布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2016年08月

G研報告:第130回「KPIマネジメントだけでは組織は疲弊する!上司としての人間力を高める“自己効力感”の高め方」

2016年08月17日
先日7/6(水)に、「KPIマネジメントだけでは組織は疲弊する!上司としての人間力を高める“自己効力感”の高め方」を開催した。

私からは、組織に活力を与えるための「自己効力感」を高めるためのエッセンスをお伝えした。

自己効力感は、下記3つの要素に大きな影響を及ぼす。

1.その行動を実際に始めるかどうかを決定づける(行動力)
2.どのくらい努力を継続出来るか(継続力)
3. 困難に直面したときにどのくらい耐えられるか(忍耐力)


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自己効力感は、下記4つの方法で高めていくことが可能である。

1.成功体験
2.代理体験
3.言語的説得
4.生理的状態


例えば、1.の「成功体験」とは、たやすく成功するのでは意味がなく、忍耐強い努力によって障害を乗り越える体験が必要とされる。

そのためには、セルフエンパワーメントやレジリエンス(回復力・復元力)を鍛えていくことが必要不可欠である。
また同時に、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のスピーチで言っていたように、「価値ある苦労を繰り返し、過去を振り返ってドットをつなげること」が重要である。
その時は辛くて逃げ出したかった体験も、今、振り返ってみれば価値ある深い経験であり、その経験があったからこそ今の自分がいる。そして、その結果、今の自分の自信=自己効力感に繋がっている。そう思える体験を増やしていくことが大切である。

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また、2.の「代理体験」だが、自分が実際に行動するのではなく、自分が行おうとしている行動を他者(同じような能力の人間)が努力し、上手く行っている場面を見たり、聞いたりすることを意味する。

例えば、弊社で実施している「選抜グローバル人材育成プログラム」でも、この「代理体験」は、よく目にする。

この「選抜グローバル人材育成プログラム」とは、外部からグローバル人材を雇うのではなく、生え抜きで、専門性、ロイヤリティが高く、周囲への影響強い、社内外人脈もある自社の優秀層を半年から1年間かけてグローバル化するというプログラムである。

先日もこの1年のプログラム初日に、受講者の一人がこんなことを言っていた。

「私が選ばれてしまったんですが、大丈夫でしょうか?しかし、まぁ、去年選ばれた同期の山本も(全く初めは英語を話せなかったけど)結局1年頑張って、最後はすごいプレゼンを役員の前でしてましたもんね〜。今では、海外とのやり取りをたくさんしてるみたいですし、あいつに出来るなら、私にも出来ますよね!?」

「代理体験」とは簡単に言えば、「あの人に出来るなら、私にも出来るだろう」と、思える身近なモデルを探していくことである。そうすることで、自己効力感を確実に高めることができるのだ。

第2部では、当社のパートナー講師である新里聡講師にご登壇いただいた。新里さんは、私が心から尊敬している講師の一人で、非常に才能豊かな、素晴らしい講師だ。彼の、目の前のクライアントに正面から向き合う姿勢と人を穏やかにさせる温かさは多くの企業からもご好評いただいている。

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新里講師からは、リーダーシップとは何か?チームとは何か?また、なぜ現代は自己効力感を高めづらい時代であるか?など私との対談形式及び参加者とのディスカッションを通して、皆さまにお考えいただいた。

強い組織を築いていく上で個々に求められる重要な要素は2つある。

1.セルフリーダーシップ(セルフエンパワーメント)
2.チームリーダーシップ

セルフリーダーシップが出来てはじめて、チームリーダーシップが機能する。そして、その人にフォロワーがついてくる。

ここで理解すべきこととして、リーダーシップとマネジメントは異なるものであることだ。リーダーシップとは、例えるなら「どの壁を登り、どこにハシゴをかけるかを決める」ことである。
そしてマネジメントとは「そのハシゴをどのようにして効率よく登るか」を考えることである。となると、最初にハシゴをかける場所は非常に重要だ。どんなに効率よく登れたとしても、間違った場所に効率よくたどり着いても全く意味がない。

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そして、そもそもチームの目的とは、チームで何かを達成する(目指してる結果を達成する)ことであるが、
目的達成のため強いチームを作っていく条件の一つに、行動と結果の見直しができるか?が挙げられる。同じアプローチ(同じところにハシゴをかけて)をして、同じ結果を求めるほど愚かな結果はない。

以下は、そんなリーダーに必要な資質だ。

■Vision caster ビジョンの伝達と共有
■Action Oriented 実践者
■High Performer with an abundance mind ハイパフォーマー(豊かさマインド)
■Understanding roles and connection (役割とつながりの理解)
■Sense of interdependence (相互協力意識)


しかしながら完璧なリーダーなど存在しない。
であるとするならば、「一緒に働きたい」と思わせる努力をし続けることができるリーダーでありたいものだ。100%を目指すことは重要だが、日頃の結果に悲観することなく受け入れ、成功につなげていく自己効力感を是非鍛えておきたいものである。

第2部は、私も後席で参加したが、新里講師のファシリテーション力にはいつも驚かされる。
ユーモア溢れる語り口調で、気付いたときには参加者全員が、自分の意見を活き活きと話してしまっているという、参加者の心からの言葉を引き出す名人だと思う。

新里さんのセッションを見て、改めて、組織を作り上げていく上では自らを信じて挑戦し続ける胆力とそれを周囲と共に成果につなげていくチームビルディングの重要性について考えることのできた貴重な時間となった。

<屋上にて、新里講師と専務取締役の福田>
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第129回G研報告『ロンドンビジネススクール ディレクターが来日! リーダーを着実に育てるプログラム作りのノウハウとは?』

2016年08月15日
先日開催した研究会、第129回G研 『ロンドンビジネススクール ディレクターが来日!  リーダーを着実に育てるプログラム作りのノウハウとは?』 では、ロンドンビジネススクール(以降LBS)のプログラムディレクターである、Adam Kingl氏を再びお招きした。LBSは今年50周年を迎えた記念すべき年でもある。

冒頭、私からエグゼクティブ・エデュケーションが注目されている4つの理由をご紹介した。
 1. グローバルリーダー育成の場として最高峰の場
 2. 優秀人材のリテンション
 3. 後継者育成
 4. クロスボーダーM&Aの増加

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日本企業のエリート層は今、もっと世界の優秀な人材の価値観に触れ、対等に意見を交し合う場に身を投じるべきだと考えている。
ご存知の通り日本企業の技術力、協働意識、CSなどのレベルの高さと質の確かさは世界的にも非常に評価が高い。
一方で、その価値を次世代に繋げるための人材の育成と確保という点では、欧米を中心としたグローバル企業と比較した場合、相当遅れていると感じる。

各企業において、後継者育成は喫緊の課題であり、自社ビジョンの明確化、そこに到達するための人材育成戦略の立案、実行は待ったなしである。
そういった意味でも、LBSはグローバルリーダー育成の環境として最高峰の場であり、
世界各国から来た人材のハイレベルな議論に参加することが自身の考え方に好影響を与える絶好の機会となるのである。
このプログラムに参加することで、今まで考えつかなかった戦略や価値観が醸成されると言えるであろう。

また、これらのプログラムに幹部を派遣するにあたっては
英語力を強化するためには「キュレーション型英語学習コーチング」が有効である。
これは、一人ひとりの目的とゴールに合った学習方法や教材・素材・講師を
枠のない、オープンなリソースから選んで個別化するという方法であり、無駄なく効率的に継続学習が可能であることから、当社の実績でも確実に成果に繋がっている。


続いて、LBSのプログラムディレクターであるAdam Kingl氏より
「急速に変化を遂げるグローバル市場環境において組織をどう適応させ、
最高のパフォーマンスを生み続けるか、チームマネジメントの秘訣」
と題しお話しいただいた。

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世界が変化する中で組織も変化が必要だが、
必要なアクションはリーダーのレベルによって異なるということを理解しておく必要がある

・次世代リーダー:アジリティ(敏捷性)
・ジェネラルマネージャー(課長):チームに新しい風を吹き込む力
・経営者:新しいビジネスモデルの構想と現状を変える力


共通して重要なことは”Learning by Doing”であるとKingl氏は述べる。
「学習=行動の変容」であるとすれば、組織は、学ぶために失敗を大いに許容する場でなければならないと強調している。
つまり、リスクや失敗を「実験」と捉え、成功するためのパターンを実行したと認識する、そしてその実験からの学びをいかに取り入れていくか?が極めて重要な要素ということである。

リーダーにはポジティブな意味で組織をリスクに晒し、チームの実力を解放してより良い未来へ貢献する能力が求められている。
同時に忘れてはならないことは、周囲はただリーダーの真似をするのではなく
自分自身のリーダーシップを模索し続けることが強い組織を生み出す秘訣であるということである。

当然、「実験」をセットアップするためには「仮説」を立て、実行の後に、
実験から得た学びは何であったか?を検証する必要がある。
仮に仮説が間違っていたとしても、それが貴重な学びとなり、次のより質の高い仮説に繋げていくことができるのである。

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チームマネジメントや組織を変える力といったトピックはよく語られる分野ではあるが、
LBSのような高品質なストラテジーを聞くとその奥深さと難しさ、そして変化を遂げた組織にもたらされる成果に改めて大きな価値と可能性を感じる。


また今回は事例発表として、
今年実際にLBSのプログラムに参加された伊藤忠商事株式会社の暮橋様にもご登壇いただき、
ご体験に基づいた学びをお話いただいた。

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プログラムの各モジュールごとに参加者が異なったため、
毎回新しい参加者と新しい議論となったと暮橋氏。
そんな中で日本人はたった一人。

「日本の立場ではどう考えるのかー?」

と常に意見を求められ、
日本の立場から意見を表明することの重要性を改めて感じたと同時に、
コミュニケーションとは思った以上に伝わらないものであるかを体感され、会社に戻ってからのご自身のコミュニケーション方法を見直す貴重なご経験になったとお話しいただいた。
ご参加頂いた皆様にとっても、実際に現地で刺激を受けて変化されたご本人の経験談が
リアリティを持って伝わり、「自社ももっと積極的にアカデミックな環境での学びを視野に入れなければと再認識した」といった声を多くいただいた。

今回LBSのプログラムに参加されて各国の価値観と議論を交わしたご経験が切っ掛けで、組織カルチャーに変化をもたらし、次世代のリーダーの育成につながっていくことを強く願っている。
些細なことでもエグゼクティブエデュケーションの課題については、是非当社にご相談いただきたい。

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写真のアヒルはLBSの50周年記念のキャラクターで、皆様にお配りいただいた。

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第131回大阪G研報告:まだ間に合う? それとも手遅れなのか!?「45歳まるドメ課長」グローバル人材への道

2016年08月04日
先日、大阪で第131回G研 「まだ間に合う?それとも手遅れなのか!? グローバルに無縁の45歳 課長が驚きの変身を遂げた『まるドメ課長』グローバル人材への道」を開催した。

大阪支店開設後、大阪G研は3回目の開催となるが、今回も関西の企業教育ご担当者を中心に多くの方にお集まりいただき、研究会は非常に盛り上がりを見せた。

第1部は私のパートで、上記のテーマでもある。このテーマは以前東京でも開催し、好評であった
リアルなストーリーに基づく内容だ。
ここでは昨今の企業におけるグローバル人材の必要性と、日本を取り巻く環境の変化、新興国を
中心とした新しい人材・ライバルの出現・その背景などを交えてお話しさせていただいた。G遐・31逕サ蜒十IMG_0826G遐・31逕サ蜒十IMG_0827

初めに45歳としたが、実はプログラム自体はこの年齢に限定したものではない。各企業において、
中核となる人材をいかにグローバル化するかということが重要であって、それぞれの状況を鑑みた際には30代前半〜課長職手前などから育成を開始するケースもみられる。

しかしながら日本においては部長・課長のグローバル化は必要であるにも関わらず、その階層への研修は実際できていないケースが多い。
そこには英語ができないために、担当者からは「受講させられない」、本人も「受講したくない」などのネガティブサイクルに陥っている現状がある。
また若手社員と比較した場合など年齢に対しての投資効果の疑問から、安易にこの階層への研修を敬遠しているとすれば残念なことである。

そして、45歳という年齢が果たして「手遅れなのか、間に合うのか?」についての答えは
「手遅れではなく、十分に成長できる(間に合う)」
「対象者を間違えなければグローバル人材として十分活躍していただける」
である。

私から参加者へ質問をさせていただいた。
「幹部級グローバル人材は外部から獲得?それとも、社内で育成?」
に対しては、外部獲得と社内育成の組み合わせが理想と感じられる方が多かったが、
中には個人的な意見として、大半を外部から登用するのもありではないか?という意見もあった。
一方、外部からの獲得に頼らず社内で100%育成を目指している会社もあった。
これには企業のフィロソフィーなども影響するであろうが、
8割は自社で育成、2割は外部から採用というくらいがちょうどいいのではないだろうかと私自身は感じている。
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プログラムに戻るが、改めて重要なのは「人選」である。そして選ばれた方の「自己改革する決意」である。約11ヶ月の間、これまで経験したことのないような「しんどさ」と「充実感」、そして自身での変化に対する気付き、他者からの評価の変化、グローバルリーダーとなるべく圧倒的な自信がつくのである。


第2部は当社講師であるJames Doughertyが登壇した。
「今の限られた英語力でできることを飛躍的に増やす!
〜社員のプレゼンテーション力は1週間で驚くほど伸ばすことが出来る〜」
というテーマで、
プレゼンテーション研修の一部をご紹介した。
言うまでもなく、プレゼンテーションで人の心を捉えることと、英語力の高さは決してイコールではない。型を知り、実践すれば今の英語力でも最高のパフォーマンスをし、相手を説得し、動かすことは出来る、というものだ。
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何名かの方にも参加いただいて、ワークを実践していただいたが、各参加者の声として、
「コンテンツ(内容)よりコンテキスト(≒デリバリースキル)の重要性を理解することができた。」
「これまで伝える際に内容ばかりに注意が向き、伝え方の部分への意識は低かった。」
など新しい気付きを得ていただいたようだ。
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また、世界72か国、4000名以上のグローバル人材を育成してきた経験から、日本人のマインドセットをよりグローバルに変えるにはどうすればよいのか、また成功する秘訣についてお話しいただいた。

彼は「今後のグローバル化した世界で、生き残る人材に必要なのは『attitudes』である」と
主張してる。
大きな成功を収めてきた優秀な人材達に共通しているのは、優秀なスキルや知識だけではなく、
「人生に向かう姿勢、そして仕事に向かう姿勢=attitude」
であるからだ。
また、attitudeを保つためには、モチベーションが必要となるが、モチベーションを高める方法としては
「自分が頑張ることにより周り(家族、同僚、部下、上司など)が感謝してくれる」という、「人のために貢献する」気持ちであるとのことだ。

これは研修の場面でも同じことが言える。一例として、ある研修の中での話が出た。
英語力が非常に低い受講者が、当初の研修では殆ど英語で発言できなかったのだが、その受講者に過去の成功体験を3つと、そこからどんなスキルを得たか、自分自身の強みも含めて書かせた。
その受講者は一生懸命情熱を持ってそれを全員の前で発表したのだが、その瞬間メンバーの目が変わったとそうだ。面白いことに彼が変わると、周りも少しずつ変化が生まれ、結果その研修は大成功をおさめた。

人から認められ、自信をつけることで、徐々にマインドが変わる。
そして、よりオープンに様々な角度から物事を考えることが出来るようになる。
その「変化」が、グローバル人材への成長の一つのきっかけだったのではないだろうか。
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次回の大阪G研は9月13日を予定している。多くのご担当者様にお越しいただければ幸いだ。
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