布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

G研報告:『40代からのキャリア開発』&『まるドメ社員』をグローバル人材に育成する方法と隠れた目的

2015年04月30日
先週第112回 G研、「どうする? 『40代からのキャリア開発』縦・横・センター軸で
キャリアを自立的に切り開く方法
」を開催した。

■第一部では、私より、「『まるドメ社員』をグローバル人材に育成する具体的施策」と題して、
グローバル人材育成プログラムのご紹介、ならびに実際にプログラムをご経験されたジヤトコ株式会社 米山信行様より選抜研修に選ばれた際の期待・戸惑い、そして決意・実行の思いをお話いただいた。

社長2 全体写真

今回のテーマである、「40代まるドメ社員(まるでDomestic、すなわち国内でしか通用しない人)」グローバル人材に育成するのは可能か?」という問いは、経営者や人材育成ご担当者様から最も多く聞かれる質問だ。
これは、「グローバル人材は外部からの採用」だけでは課題が解決しなかったことへの反動もある。
ドメスティック文化の強い企業に外資からの人材を取り込んでも、ネガティブな化学反応が起きてリテンションがうまくいかなかったりするのは当然である。

育成は可能か?への答えは、もちろんYesである。また、企業としては有能人材のグローバル人材化を組織のグローバル化へつなげたいという隠れた目的がある。
なぜなら各部内の有能で尊敬されているまるドメ派の意識改革プラスグローバルスキルの実装こそが、周囲に健全な危機感を与えアンチグローバル派の意識変革を促し、グローバルな組織開発へ繋がる からだ。

もちろん今までドメスティック1本で仕事をしてきた社員をグローバル人材に育成するには時間がかかる。しかし「正しく行う」×「継続する」することで、グローバル人材は確実に育てることが出来る。

「正しく行う」とは、人材定義、人選(トップ級の選抜)、研修機関(国内外)、講師を厳選することであり、「継続する」とは、場当たり的にいろいろ試すのではなく、質の高いプログラムに改善を重ねることである。

実際グローバル人材育成に成功している企業の特徴として、「選抜型グローバル研修」を実施し、社内のグローバル人材のプールを確実に増やしているケースが多い。

「選抜型グローバル研修」とは、グローバル人材に必要なマインドセット・スキルセットを月に1泊2日×11回(1年間)で学び、最終日には研修の集大成として、役員や幹部層の前で事業戦略やグローバルビジネス拡大について発表するプログラムである。

今回は実際に2009年に「選抜型グローバル研修」に参加された、ジヤトコ株式会社の米山様にそのご経験談をお話いただいた。ジヤトコ株式会社様では、この「選抜グローバル研修」を2004年から実施いただいている。

米山様米山様2

下記が米山様との対談内容である。

Q:選抜された時の気持ちは?
A:ある日、上司に声をかけられ、今年は選抜研修に参加するようにと言われた。その年は16名が選抜されたが、正直なところ、この選抜研修は社内でもよく知られていたため、「遂にきたか!」と思う反面、「自分で大丈夫か?、そして1年間頑張れるのか?」と不安な気持ちもあった。しかし、もしグローバル人材のスキル・マインドを手にいれたら、世の中がもっと面白くなるのではないかと思い、この1年は頑張ろうと決意した。

Q:参加されてからどのようにマインド・スキル変わったか?
A:このグローバル研修は「自分の知らない世界を教えてくれた研修」だった。知らないと想像すら出来ない様々な考え方・スキルを毎回学び、自分の幅が広がった。このスキルを使うと相手に影響力が持てるや、あのスキルを使うと部下が自分の話をよく聞いてくれるなど、シチュエーション毎に自分の引出し(スキル)を使いこなせるようになり、人生が楽しくなった。
現在では、米山様はグローバル研修で習得したスキル・マインドを駆使し、グローバル市場を戦略的に考える部門で韓国、中国、アメリカ、フランスなど様々な国籍の方と仕事されている。

業務と両立し、1年間グローバル研修に参加することは容易ではない。しかし、その期間のみはスキマ時間も全て使い、英語に励み、グローバル人材になると腹決めした人材には、その人にしか見えない世界が広がることは確かである。

■第二部では、斧出吉隆講師より、「40代からのキャリア開発」として、環境変化も激しく、ポスト不足である状況で、40代からどう自分らしく輝けるキャリア開発を行っていくのか、アセスメントやワークを交えながら、セッションをご体験いただいた。

斧出さんディスカッション2

キャリア開発には2つの重要な視点がある。

1.キャリアの扉は1人では開けることは出来ない
ほとんどの場合、その扉を開くのは上司であることが多く、どうすれば上司を自分のキャリア開発に巻き込むことができるのかが大切である。

2.キャリア開発できる能力と価値観を理解する
扉が開いた後にキャリアを切り開くのは自分自身であるため、そのためには切り開くための武器(スキル)がいる。

では、キャリアを切り開くにはどんなスキルが必要か?下記の5つの要素が必要となる。

・リーダーシップ(他者を巻き込む影響力)
・ビジョン(自分自身のアンビション・目標)を描く力
・コミュニケーション力で他者を巻き込む力
・物事をクリティカルに検証し戦略的に考える力
・自分のパッションを伝える力


自分の現状を把握し、上司を巻き込んで強み・弱みを客観的に理解することは容易ではない。では、どうすればよいか?今回は、研修で実際に使用する「リーダーシップ行動スキルアセスメント」を実施し、皆様にも体験いただいた。下記が皆様からの感想である。

アセスメントディスカッション

・このアセスメントは本人及び上司が強制分布(例:1点は2つ以上、5点は3つ以上など)を用いて記入するため、自己認識は出来ていると思っているが、上司との認識が違う面があったり、自分自身が見えていない点を気づくことができる。

・アセスメント後に上司との面談を実施し具体的なアドバイスがもらえるため、自分自身への期待、取るべき行動の共通認識を作りやすく、次へのステップを明確にすることが出来る。

・上司目線では、経験も自信もあるベテラン社員へ、アドバイスをするのは難易度が高いが、このツールを使えば8割がた自分で気づくことが出来るので、あとは引き出し型のコーチングで関われば良く、お互いの認識合わせの時間を他の時間に使うことが出来る。また、プレッシャーも低くなるので、部下と関わり易くなる。

斧出講師が言っていたように、40代のボリュームゾーンでは、ポストにも限りがあるため縦だけのキャリアを追うことは難しくなってきている。どんな自分になりたいたいか?、自分の強み・弱みとは何か?を、把握した上で、「横のキャリア」や「センターのキャリア」を追うことも選択肢の一つである。

横のキャリアとは、組織のニーズを満たすためにキャリアの職域を変更したりすることである。同じ職域ではあるが、より仕事の幅を広げるために職務内容を変更したり、職場環境(勤務国)が変わったりすること。

センターのキャリアとは、組織内で役職などにあるわけではないが、その専門性の深さと経験などにより組織内で一定の影響力を持つ。また、そういった個人としての存在価値を持つことである。

上司を巻き込んで「今まで気づいていなかった自分自身をより知ること」、それがカギとなりキャリア開発に繋がっていくのだと改めて感じた。

<終了後にで斧出講師とエグゼクティブ・ディレクターの福田と>
集合写真
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