布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

2017年11月

G研報告(152回)100年生きる時代:ライフシフトから、 日本企業の働き方改革のヒントを探る改革に 求められるリーダーシップとは?

2017年11月17日
第152回G研(2017年8月29日(火))では、London Business SchoolのAdam Kingl氏をお招きして開催した。
London Business Schoolと言えば、『ライフシフト』著者の
リンダ・グラットン教授が教鞭をとるビジネススクールとして有名だ。

今回は、「100年生きる時代:ライフシフトから、
日本企業の働き方改革のヒントを探る改革に
求められるリーダーシップとは?」
と題し、お話しいただいた。

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人生100年時代を迎えようとしている現在、
これからの仕事はどう変わっていくのだろうか?


従来通りの労働期間の場合、リタイア後の35年間の
生計を成り立たせるのは困難
で、長く働くか、多く貯金するかしかない。
人生戦略においても、従来一般的だった
教育 → 仕事 → 老後 という
直線的な3ステージモデルは、もはや成り立たない。

相当な貯金がない限り、65歳で引退して、35年を余生として過ごすのは不可能だからだ。

そのため、これからの生き方は、直線的ではなく、
マルチステージになる必要があり、教育と仕事を繰り返すこととなる。
その際、お金などの有形資産以外に
キャリアの無形資産を作っておくことがとても重要だ。

例えば、次のような無形資産がキャリアにおいて重要だ。
 ・ 信頼できる仲間がいること
 ・ 健康でバイタリティーあふれていること
 ・ 多様性のあるネットワークを築き、自己改革を続けられること

長期間マルチステージでの就労が前提となると、
キャリアでは一つの組織での昇格よりも自己改革を絶えず続ける姿勢が重要となる。
そして、そのような時代を生きる世代に対しては、キャリアの無形資産を形成するために、
責任を与える、承認する、学ぶ、喜ぶ、など、
今までの人事施策とは異なる考え方が必要だ。

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研究会当日は、三菱商事からロンドンビジネススクールに
派遣された方にも、ご自身の経験を交えてお話しいただいた。
やはり、実際の受講者だからこそ語れる話も多く、
ご参加いただいた方々からも非常に好評だった。

今回の研究会で強く感じたのは、
今ほど海外ビジネススクールでのセッションが面白い時代は
そうそうない
のではないかということだ。
どの職業も将来あるということが保証できない時代において、
個人のキャリアをどう考えるのか、組織はどう生き残り戦略を立てるか、
を世界中の選りすぐりのビジネスパーソンと議論し合う。

想像しただけでもワクワクする世界だ。

だが、派遣直前に英語研修を少しやって行くだけでは通用しない世界だ。
素晴らしいネットワークを作るためには、
限られた時間の中で自分自身の価値を存分に表現できるようにならなければ、
「お客さん扱い」で終わってしまう。


私たちは、ビジネススクール派遣のお手伝いをさせていただいているが、
最近は、役員の方でもビジネススクールで他国から参加しているエグゼクティブと
対等以上に議論を戦わせるレベルまで英語でのディベート力と思考力を鍛えて欲しい

というオーダーも多くなってきている。準備期間は半年から1年半まであり、人材としては魅力的で優秀でも、グローバル経験の少ないエグゼクティブである場合は期間が長くなる。
そのような場合は、「キュレーション」という形で
その方の状況に合わせたプログラムをカスタムメイドして作ることが多い。
やはり、役員などの役職者は超多忙だからこそ、尊敬できるコーチやトレーナーでなければ
モチベーションも上がらず効果的なセッションを組むことができない。
学習方法にしても、「やる意味のある事、目から鱗レベル」でないとやり続けられないからだ。
そしてそこには個人差があり、コーチやトレーナーのハイレベルなスキルが求められる。

そのような役員の方々からは、
「この年になってまさかこんなに自己改革をすることになるとは思わなかった」
とも言われることもあるが、皆さん非常に努力家でものにされる方ばかりだ。
まさに人生100年時代、自らを変革し続けることが重要なのだ。

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<London Business Schoolの
テディベア>

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G研報告(149回)「時間内に/納得感ある/結論を出す」 会議をファシリテーションするスキル

2017年11月14日
第149回のG研(2017年6月16日(金)実施)は、
『働き方改革は会議改革から!「時間内に/納得感ある/結論を出す」
会議をファシリテーションするスキルとは?』
というタイトルで、福留雅彦氏をお呼びして、開催した。

私からは、
『セルフエンパワメントな生き方、セルフディパワメントな生き方』という題で、
米ギャラップ調査から見える日本人の働き方観についてお話しさせていただいた。

講師の福留氏からは、
『「時間内に/納得感ある/結論を出す」会議をファシリテーションするスキル』について、
ファシリテーション研修のデモセッションを交えてお話しいただいた。

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「働き方改革」は今年話題になったキーワードの一つだが、
最も重要なのは個々人、および組織の生産性向上だ。
今回は、組織レベルでの生産性向上の一つとして、
ファシリテーション技術について、福留氏からお話いただいた。

仕事とは「決める」→「進める(行動する)」の連鎖だ。
「進める(行動する)」スピードを高めることについては
おそらく多くの日本企業は既にこの効率化に長けている。
しかしながら、「決める」ことはどうだろうか?
一日中、社内外のミーティングに出ているが、何も決まらない、という話はよく聞く。
非効率なミーティングとは、次のアクションにつながらないものだ。

「ミーティングの何が難しいか?」
それは、進め方に気を配りながら、深く議論するためには、
参加者全員が「鳥の目」と「虫の目」を適切に使い分ける必要があることだ。

鳥の目=「目の前の状況」をいったん突き放して俯瞰する視点。
時間配分や議論の流れ等、全体像やプロセスを考えるときに重要。

虫の目=「目の前の状況に当事者として没頭する視点。
一つ一つの論点について結論を考え議論を尽くすときに重要。

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また、ミーティング・ファシリテーションで重要なのは、「論理×納得感」だ。
ミーティングの成果は、「次のアクションにつながるか」なので、
アクションを起こすため人に動いてもらわなければならない。

しかし、論理的に正しいだけでは、人は動かない。
その人が「納得した」と思わなければ、なかなか動かないものだ。

では、「納得感」をどう醸成するか?
次のアクションとして何をするか、ミーティングの結果に対する
納得感を得ることはなかなか難しい。
ただし、ミーティングのプロセスについて納得感を得ることは出来る。
つまり、「今回決まったこと自体はまだ府に落ちていないかもしれないが、
ミーティングの進め方は良かったし、議論は尽くした」という感触を持ってもらうことが
重要なのだ。

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各参加者の「役割」を理解し、時間内に/納得感のある/結論を出す」ために!

今回のデモセッションでは、グループに分かれて
ファシリテーター役、賛成、反対するキャラクター等、様々な役割の設定で
ミーティングのロールプレイ演習をご体験いただいた。

その後の振り返りでは、下記のような気づきが出ていた。

・論点を考える。目的を考えるということから始めた。
・腰が引けていると相手の「なぜ」を聞きそびれることがあった。
・ミーティングの時間配分がもう少しできていたらよかったが、なかなか難しい。

各社で働き方改革が叫ばれる中、ミーティングの進め方を見直している企業も多いと思う。
「ミーティングは30分以内」、「アジェンダは事前送付する」などのミーティングルールを
決めている会社もあるかもしれないが、それだけではなかなかうまくいかない。
ルール作りが重要なのはもちろんだが、それに加えて、
参加者一人ひとりのミーティング・ファシリテーションの技術も求められている
のだ。

福留講師のミーティング・ファシリテーター研修は、
多くの気づきが得られると同時に、今日から使える具体的なTipsも多い。

グローバル競争では、ただ単純に労働時間を減らすという「働き方改革」ではなく、
真の意味でホワイトカラーの生産性向上
が求められている。
そのためには、一人ひとりのミーティング・ファシリテーションスキルの向上が必須だ。

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G研報告(148回) キャメルヤマモト氏『新しい時代に求められる「組織能力と人材能力」をデザインし、開発するための「まだらメソッド」』

2017年11月13日
第148回のG研(5月30日(火)実施)では、
『グローバル・デジタル時代の「能力」デザイン
〜迷い続けるグローバル人材育成施策からの脱却!〜』
というタイトルで、
キャメル・ヤマモト氏をお招きした。

私からは、
『「グローバル人材育成=英語研修でしょ!」となっていませんか?迷走するグローバル人材育成から脱し、真に通用するグローバル人材・組織を作るには?』
という題でお話しさせていただいた。

私のパートについては、別の機会に書くとして、今回は、
第2部のキャメル・ヤマモト氏のパート 
『新しい時代に求められる「組織能力と人材能力」をデザインし、開発するための「まだらメソッド」』
について報告したい。

▲ャメルさんアップ (2)















多くの日本企業で、グローバル化の影響がもはや避けて通れなくなった時代において、
一つの会社の中で、
・社内序列の文化を中心とした日本的経営
・Up or Outの文化を中心とした外資的経営
が混在しており、キャメル氏はこの状況を「まだら」と呼んでいる。

この二つの考えが対立する中で重要なのは、
組織デザイン、そして鍵を握るのはリーダー人材の開発ということで、今回お話いただいた。

▼今、何が起こっているのか?

そもそも組織をデザインをする上で重要なことは、「WHY(目的)」の定義だ。
これは現在のグローバル情勢と現状の人材プールを照らし合わせながらそのギャップは何か?を考えていくことだ。

しかし、今の世界情勢を見ると、
「デジタル化」「ミレニアル化」「グローバル化」などに代表されるように、
今までの社会の通念が破壊され、激動の社会を迎えている。
そのため、「これが正解!」という組織デザインが難しい

このような中、日本企業では様々なレベルでの日系/外資系のまだらが発生しており、
グローバル化/ローカル化共に不全となってしまうケースや、
買収後の統合問題など、様々な諸問題が噴出しているのが実情だ。
 
この時、重要なのは、「企業ごとにどんなまだらになっているか」を理解し、
・問題だったらどう変えるか?
・強みはどう残し、生かすか? 
・施策はどうするか?
を考えなければいけない、とキャメル氏は説く。

これについては、多くの参加者から以下のような声があり、大反響であった。
・「一言で『企業のグローバル化』といっても、さまざまなケースがあることを改めてよく理解できた」
・「日本的経営か外資的経営か、どちらかしかないと思ってたので参考になった」

▼では日本企業はどう生き残るか?


組織ごとの状況をよく分析すると同時に、
「日本企業本来の強みを生かしながら、同時に変化に柔軟に適応する組織」を目指すことが重要だ。

各社ごとに「まだら模様」は異なっている。そのため、目指す人材組織は各社によって異なる。だからこそ、自社にとっての「日本企業本来の強み」とは何か?自社にとって「変化に柔軟に適応する」とはどういう意味か?を自問しなければならない。

今回のお話で私が印象的だったのは、リーダーに求められる下記の2つの力だ。

・「秩序をDEFINEする力」=変化する情勢にあわせて秩序を書き換えていく力
・“Precise Abstraction(正確な抽象化)”=混沌とした秩序を「コンセプト化」することができる力


混沌とした激動のVUCA時代においては、自らが意思をもって道を切り開いていくことが大切で、道を切り開くためには「自分の思考と言葉で世界を秩序づけていく」ことが
重要だと改めて感じた会であった。

3人最後
kazukon at 15:08
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