布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2017年10月

G研報告(第154回)「長時間労働を削減し、若手・外国人社員のリテンションに繋げるには?」(後編)

2017年10月10日
第二部では、当社パートナー講師の脇田啓司氏が登壇し、「脱・長時間労働のために上司に求められる力〜メンバーの個性を活かし、チームの生産性を最大化させるコツ〜」というテーマでお話し頂いた。
働き方改革が叫ばれる現代で、残業はダメ、欠員の補充は難しい、メンタルの問題も出してはいけない。それにも関わらず生産性を高めろ、結果は出せ、と目標はどんどん上がっていき、管理職は、まさに八方塞がりの状況に置かれている。この状況をどのように脱却するのか、アドバイスやツールを、ワークを通して脇田講師に頂いた。

今回は以下2点のポイントをフォーカスした。
1. 生産性の高い職場とはどんな環境か?
2. 世代差を踏まえたうえで自己を理解し、相手を理解する
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1. 生産性の高い職場とはどんな環境か?
まず、働き方改革において、大多数の会社はいかにスピーディーにするか、など数字で考える傾向がある。しかし、このやり方で生産性を求めると、会社内のストレスはどのような変化があるだろう。
生産性(低⇔高)とストレス反応(小⇔大)の関係性を比較するために、A、B、Cの枠組みで分類した。Aは生産性が低く、同時にストレスも小さい、脇田講師は、『ゆるゆるな状態』と表現した。Bはストレスの大きさは中で、生産性が高い状況にある『いきいきしている状態』。これが理想的だ。Cはストレスが大きく、同時に生産性が低い『へとへと状態』タイプとした。この3つの内、参加者自身の会社はどの枠組みに当てはまるか、ディスカッションして頂いた。部署により枠組みに違いがあり、特に、営業部門はCタイプが多い結果となった。また、驚いたことに、会社でイキイキしている人が集まっているのは海外部門が多いという声が多数あがった。
ではどのように、A⇒Bに、C⇒Bになれるのか。
Aの『ゆるゆるタイプ』には、課題を見つけ、考える、“必要なストレス”を与えるということだ。必要なストレスとは理由・目的をもって考える労力である。
Cの『へとへとタイプ』には、やらされているという“不必要なストレス”をなくし、自分で理解し行動する主体性を持つことである。やらされていると考えるだけで、ストレスの負荷は通常の3~4倍にもなる。
日本の会社は、Cの『へとへとタイプ』が多いのだが、生産性を意識する中でCOSTベースの数字を求めてばかりいる。そうすると、社員は疲弊し、結局短期間でやる気がなくなってしまう。これが現状の働き方改革の導入において、多くの会社が直面している状況だ。これに対し、VALUEベースで見ることが、いかにイキイキした社員を増やせるか、それこそが生産性を上げるために重要であることを強調されていた。

2. 世代差を踏まえたうえで自己を理解し、相手を理解する
生産性を上げるためには、メンバーの個性を生かすことも重要である。ただ、個性は人それぞれで、もちろん上司と部下も違う。そのため、お互い理解できない状況に陥ることがある。コミュニケーションや行動は、自分自身の認知に基づいているため、相互理解にはまずは自分自身の傾向を知ることが大切である。
そこで、物事の捉え方の傾向を把握する認知アセスメントを実施した。このアセスメントでは、承認依存度や、愛情依存度など、いくつかの項目があり、自分のそれぞれの依存度を把握することができる。例えば、承認依存度が高い人は、「自分の価値」は、「他人の価値」で測っている傾向がある。もし、自分の承認依存度が低く、部下を褒めることが少ないとする。このケースで部下の承認依存度が高いと、上手くコミュニケーションが取れないだろう。
参加された皆さんには各グループでそれぞれ自分のアセスメント結果を共有の上、ディスカッションをしていただき、他人との価値観の違いを理解していただいた。
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脇田講師によると、認知は固定化されやすいため、固定化されないように、まず自分を知り、相手を知ることが大切である、と伝えていただいた。
つまり、認知の幅を広げることによって、対応の仕方に変化が起こり、他人とコミュニケーションがうまくいくようになるのだ。
参加者のアンケートでは、「ゆるゆる、イキイキ、へとへとの職場状況をしっかりみておく必要がある」「考え方の幅を広げることができた」「個の視野を広げる必要がある」などの回答があり、研究会終了後も脇田講師への個別質問される方が多く見受けられた。
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<セッション後に脇田講師、大阪支店長川村、コーディネーターの山名&上村と>

次回大阪G研は10/18(水)に特別回「グローバルHRDフォーラム2017」を開催する。
関西を代表するグローバルカンパニー3社(日本電産、小野薬品工業、グローリー)の研修ご担当者に登壇頂き、各社の事例発表会を行う予定だ。
人事・研修企画担当者には是非、来場いただきたい。

kazukon at 17:45

G研報告(第154回)「長時間労働を削減し、若手・外国人社員のリテンションに繋げるには?」(前編)

2017年10月04日
9月21日(木)、大阪にて第154回グローバル人材育成研会を行った。
今回も大阪G研ではお馴染みの光景となった、開始前のご担当者間での名刺交換会や自己紹介、意見交換など、活発な参加型研究会となることを予感させる始まりとなった。

第一部は、今直面する2つの課題〜外国人社員&ミレニアル世代究との協働〜と題し、私がディスカッションをファシリテートさせていただいた。

まず、初めに、ダイバーシティ(多様性)の必要性について皆さんとディスカッションした。少子高齢化による労働力不足は言うまでもないが、年金の受給年齢も70歳、75歳、80歳と遅くなる可能性がある。
また労働力不足解消のために、移民の受け入れや外国人社員の採用は、今後避けられないだろう。
当然これからの社会を担っていく、ミレニアル世代の活用も不可欠になる。『移民&外国人社員』と『ミレニアル世代』、この二つのダイバーシティの活用が企業における喫緊の課題となっている。

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1. 移民&外国人社員の採用

社会や産業において、継続的にイノベーションを生み出していくためには、外国人を含めた高度人材の存在が不可欠である。ただ、外国人社員の採用も難しい上、中々定着しない。
その理由はなぜか。
まず、コミュニケーション問題である。世界中の優秀人材を採用するにあたり、日本語を話せるという必須条件は非常に大きなマイナスである。
中国や台湾・韓国には日本語の話せる人材が多いが欧米やインドなどでは非常に少ない。

その点で「社内英語公用語化」の検討も徐々に加速していく可能性はある。

また、日本特有の年功序列や終身雇用などの雇用体系の問題もある。これらは優秀であっても責任のある職務につけず、昇進や昇給が遅く、外国人社員の考えるキャリアパスとは合わないことが多い。

参加者からは、
「実際に、外国人社員がすぐにやめてしまっている」
「会社内ではこの雇用形態にそこまで不満は出ていないが、これから出る可能性が高い。また、不満がある人は海外に行ってしまった。」
「グローバル化は経営課題のひとつである。優秀な外国人が、給与体系に満足せず、来ない。日本と海外と給与制度を切り離す必要があるのでは。」
など、外国人社員採用の課題についてたくさんの意見が出た。高度経済成長期を支えてきた現在の雇用体系が、結果としてグローバル人材を雇用する上でのハンデとなっている。

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2.ミレニアル世代の特徴
ミレニアル世代とは1980年代から1990年代中盤ごろまでに生まれた、現在20歳から35歳くらいの人たちを指す。日本のミレニアル世代の特徴は、ゆるい繋がりと自分なりの成功がお金や出世よりも大切であることだ。今回の参加者の中には、1名ミレニアル世代の方がいらっしゃった。その方によると、比較的、一歩引いて考えることが多く、自分からなにかを変えようとは思わない傾向がある、と分析されていた。
また、お見せしたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグのハーバード大学卒業スピーチでは、「僕らミレニアル世代は目的を大切にしている。また、誰かがやるだろう、と考えがちなので、自分がやるという気持ちを持てるようにすることが重要だ」と述べている。

いずれ社会の中心的な役割を担う存在となるミレニアム世代と上手く付き合うための、以下3つの方法について解説させていただいた。

  • ミレニアル世代が求める上司のマインドセット:正直さ、コミュニケーション能力、親しみやすさ、自信、支援しようとする姿勢
  • 目的重視:何のために行うかなど、細かな説明が必要
  • 定期的なフィードバック:SNSなどで即座に反応を得ることに慣れているミレニアル世代の特徴を知ることによって、部下への対応は変わってくるだろう。

50代の働き方、考え方は、ミレニアル世代&外国人社員にも大きな影響を与えるということを最後にお伝えさせていただき、ソフトブレーン創業者の宋分洲氏が日本の50代についてこう語っていることをお伝えし第一部終了とした。

日本の50代は会社に固執している人が多すぎる。何もせず、ただ会社に居続けることこそ、組織にとっては裏切りになるということに気付くべき。もっと自己中心的に考えれば、世界は変わる

kazukon at 16:23
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