布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2016年10月

なぜ、上司は部下の話が聞けないのか?G研報告第134回パート2

2016年10月31日
8月23日に実施した第134回のグローバル研究会(G研)の第2部のご報告をさせていただきたい。

第2部では、経営者へのコーチング、リーダーシップ、組織開発の観点からのコンサルティング、
ワークショップ、ファシリテーションのサポートを行い、世界中に多くのファンを持つC.オットー・シャーマー教授の「U理論」を翻訳した中土井僚講師が登壇し、「共創」を実現するための自己変容と深い傾聴力に焦点を当てたリーダーシップトレーニングをご体験いただいた。

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上司と部下の関係が上手くいかず、互いに理解し合えず他責的になってしまう原因は、自分の行動が周囲に与えている影響を「認知する能力」に欠けている「人間の本質的な問題」であると中土井講師は言う。

例えばよくある光景として、こんなことはないだろうか?

・上司は部下に対して、「もっと頑張ってほしいから何でも相談しろよ!」と助言したとする。
・それに対して、部下は「はい、、、分かりました。でもまずは自分でやれるだけやってみます」と答える。
・この時に上司は実は心の中で部下のこの反応に対して、「こういう人を寄せ付けないものの言い方がイマイチなんだよな〜」と思っているとする。
・部下は、それに対して、「気軽に相談しろっていうけど、本当に最後までフォローしてくれるのかよ!」と心の中で思っているとする。

その場合、部下の心の中では、下記のような「認知と行動のプロセス」が起こっていることが多い。

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1.上司のメンタルモデルのトーンによる印象
上司の考え方のパターンや声のトーン、話し方や雰囲気によって、部下は無意識的に「この人はXXなんだな〜」と印象持つ

2.実際の上司の行動の目撃
上司側の行動の背景にある意図、純粋な思い、痛みや内面の格闘といったことに部下は注意を払うことが出来ず、上司の些細な行動や、発言よりメンタルブロックが発生し、部下は本能的に自分を守ろうとしてしまう。そして、上司を切り離した存在(敵)と見なし、自分のレンズで相手を見てしまう。「この人って、口ではそう言っているけど、実際は、こんなことしてしまう人なんだ!」など。

3.人物の決めつけ
その結果、「私の上司って、絶対XXで、○○をする類の人だ!」、「この人は、能力のある部下をえこひいきするタイプだ!」などレッテルを張ってしまう。

4.対抗姿勢
最終的には、「この人から被害をこうむらないようにXXしよう」と上司が望んでいない選択・行動を取ってしまう。

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これは上司にも同じことが起きていると言える。この場合、両者とも他人から受ける影響については認識しているが、自分が相手に与えている影響には気が付いていない。
相手がなぜそのようにまた、自分の行動が将来の自分の行動に与え得る影響も特に考慮していない。これは、人間の認知システムの限界によるものであり、従って、意識的に自分はこういう考え方に陥る傾向があるなど、自分の行動や思考パターンを見つめ直し、客観的な視点で行動を選択、実践する必要がある。

部下を傾聴することはもちろん重要であるがそもそも、上司にそのスタンス(心構え)がないと全く意味がない。その部下の意見は、その部下個人の意見としてまずは一旦受け止める。そして、実際に「受け入れる」かは別として、その考え方、そのこだわりはどこからきているのか?その真意を考える。そして、同時に自分のメンタルモデルと向き合い、色眼鏡をかけずに、本当の意味での部下の発言を「傾聴する」ことが重要である。

自分では認識しづらいメンタルモデルの構造を理解し、克服していくこと、また客観的な分析により自らの行動を律する姿勢が、自立型・グローバル人材への第一歩であると改めて考えさせられる機会となった。

<終了後に中土井講師、専務取締役の福田と>
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グローバル研修を日本語でやってはいけない理由: G研報告第136回パート1

2016年10月26日
9月28日(水)に第136回目のグローバル人材育成研究会を実施した。
いつもながらではあるが、特に今回は参加された方々同士の情報交換がとても多い回であった。

第1部では私からグローバル経営塾のパラドックスについて情報共有を行った。
ポイントは以下4点である。

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1. 「1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)にならない?」
先日ある企業で聞いた話だ。1年間、大変厳しい課題の「リーダープログラム」を実施したが、テーマのうちの一つであった「グローバル」は英会話レッスンをすることでお茶を濁してしまった。
本来は、1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)で、グローバルリーダーが量産されるはずだったにも関わらず、実際には最終発表会で経営陣からの簡単な質問に英語で全く答えることが出来ず、部屋中に失望感が漂ったらしい。

知識は日本語でインプットし、ディスカッションも日本語で行い、その方々に英語レッスンをすることで「英語で経営を語り、買収先のエグゼクティブと丁々発止ができ、グローバル事業の方向性と課題を練ることができるようになる」というのはいくらなんでも楽観的である。
実は、この手の話は初めてではない。日本語でのグローバル経営塾は、目的と定義があいまいであるため、コース設計ができない、その結果として1年かけたとしても育成に失敗するケースが非常に多い。

2.コンセプトが重要
経営塾のような大きなプロジェクトになると、様々な意見が飛び交うのは外部からでも想像に難くないし、そこを交通整理する担当者の方々のご苦労を考えると本当に感じ入るものがある。しかし、だからこそやはりコンセプトをしっかりと持っている必要がある。

「どういう人材を育成するのか?」

例えばアジアグローバル企業のリーダー人材(リーダーシップ、MBAフレームワーク、グローバルイングリッシュというスペックは普通に持っている)をベンチマークしていくとその答えが見えてくる。そして、今回の研究会の中ではそういった人材の要素についても定義を共有した。
今回の研究会参加者の中には、香港人やドイツ人のご担当者もいたので、さらに具体的かつ白熱したディスカッションとなった。
グローバル・エデュケーションでは、私が2008年に著した「パーソナル・グローバリゼーション」に基づき、5つの要素がある。
そして、それらは全て訓練が可能である。
当社サイトには、簡易アセスメントもあるので興味のある方はお試しいただきたい。

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3.英語に関しては言い訳なし
その5つの要素の中に、グローバル・イングリッシュという要素があり、これは、「英語を母国語としないが十分に通じる英語」というニュアンスである。これは仕事で英語にまったく触れていない人でも「できない、やらない言い訳なし」というスタンスが大切だ。そこで妥協をすると、全体が緩んでしまう。
まして経営塾にでるような優秀な方々は、英語公用語化は当たり前で論点にもならない、というところまで意識を上げていただきたい。そして、それが新しいスキルやマインドセットで自分を鍛えていくことにも繋がるのだ。そうならなかった方は、過去の当社のグローバルプログラムでは一人も居なかった。

4. 英語学習のやり方を知らない人が多いことに注目するべき
しかしながら、やる気になったとしても、やり方をがわからないと続かないのが英語学習。上達まで期間が長くかかるので、通信教育や英会話だけ提供しても目に見えて自信がつくようになるまでいくような確率は極めて低い。
どうやったらその確率を上げるのか?
それは継続できる英語学習のやり方をを知ることだ。

第2部のパートでは、当社専務取締役の福田聡子より、今まで1万名以上が受講、アンケートの評価4.5以上の大人気プログラム、右脳型英語学習法のデモンストレーションを行った。

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ご自分でも英語学習を頑張っているご参加者も多く、更にやる気になって帰っていただいたようだ。いつもこのセミナーを見て思うが、ストイックに黙々と1人でやる勉強方法しか知らない方には、この「楽しい方法を自分で見つける」手法は相当なインパクトがあるだろうなと思う。福田としては、これを通じて、優秀な皆さんが英語の壁を、やらされ感や苦行としてではなく、軽やかにさっと乗り越えてくださることを心から願い、そして誰でもできるようになることを信じていることが伝わってくる。

実際、福田が担当するコーチングクライアントでは、英語学習を続ける中で見たTEDで、自分の仕事のやり方を変えてみたら、部下から「何かあったんですか?」、と聞かれたなどの、嬉しい波及効果がよく報告される。投資効果があまりに高いので、当社としても、もっとうまくこの効果を皆さんにお伝えしていきたいと思っているところだ。

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kazukon at 16:35

異文化コミュニケーションに必要な”Cultural Intelligence”とは?:G研報告第136回パート2

2016年10月15日
皆さんは、「異文化コミュニケーション研修」というと、何を思い浮かべるだろうか?
異文化コミュニケーションという分野は、古くからの学問で、様々な流派がある。

私が長年、感じていた違和感というのが
「異文化コミュニケーションの知識がなかなか実践と結びつかない」ということだ。
知識としてわかってはいても、いざ実践の場で使おうとなると、
なかなか効果を感じるのが難しい分野でもある。

そんな中、Ross Moore Fay講師は私の長年の疑問を解消してくれた。

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彼は、異文化の知識に裏打ちされた実務的なビジネススキルのトランスファーも可能な講師だ。
例えば、プレゼンテーション研修と言っても、オーディエンス分析をしないまま、
プレゼンテーションを行っても効果が半減してしまう。
Rossの場合は、オーディエンスがどのようなCulture(s)を持っているのか、
そこに対して効果的に訴えるスキル
を学ぶことができる。

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Rossが重要視するのは、Cultural Intelligenceだ。
グローバル化が進み、自分の想定外のことが多く起きる現在では、
自分の想定範囲内をどんどん広げていき、フレキシブルに対応することが重要だ。
イギリスに生まれ育ったものの、何とも言えない「違和感」を感じ続け、
それを言語化しよう、違和感を理解しよう、という絶え間ない試みの中から
彼の異文化への深い洞察が生まれている。

「フレキシブルに対応」は言うは易し、行うは難しの典型だ。
ただ、Cultural Intelligenceを高め、相手をより深く理解することで、
より双方のシナジーを高めることができる。

それが出来るようになることが、今後のグローバルリーダーに必要な力だろう。


<研究会後にRossと専務取締役の福田と>
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kazukon at 19:13
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