布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

第122回G研報告:社内英会話レッスンの時代が終わったワケ

2016年03月11日
先日、第122回G研『社内英会話レッスンの時代は終わった!「Why、How、Whatの3ステップ方式」で組織の英語力底上げを目指す&幹部層に求められる英語での「瞬発力」と「決断力」』を開催した。

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■第1部では、私より「社内英会話レッスン」の投資効果について多くの企業が疑問視し、再考に入っている背景について私見を述べた。
当然英会話レッスン自体が悪い訳ではない。優秀な英語の先生が行うレッスンはもちろん効果的である。企業が問題にしているのは、個別の英会話レッスンではなく全体としての投資効果である。

大手企業では年間数千万単位の予算をとって英会話レッスンを実施して、数年後に受講者に継続学習をしているか、その後英語力がアップしたかの調査を行うと惨憺たる結果になっていることが明確になってきた。
「会社の指示に従ってレッスンは受けました」「忙しい中頑張りましたのでもうその件は勘弁してください」といった反応があまりにも多いのでは再考せざるをえないということだ。

それではどうすればいいのだろうか?
これはそんなに難しいことではない。
「明確な動機づけを行う、英語ができないことの危機感を持ってもらう」+「具体的で現実的でコストのかからない効果的な学習法を伝授する」+「会社が本気でサポートする継続の仕組みづくり」をサポートする3ステップ方式をご紹介した。

ここで「なぜ英語を身につけなければいけないのか?(動機付け)」について説明したい。

今企業にに求められている人材は、ローカルやグローバル関係なく活躍できるGL型(グローバルでもローカルでも活躍できる)である。会社を支えるリーダー層のGL型率が低いとグローバル市場ではアジリティ(俊敏性)と柔軟性に欠ける。
グローバル案件を手掛けられる人材がいなければどんなにキャッシュがあっても身動きが取れないし、誰かに依頼し高い手数料も払わなければならない。
自社の技術力や仕事のやり方を熟知している人材がグローバル案件をどんどん前に進める体制作りが急務のなのである。
リーダー層のGL率が低ければ、次世代リーダー層のGL型率も低くなり、その後輩たちのGL型率も低くなるという負のスパイラルにはいる。これが今企業の中に起きている現実である。
だからこれをリーダー層の GL 型率を上げて負のスパイラルを断ち切ってしまえばよいのである。

個人としてもL型に留まることはキャリア上のリスクを抱える。日本社会で日本人としか仕事をしようとしない人材は、同じ能力のグローバルで活躍できる人とエンプロイアビリティ(雇用されうる能力)的に大きく差をつけられてしまうからである。

そんなGL型人材になる上で重要な要素の一つが、今回のテーマである英語力である。

日本企業は社員の英語力に関し過去20年間曖昧な立場をとってきている。ライバルである韓国企業がTOEIC 800点を基準にする中、日本企業は横並び的に600点を基準としている。
グローバル市場で、自社の優位性を明確に訴えるためには、高い英語力と論理力、コミニュケーションのスキルセットは最低必要である。
TOEIC 600点を基準にする理由は、優秀な技術者や営業マンが長期間英語も使わず 400点しかないの に、倍の800点では設定が高すぎてやる気を失ってしまうからだ。しかし、これはあくまで社内事情であって、本来の目的とは合致していない。ASEANやEUの非英語圏のホワイトカラーも英語はあくまで基本スペックである。そもそも英語ができるかできないかという議論がない。

日本企業もせめて、この現実に立ち返りTOEIC 600点はあくまで通過点であり、ここで無罪放免にしてしまってはグローバル市場で勝っていけないことをちゃんと幹部層に伝えるべきである。
評価制度にも入れるべきである。もう日本は高度経済成長期でもなく、若年労働者が有り余るほどいるわけでもなく、1人の年金を40名で支えているわけではないのだ。
経営環境は激変しているのだから日本企業はこの曖昧さに関しそろそろ終止符を打つべきであり、社員に間違ったメッセージを送ることを即刻やめるべきだ。

英語を使える人とそうでない人の間に生じる機会格差(English Divide)についても新たな展開になってきている。
一例をあげるとEnglish DevideはMOOC Devideにつながっていくということだ。
無料あるいは低価格の学習ツールであるMOOCは世界の低賃金高能力人材の大好物である。
先進国のトップスクールでしか学べなかった内容をそのまま携帯ツールで隙間時間を使って学べてしまうのであるからその破壊力は絶大である。
MOOCはコンテンツのレベルも高く一定の英語力がないと活かせない。
つまり、英語が出来ないということはEnglish DeviveにもMOOC Devideにもさらされるということを意味するのである。ゆえに、私は英語が出来ないという課題を問題視しているのである。

この現象に伴い、各企業が取り入れているゆるい社内英会話レッスンの位置づけを再考する必要がでてきたのである。企業の本音としては、これだけ優良な低コストコンテンツがネット上にあるのであれば、それらを自腹あるいは企業も少しは負担するが、社員を自律的にリーダーシップもコミニケーション力も英語力も学んでほしい、ということである。だがそれは理想論であって、年功序列終身雇用文化の企業では社員の危機感は乏しくそんなことを期待しても何も起きない。だからその前にやることがある。そこに行くまでの仕組みづくりである。
それが今回ご紹介した「動機づけ」+「効果的な学習法」+「継続の仕組みづくり」をサポートする3ステップ方式である。

例えば、週1回の社内英会話レッスンを一定期間週1回ペースで実施したとしても、1年後に学習を継続していないケースが圧倒的に多い。なぜなら自身の危機感ではなく義務感で「形式的に出席したレッスン」であるから、定着はおろか継続性は当然見込めないのである。目的が達成されない投資をやめ、投資効果の見込める「英語学習を継続し、ものにするための仕組づくり」をしていく必要性を強く訴えたい。

私が講師として展開している「パーソナル・グローバリゼーションセミナー(自己責任で自分をグローバル化しましょう)」でも、年功序列と終身雇用で守られた日本人のホワイトカラーはこの「MOOCの破壊力を警戒しましょう、皆さんもこれからは給料の安い優秀な人材とポジション争いをすることの準備を始めましょう」と訴えている。
大手企業の40代以上は、MOOCを使っているどころかその存在を知らない人さえいるのはとてももったいないことである。代表的なTEDであれば日本語で翻訳されているものも多く、英語が苦手であってもすぐに始められるのである。このような質の高い学習サイトを見ているうちに、だんだんと自分も翻訳を見なくてもわかるように英語勉強しようという気持ちになってくるものである。
変化の著しいグローバル市場で闘っていくためには英語学習は不可欠であり、通勤時間を活用してTEDを聴く習慣をつけるなど、日頃から意識を持つことが重要だ。


上記を踏まえた上で、次にGL型人材になるための一つのエッセンスである英語学習の「方法」について当社専務取締役の福田聡子より「右脳型英語学習法」のポイントをご紹介した。
長くなりすぎてしまったので続きは次回のブログにて。
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