布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2014年07月

G研報告:失敗しない海外研修(先進国・新興国)を徹底解説!

2014年07月25日
先日、第102回グローバル人材育成研究会
『失敗しない海外研修(先進国・新興国)の選び方を徹底解説!』を開催した。

■第一部:
私から海外研修の知っておきたい下記の6つのポイントについてお伝えした。

1. 日本企業の海外研修の成功と失敗の歴史
2. 派遣先をどうするか
3.「とにかく現地に送り込め発想」の弊害
4.「国内研修」「海外研修」という枠組みからくる思考停止
5. 選抜の場合の人選方法
6. 海外研修の投資効果を最大化する方法
 

社長全体1

例えば、「2.派遣先をどうするか」だが、これは特によくいただくご相談の一つである。
当日は、お越しいただいた皆様に派遣先について考える上で、
「海外研修は欧米で行うべきか、新興国で行うべきか?」というテーマで、3つの観点からディスカッションいただいた。

1.リーダー育成の場合
2.英語力アップの場合
3.異文化地域理解の場合


下記が皆様から出ていた意見の一部である。

全体2八島様

・派遣先は目的によって異なる。「どんなリーダーを育てたいのか?」という観点から場所を決めるのは、極めて重要である。
・やはりリーダー育成である場合は、欧米を選ぶべきである。アジアにも優良な学校はあるが、ハーバードなどには追いつけない場合が多い。
・異文化理解が目的であり、若手を送るのであれば、新興国など少し不慣れな環境が良い。
・英語力アップが目的であれば、母国語が英語である場所がよい(例:アメリカ、イギリス、フィリピンなど)クラスルームを出ても英語が自然と聞こえてくる環境に送ることが必要。

栗木様山角様

上記で挙がっていた内容に加え、
海外研修先の検討比較ポイントとしてとして下記5つの要素も重要である。

1.「目的」:世界中の参加者とのリーダー育成、ネットワーキング、語学力底上げ、地域理解など、派遣先を考える上で再度目的である「Why」の部分に注目することが重要。

2.「講師の質」:先進国の語学学校の場合、ビジネス経験者+語学教授法の有資格者がほとんどである。新興国の場合、有資格者が多いが全員ではない場合もある。

3.「教授法」:先進国の場合、グループ教授法とマンツーマンのコンビネーションが多い。一方で、新興国の語学学校は、マンツーマンが多い為、英語力を短期間でアップさせるには、より効果が高い場合もある。

4.「滞在方法」:先進国は、ホームステイや寮が主流。新興国では、寮、ホテルが主で、ホームステイは少なめである。ホームステイは異文化理解と語学力アップに有効なので、新興国プログラムの弱点はそこにある。

5.「価格」:先進国は、物価も高く手厚いサポートのため、高めの価格設定の場合が多い。新興国の語学学校は、プログラムの性質によってことなり、低価格から中価格まで様々である。

ディスカッションでも出ていたが、海外研修を実施する上で、やはり一番の核となるのは「目的=なぜ送るのか」である。ここを明確にすることで、先進国に送るべきか、それとも新興国に送るべきかは、おのずと見えてくる。

■第二部:
当社ディレクターの福田より、アジア圏での各種プログラム内容及び、
「プロジェクト遂行型プログラム」をご紹介した。

まず初めに、「アジア圏で研修を企画する動機と不安」について
ディスカッションいただいた。下記がその一部である。

追加福田さん写真ー2全体3

<動機>
-やはり価格が安い。
-新興国のパワーを肌で感じることが出来る。
-その国に展開するビジネスがある。または、そのアジア圏に赴任させる予定である。

<不安>
治安、医療面、衛生面など。また国によっては政治の問題ややインフラが整っていないや、移動手段が大変である。

また今回は、フィリピン、インド、シンガポール、マレーシア、香港・上海・北京のアジア圏での
3つの注目プログラム「1.プロジェクト遂行型プログラム」、「2.語学学校」、「3.インターンシップ」をご紹介した。

特にご興味をお持ちいただいたのは、
フィリピンでの「1.プロジェクト遂行型プログラム」である。
当日は、事例を交えてお話しした。
この研修は、現地企業から実課題が与えられ、フィールド調査・分析を
日本人とフィリピン人の合同チームで行い、英語で解決・提案するという内容だ。
英語への苦手意識を払しょくし、どんな環境でも与えられた任務を遂行し、行動力、発言力、異文化対応力を養うことが出来る。

私も実際にこの研修に同行したのが、参加者のマインドが変わったのは一目瞭然だった。
毎朝早く起き、その日に話す内容を1時間みっちり練習したり、
セールストークを移動中のバスでも必死で覚えたりと
プロジェクトを成功させるために本気になって取り組まれていたのが印象的であった。

■第三部
Q&Aセッションでは、海外研修を実施するにあたっての皆様の様々な疑問にお答えした。
例えばその中で、「プロジェクト遂行型プログラムでは何故コンフォートゾーンから脱出できるのか」
という質問が挙がっていたのでご紹介したい。

福田さん

参加者がコンフォートゾーン(自分が快適で心地よく感じる領域)から抜け出せたのは、
研修初日から英語でどんどんワークをやり、いやでもストレッチしなければいけない領域にたどり着いたからである。また、プロジェクトを成功させるために毎日必死に頑張っているうちに、
英語でコミュニケーションすることに対しての苦手感が徐々になくなっていった。
「英語を話す」ということは、こういうものなんだ、とだんだんと感覚がつかめてくることで、マインドセットが変わったのである。

その他にも、プロジェクトが実課題であったため、本当に企業が悩んでいる課題に
真剣に取り組み、解決したいという思いが出たことも挙げられる。
また、フィリピン人のホスピタリティも関係しているだろう。
何があってもこの人たちとやりたい、と思わせる優秀さと笑顔が彼らにはあったからこそ
参加者も諦めずに最後までやり遂げることが出来たのだ。

今回、先進国・新興国と様々なプログラムをご紹介したが、
海外研修の企画・運営・実施する上で不安や悩みは多くあると思う。

海外研修を成功させるためには、やはりしっかりと「目的」を明確にした上で派遣先、
プログラム内容を選ぶことが重要であり、そのためには詳細な情報収集と緻密なプログラム開発力が必須である。現場を知る皆様と有効なディスカッションができ充実した一日であった。

kazukon at 11:35
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