TOEIC900点以上だ。研修開始時に現地に適応できる英語力がないのに無理に送り込むのは得策ではない。
また、現地法人に預けるような場合は、英語力はもちろんのこと、コミュニケーションスキルなども十分に訓練してから送り込まないと、翌年から迷惑だから受けたくないという返答が現地法人から返ってくる例が本当に多い。

4. 海外研修の投資効果とは何か?

英語力、異文化対応力の向上や更なる自己変革意欲が高まる海外研修だが、最大の投資効果は、新入社員の帰国後にすぐに現れるわけでは無い。専門性も身に付いていない、経験も浅い新入社員に大きな仕事を任せるわけにはいかないし実際にできるわけもない。
本当の投資効果は、早ければ5〜6年後、あるいは彼らが課長や部長になった頃に現れるはずである。
私は、この仕事を25年以上やってきている。私が20年前にコーディネートした海外研修の新入社員はすでに40代である。当時の若手海外研修制度を抜けてきた人たちの中に、グローバルエリートと対等に協働できる人材が出てきている。もちろん、全員というわけではない。その時の強烈な刺激をきっかけとして、自責で英語力もグローバルスキルも自ら磨いていった人材である。
こうした人材は会社に対するロイヤリティも高い人が多い。

10年ほど前にもてはやされたグローバルビジネスはMBAを採用して彼らにやらせればいいではないか、と言う話は最近あまり聞かない。伝統的な日本企業にとって、そのようなご都合主義はあまりうまく機能しなかったからである。
結局、今頼りになっているのは、生え抜きのロイヤリティの高いグローバル化した部課長クラスなのである。
新人の海外研修の投資効果の中核はここにあることは押さえておきたい。

もう一つの投資効果としては、グローバルマインドを持った優秀な人材を採用する時のレバレッジになることである。
新入社員の海外研修制度を持つA社、持たないB社では学生側から見ると大きな差がある。
実際、新入社員の海外研修制度を持っている企業は、毎年優秀な社員の獲得に成功している。5年以上継続している企業はさらに効果が出ている。
例えば、新入社員を本社と海外拠点とのブリッジパーソンとして育成することをねらいとしたプログラムを行っている企業では、今年で5年目を迎えたが、最近は採用面談時から、「この研修プログラムに選ばれたい」という意欲あふれる学生が応募してきている、と人事ご担当者も喜ばれていた。

\犬抜きのロイヤリティの高いグローバル人材を育成できる、▲哀蹇璽丱襯咼献優垢亡悗靴動媼韻旅發こ慇犬鮑陵僂任る。
海外研修の投資効果は以上の二点であると私は考えている。

冒頭の82名の中から、5〜6年後にはきっと頭角を現してくる人材も出てきているはずだ。
どのような活躍をしているかを考えると今から楽しみである。
kazukon at 15:33
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