布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

新入社員

G研報告:「もうイマドキの新人は!とは言わせない!若手がやる気を出すコツをつかむための相手軸での思考力強化」

2015年12月22日
先週、第120回グローバル人材育成研究会「もうイマドキの新人は!とは言わせない!若手がやる気を出すコツをつかむための相手軸での思考力強化」を開催した。

■第一部■
私より、2016年のグローバル人材育成のトレンドとして以下3点をお伝えした。

1.グローバル人材育成が新しいステージに!キーワードは「選抜」「グローバルリソース」
2.国内マーケットでも勝てるリーダー人材育成の強化
3.タレントマネジメントのためのアセスメントの選別


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今回ご参加いただい皆様が、特に興味を持っていらっしゃったのが、1.の「選抜グローバル人材育成プログラム」である。グローバル人材を育成するために月1回、1泊2日や2泊3日の研修を6回〜11回行い、グローバルマインド、コミュニケーションスキル、リーダーシップ、経営フレームワークなど8割方英語で学ぶ内容になっている。導入企業から高い評価を頂いているプログラムである。通常、参加者の英語力はバラバラであり、TOEIC400点台〜990点までということもある。

「人材開発」のみならず 「組織開発」としても効果があるこのプログラムは、特に非グローバルのリーダー人材をグローバルに変えていくことで組織を激変させていく。自分の上のリーダー層がグローバル人材化すれば、次世代もグローバル人材化せざるを得ない。良い意味で逃げ場がなくなる。この連鎖が組織をグローバル化させ高利益率のグローバル企業を作るのだ。

新人や若手だけにグローバルマインドやスキルを求め中堅には及び腰の企業が多いが、優秀な若手からは失望の声が上がりつつある。
もう逃げていてはグローバル競争に完璧に取り残される。

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また、「インパクトのある講師陣 × プライドのある幹部クラスの受講生」という、本物同士がぶつかり合う研修には化学反応が生まれる。これはどの企業にも差異はない。

もちろん、急に真のリーダーは生まれないが、この「選抜グローバル人材育成プログラム」を例えば、5年継続すると100人のグローバル人材が育成されることになる。次世代リーダー候補として、常に人材をプールしておくことは、強い組織を作り続ける上で重要である。

次回、2016年1月28日(木)のG研では、この「選抜グローバル人材育成プログラム」を取り上げ、事例を交えてより詳しくお伝えする。終了後には、新年会も開催するので、是非、お越しいただきたい。

◆詳しい内容はこちら◆
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_121.html


■第二部■
竹枝正樹講師より近年の新人・若手社員の特徴、相手軸で「考える」とは何か、また仕事の基本である5W2Hを意識して業務に取り組む大切さなどをご説明差し上げた。まずは、冒頭でご参加いただいた皆様に近年の若手の特徴についてディスカッションいただいた。

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強み:
・素直でまじめ
・定石理解(スキル・考え方)
・仲間意識
・協力姿勢
・傾聴姿勢

弱み:
・学んでいないこと =できないこと・しなくていいことと理解する
・空気を読み過ぎる・行動することから始められない
・相手視点
・考え抜く
・当事者意識

上記の強みを活かしながら、より弱みを強化していくためには、特に「相手軸」で「考える」ことが重要である。もちろん相手軸で考えると「正解」は、相手の数だけある。“FOR ME”(自分が思ったとおりやればよい、習ったとおりやればよい)だけで行動するのではなく、“FOR YOU”(相手がどう感じるか、どうしてほしいか)をしっかり認識した上で、“FOR US”の行動をとることが求められる。

当日は、身近な事例として最近の若手社員の方々がとった行動の中で、「どうなんだろう?」と言われてしまった下記事例をご参加いただいた皆さんにお考えいただいた。

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1.電車が遅れて、研修に遅刻してしまうことが分かった。10分位の遅刻なので、どうしようかと悩んだ。
2.部内の事務担当の方へ水曜日までに提出の資料を「水曜日の17:59」にメールで送った。
※水曜日は、定時退社日18:00には全員退社 ※提出資料は、通勤交通費精算のための情報

新人・若手社員になぜ、その行動に問題があるのか深く「考えさせる」ためには、「相手軸」で次の2種類の「問いを立てる」ことが必要となる。
 
,修旅堝阿話(何)のために必要か/誰がどう思うか(ヒト)
△修旅堝阿鮃圓Δ砲浪燭必要か/それを行うと何が起きるか(コト)


これら2つを細分化することで、「考える」ことを「自分で正しく考えられる」 状態まで引き上げる。

近年の新人・若手社員の特徴を理解した上で、その要素をプログラムに落とし込むことは容易ではない。しかし、「相手視点で考え抜く」というマインドを強化させるためには、相手視点の必要性と考えるべき範囲(広さ:誰に対して・深さ:どこまで)を、何をどう考えれば相手視点かを定石として伝え、実践させることが重要となる。また、演習の解答は、答え合わせではなく、納得感のある答えをいくつも考えられる題材でディスカッションさせ、フィードバックすることも求められるだろう。

下記が今回、ご参加いただいた皆様からの感想である。

・近年の新人への接し方、教え方がよく分かり、目からウロコの内容であった。
・実践的、また体験型の演習であったので楽しみながら、そして実感しつつ学ぶことが出来た。
・新人社員の現状、特性を踏まえて、よく考えられているプログラム&内容だと思った。
・新人研修で失敗の経験をさせるというのは大事だと思った。研修の組み立て方が参考になった。

竹枝講師の研修をオブザーブし、改めて「考える」とは、何か、「相手軸」で問を立てる大切さを感じた1日であった。

<終了後に竹枝講師と弊社エグゼクティブ・ディレクターの福田と一緒に>
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kazukon at 10:42

もう「イマドキの新入社員は!」とは言わせない!若手がやる気を出す「コツ」を掴むための「相手軸」での思考力強化とは?

2015年12月07日
近年の新入社員・若手社員の傾向として、多くの材育成ご担当者から、
「自分で考えない」、「目標意識や向上心があまりない」、「常に正解探しをする」、
「直ぐにマニュアルを欲しがる」、「無駄な努力はしたくない」
、などのご相談をいただく。

情報社会で育った今の若手社員が一番望むのは、円滑な人間関係と言われており、SNSにより増えすぎてしまった彼らの友人関係は、顔見知りから腹を割って話せる親友まで、全てネットの中に収斂されている場合が多いと言われている。

また、溢れる情報の中、直ぐにインターネットで検索すれば、知りたい情報が入手できる環境で育ったため、物知りではあるものの「考える力」が今まで以上に低下していることが懸念されている。

12/14(月)第120回グローバル人材育成研究会(G研)では、今の若手社員の特徴である「円滑な人間関係を好む」というスタイルは活かしながら、より相手の立場になって(相手軸=FOR YOU)で「考える」ことにより、相手のための行動が、最終的には自分の為にもなり、結果としてFOR USの状態を作りだす竹枝正樹講師の研修内容をご紹介する。

▼お申込は、こちらから▼
https://www.globaledu-j.com/inquiry/apply-g.html

そもそも「考える」とは、何なのか?

「考える」ことを細分化し、「考える」ことを「自分の頭で正しく考えられる」状態まで引き上げる内容だ。そして、物事には相手の数だけ「正解」があることを様々なケースを通して体験することが出来る。

是非、新入社員及び若手社員の「思考力強化」の研修企画・立案にお役立ていただければ幸いである。

また、私のパートでは皆さんとのディスカッションを通して、2016年のグローバル人材育成トレンドについて下記内容で考える回を予定している。

・社員に寄り添う戦略的なアドバイザーとしての「人事ビジネスパートナー(HRBP)」が求められる
・データベースを駆使し、タレントマネジメントを定着させる動きが加速する
・グローバル化に伴い「選抜グローバル人材育成」の二―ズが、今まで以上に高まる
・「階層別の多様な研修体制の構築」及びグローバル人材育成のニーズの「個別化」が加速する


是非、この2015年を締めくくる今年最後のG研で、多くのご担当者様と意見交換できることを楽しみにしている。

kazukon at 09:39

茹で上がってしまったら終わり

2015年07月19日
Meiji

先日明治大学アイセックの大学生と「グローバル人材の要素」について2時間ほどセッションを持った。企業の新入社員から役員とのセッションはかなりやっているが、学生とのセッションの機会は少ないので自分にとっても勉強である。

アイセックは国際交流団体なので、今回の参加者も全員海外でのインターン経験者、あるいはこれから経験する。そういう意味ではグローバリゼーションへの興味と意識は普通の学生よりは高いし、健全な危機感を持っている。これは以前セッションを持った早稲田大学アイセックも同じだった。バブル期の大学生と比べるのも極端すぎるが、傲慢さもお気楽さもなく現実を冷静に見ている。
その一方今を楽しんでいるだけで意識の低い学生も多いとも感じているようだ。

日本の若者に関して、私が気にしているのは米国に集まる多国籍の学生に比較するとおとなしく、明確なビジョンはあまり持たないし、価値観の幅があまり広くないことである。
仕事で米国の大学院生などと交流を持つことがあるが、米国人も米国人以外の学生もアイデンティティーを感じるタイプが多い。何か目指すものを持っている。ただ大企業に入りたいというのとは少し違う。

日本の大学生と米国や新興国の若者と大きく異なるのが「みんなと同じか少し上」を目指すマインドセットの多さである。突き抜けた上を目指さず「そこそこがいいという価値観」である。
この社会主義的価値観は中高年から若者まで浸透していて、財政赤字1,300兆円の国とは相性が良くないのではないかと常々感じる。

真面目さ、勤勉さ、協調性、礼儀正しさ、他者への気遣いなどは日本人は他国に引けを取らない強みである。
ただ若者はあまり欲がないし、現状にとりあえず満足なのは「茹でガエル」的である。

そして高度経済成長期に一生懸命働き現在の安定した基盤作りに大きく貢献した団塊の世代があと10年で75歳になり、国民の負担増は未知の領域に入る。今の大学生が30歳前後になると、消費税も10%以上になり、所得税と社会保障にも貢献する。ありがたいことだが負担が重過ぎて今よりさらに節約型になるのは間違いない。すなわちお金を使いたくない人が増え景気は悪くなりネガティブなスパイラルに入る。

だが人口を増やして景気を上向きにし、個別の負担を減らすために移民を増やすという選択は国民の理解が得られないだろう。
大手企業のワークショップで移民の是非を問うと、80%以上が反対である。しかし、膨れ上がる社会保障費を誰がどう負担するのか別に代替案があるわけではない。
本来であればこういうことを考えるのが政治家であるが、票が取れないテーマであるからいまだに優先順位は低い。

今回集まった参加者は、海外インターンで日本の素晴らしさもぬるま湯的社会の危なさも見えてくるだろう。もちろん真剣に取り組めば、の条件付きである。就職活動の一環としてという姿勢では何もつかめない。
世界のリアリティを感じて、居心地の良い場所から飛び出していかない友人にもその感覚を伝えてほしい。
「茹で上がってしまったら終わり」なのだ。
kazukon at 06:52

INSEAD「我々はフランスの学校でも、シンガポールの学校でもない。グローバル・スクールである」

2014年08月20日
image一昨日ヨーロッパから帰国した。今回はEUのビジネススクール2校を訪問した。1校は先日レポートしたスペインのIESEであり、もう1校はパリにあるINSEADである。私の隣の女性はカスタムプログラム担当のDr. Benassi。
日本企業のエグゼクティブ教育などについてさまざまな意見交換をした。Dr. Benassiはまだ来日経験がないということであるが、G研で日本企業の人事部の方々とも意見交換をしたいと言われていたので来年には皆さんにご紹介できるよう進めていきたい。

imageimage写真左はキュービクル右はBreakout roomと呼ばれるディスカッション用の小部屋である。キャンパス内にかなりの数があり、INSEADは少人数でのディスカッションを非常に重視しているとのことだ。
INSEADは、パリから電車で30分ほどのフォンテンブローの森に隣接し、ハーバードビジネススクールの卒業生が1959年に設立した学校である。MBAは1年制であり、70カ国以上の学生が在籍しているダイバーシティ重視の学校であり、シンガポールにもキャンパスを持っている。


ただ、「我々はフランスの学校でも、シンガポールの学校でもない。グローバル・スクールである」と宣言しているように、米国系ビジネススクールに対抗して、ヨーロッパのビジネススクールという軸を持っているわけではない。

弊社では、企業の役員や幹部がビジネススクールに派遣される際のコンサルティング及びコーディネーションをサポートさせていただいているが、INSEADのエグゼクティブプログラム参加者の印象は、教授もスタッフもフレンドリー且つ参加者もバランス良く多国籍で、学びながらグローバルを体験できてよかったという意見が大多数である。

image左の写真は、キャンパス内のカフェテリア。私もランチをご馳走になったが非常においしかった。さすがフランスである。
エクゼクティブプログラムの最新の情報も持ち帰って来たのでご興味のある方は弊社までコンタクトしていただければご説明させていただける。
kazukon at 20:40

現地レポート!新入社員多国籍セッションinクアラルンプール

2014年08月04日
現在マレーシアで実施している新入社員向け研修のレポートが
コーディネーターの山名亜賀紗より届いたのでご紹介したい。

この研修は、日本、中国、韓国、ドイツ、台湾、タイの各拠点から
クアラルンプールに新入社員が集まり、
様々なケーススタディを通して、グローバル人材に必要なダイバーシティ力、
プレゼンテーション力、分析力、発言力、
また多国籍間でのチームビルディング力を鍛えるという研修内容
である。

写真 5 1

クアラルンプールが研修の実施場所として選ばれているのは、
やはりダイバーシティ新興国ならではのパワーを肌で感じることが出来るからである。

写真 1 2

クアラルンプールの町は、中国、インド、イスラム、ヨーロッパなど、
様々な文化が入り混じっており、町を歩くだけでも非常に興味深い。
言語も中国語、英語、マレー語と、色んな言葉が飛び交っている。

写真 3 image

0 写真 4

今回研修に同行したコーディネーターの山名は、
特に多国籍セッションでのチームビルディングの重要さを痛感したという。

4〜5名のチームで1週間ケーススタディを分析し、プレゼンをするので、
英語力の差、文化の違い、考え方の違いから、
チーム内で衝突が起きていたグループ
は、多かったという。
特に、英語力の高いメンバーが低いメンバーに対して不満を持ち始めるケースは多い。

もちろん、英語力を鍛えること、また課題を遂行し、素晴らしいプレゼンをすることは、
研修の目的の一つではあるが、それだけではないことを忘れてはいけない。
多国籍間でチームとして1つの目標に向かい、
メンバー1人ひとりがアサーティブに自分の意見を伝えながらも互いに協力すること、
そして、そのチームワークをしっかりと結果に繋げることがより重要である。


英語が苦手だから自分は貢献できない」と主張している受講者は、
その他の研修でもよく見かけるが、その考え方は間違いだ。
英語が苦手でありながらも、一生懸命チームとコミュニケーションをとり、
他のメンバーからも信頼を得ていた
受講者はたくさんいた。
また、他のメンバー以上に時間をかけてケースを分析し、
翌日のディスカッションに備えいる受講者もいた。
分からない単語、聞き取れないフレーズがあれば、チームメンバーに助けを求めるなど、自分ひとりですべてを解決し悩む必要はない。
チームを良くするために自分自身が出来ることはたくさんあるのだ。

メンバー1人ひとりのやる気、行動、マインドセットが、
Good TeamからGreat Teamへと変えるのである。
そして、互いの長所・短所を受け入れながらも、1つの目標に向かって協力し合うことで、
日本人同士、または1人では思いつかないアイディアが、
この多国籍セッションでは生まれるのである。

そんな現場を山名は経験しダイバーシティのパワーを痛感したようである。

先日もフィリピンの研修をこのブログにて紹介したが、最近アジアにおける研修企画の依頼が増えて来ている。
その背景としては、アジアビジネスの急拡大、チャイナリスクの影響がある。
現地のリソースをうまく研修に取り込むことによって、非常に効果の高い内容になることが実証されつつあるのでこれからが楽しみである。

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<コーディネーターの山名と現地のホテルスタッフと一緒に>
kazukon at 23:36

今年の新入社員と「2ー6ー2の法則」

2014年05月06日
PG20144月は新入社員向けの講師をたくさん承り、かつ経営者としての仕事もいろいろ忙しくブログに全く手がつかなかった。
ようやく落ち着いてきたのでグローバル人材育成の現場についてアップデートさせていただく。

今年の新入社員グローバルマインド研修は、600人を超える大人数のものから20名から50名くらい少人数のクラスまでいろいろ担当させていただいた。
私の場合、新入社員研修の講師はそれほど多く担当しないので、この4月に集中して行われる研修で若者との接点ができるのは、最近の若者の動向を直接つかめるという意味でとてもありがたく思っている。
ここ4-5年は、外国人社員の人数が大幅に増え、セミナーにおいても日本人の社員より中国や台湾や韓国やインドの人たちが目立つ傾向にあった。
しかし、今年は少し様子が違い、日本人の中にとても積極的に発言する人たちが増えた。
正確に言えばそれでも全体の2割程度ではある。まさに、2-6-2の法則(「優秀な人2割」「普通の人6割」「パッとしない人2割」)そのままである。
優秀な2割の人は、セミナー後に私のところに来ていろいろ質問をしてくるのでだいたいどういう感覚なのかがわかる。
彼らはかなり冷静に日本の将来について見ていて、決して楽観的ではない
2-6-2の下位の2の人達は、大手企業に入社して、親も喜び、自分自身も喜びに浸っている雰囲気であるのとは対照的だ。
どんなにIQが高くても、社会の動きに疎く自分でものを考えない人は心配である。

このブログにもよく書かせていただいているが、若者に限らず日本人全般が何となくパワーダウンしているのも気になることである。

安倍首相が、「日本を世界で最もビジネスのしやすい国にする」ということでいろいろ改革をしようとしているのは喜ばしいことだ。
国がグローバル化すれば、企業もグローバル化し、ヒトもグローバル化しなければならないのは当然だ。
国はずっと輸出立国に固執し、真のグローバル化を先送りしてきたがようやく「グローバル化の大波に沈まない国」になろうとしているのだろうか?
輸出も増やし国内グローバル化もどちらもやらなければならないと私は考える。

グローバル競争の中で必須になってきている法人税の減税や雇用改革など岩盤規制を少しずつ攻めて行っている姿勢は支持したい。

ただ、この動きに人材がついていかなければ意味がない
だから私は「グローバル人材育成」が急務だと申し上げている。

世界中から、日本にビジネスを求めてさらに多くの企業や人がやってくることになれば、国内にいるからといって日本語で日本人とだけビジネスしてるわけにはいかなくなる。

今年の新入社員が課長になる頃には、「若い頃は社員はほとんど日本人、正社員は男性がほとんどだった。グローバルは掛け声だけだった。」と新入社員に懐かしく語っているかもしれない。
もうその頃には国内でも外国人社員が半分以上いる会社も普通になっているはずだ。
いや、そんな先の話ではないかもしれないが。。

写真は4月の新人向けパーソナル・グローバリゼーションセミナーの様子
kazukon at 20:35

新入社員の海外研修の投資効果を問う

2013年10月02日
海外研修報告会
先週弊社がコーディネートを担当させていただいた82名(日本人、中国人、韓国人、マレーシア人)の新入社員が3ヶ月の海外研修を終え、帰国報告会が行われた。研修先は、米国、英国、カナダの語学学校である。1校につき3〜4名のメンバーで、語学学習に加え、アクションラーニングを取り込んだ研修だ。上記82名以外に、インドネシア人と中国人の2名は日本国内で日本語研修を行った。
報告会は8時からスタートし5時までと長丁場であったが、新人からの質問がですぎるほどの盛り上がりであった。
28組のプレゼンテーションをすべて見た感想は、ただ一言、「なかなかやるな!」である。
昨今、日本の若者は留学を嫌い国内志向が強いと言われるが、そんな心配は吹き飛んだ。
それぞれの上司も見学にいらしていたが、たった3ヶ月で堂々と英語でのプレゼンテーションをこなす新人達に驚いていた。グローバル展開を加速させているこの企業にとって、頼もしい若手の出現は喜ばしいことである。

さて、こうした新入社員の海外研修の企画運営や投資効果についてよく問われる。
そこで、よく聞かれることを以下の4点にまとめてみた

1. 海外研修は欧米で行うのが良いのか、新興国がいいのか?
2. 期間はどのくらいが妥当なのか?
3. 語学や異文化スキルを学ぶために語学学校か、現地に放り込んでサバイバルか?
4. 海外研修の投資効果とは何か?


一概にこうとは言い切れないが、一般的な想定のもとに私の答えは以下である。

1. 海外研修は欧米で行うのが良いのか、新興国がいいのか?

欧米、新興国、いずれにしても最も重要なポイントは、研修の質である。新興国に展開する企業にとっては、新興国が研修地として良いという判断もあるが、研修の質が担保されなければ無意味である。ここで言う「質」とは、教育機関の質、講師の質、プログラムの質、そして参加者の質である。
残念ながら、新興国での研修は、これらの質においてまだ低いと言わざるを得ない。したがって、答えは欧米の方が適していると考える。
ただここ数年で、新興国においても日本企業のニーズを学習し、質を高めてきているものもあるので今後が楽しみではある。

2. 期間はどのくらいが妥当なのか?

語学を習得し、ダイバーシティスキルを身に付けるには最低1年は必要と思われる。しかし、それは理想であって、現実的には3ヶ月から4ヶ月という決断をする企業が多い。上記の82人の研修期間は3ヶ月であったが、かなりの効果が見られ本人も企業側も満足度も高い。

ただし、研修効果は期間の長さに関わらず、国内での事前研修の内容によって大きく変わる。国内での事前研修で英語研修をしたり、異文化理解をするのではなく、グローバルマインドについて考え、グローバル化することの意味を理解することから始める。また、プロアクティブに研修に取り組む姿勢や、そこに必要なコミュニケーションスキルなどを学ぶものだ。
新入社員の海外研修に関して、これも良くあるご相談だが、新入社員が「学生帰り」してしまった、ということを防ぐ上でも効果的だ。また、海外では「トラブル」ばかりで、海外嫌いになったり、または英語が出来るからもうOKという勘違いが起きることもあるが、そこに対応している。
「研修に行かせるのに、事前もするのか」と反対の声が挙がることもあるが、これらがあるなしでは効果は大きく違うと強調したい。
実際に、これまで他社で海外研修を行ってきた企業において、「御社に切り替えて以来より高い成果がコンスタントに出るようになった」、というお言葉を多数の企業において頂いている。


3. 語学や異文化スキルを学ぶために語学学校か、現地に放り込んでサバイバルか?

現地に放り出して苦労させれば、自動的に言葉も文化もタフネスも身に付けてくる、というのは幻想である。100人に1人か2人はそんな人材もいるが、私の経験からすると、逆に遊んでしまうかつぶれてしまうケースが多い。
若者を甘やかすな、現地で苦労させろ、といういわゆる「サバイバル研修」は20年前から繰り返し行われてきているが、ほとんどの場合1年から2年で打ち止めになるケースが多いから要注意だ。サムスン社の同様の研修がよく引き合いにでるが、研修生の英語レベルは皆TOEIC900点以上だ。研修開始時に現地に適応できる英語力がないのに無理に送り込むのは得策ではない。
また、現地法人に預けるような場合は、英語力はもちろんのこと、コミュニケーションスキルなども十分に訓練してから送り込まないと、翌年から迷惑だから受けたくないという返答が現地法人から返ってくる例が本当に多い。

4. 海外研修の投資効果とは何か?

英語力、異文化対応力の向上や更なる自己変革意欲が高まる海外研修だが、最大の投資効果は、新入社員の帰国後にすぐに現れるわけでは無い。専門性も身に付いていない、経験も浅い新入社員に大きな仕事を任せるわけにはいかないし実際にできるわけもない。
本当の投資効果は、早ければ5〜6年後、あるいは彼らが課長や部長になった頃に現れるはずである。
私は、この仕事を25年以上やってきている。私が20年前にコーディネートした海外研修の新入社員はすでに40代である。当時の若手海外研修制度を抜けてきた人たちの中に、グローバルエリートと対等に協働できる人材が出てきている。もちろん、全員というわけではない。その時の強烈な刺激をきっかけとして、自責で英語力もグローバルスキルも自ら磨いていった人材である。
こうした人材は会社に対するロイヤリティも高い人が多い。

10年ほど前にもてはやされたグローバルビジネスはMBAを採用して彼らにやらせればいいではないか、と言う話は最近あまり聞かない。伝統的な日本企業にとって、そのようなご都合主義はあまりうまく機能しなかったからである。
結局、今頼りになっているのは、生え抜きのロイヤリティの高いグローバル化した部課長クラスなのである。
新人の海外研修の投資効果の中核はここにあることは押さえておきたい。

もう一つの投資効果としては、グローバルマインドを持った優秀な人材を採用する時のレバレッジになることである。
新入社員の海外研修制度を持つA社、持たないB社では学生側から見ると大きな差がある。
実際、新入社員の海外研修制度を持っている企業は、毎年優秀な社員の獲得に成功している。5年以上継続している企業はさらに効果が出ている。
例えば、新入社員を本社と海外拠点とのブリッジパーソンとして育成することをねらいとしたプログラムを行っている企業では、今年で5年目を迎えたが、最近は採用面談時から、「この研修プログラムに選ばれたい」という意欲あふれる学生が応募してきている、と人事ご担当者も喜ばれていた。

\犬抜きのロイヤリティの高いグローバル人材を育成できる、▲哀蹇璽丱襯咼献優垢亡悗靴動媼韻旅發こ慇犬鮑陵僂任る。
海外研修の投資効果は以上の二点であると私は考えている。

冒頭の82名の中から、5〜6年後にはきっと頭角を現してくる人材も出てきているはずだ。
どのような活躍をしているかを考えると今から楽しみである。
kazukon at 15:33

新人グローバル研修の2つのニーズとは?

2013年05月21日
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先日、某大手企業にて104名の新入社員に向けて研修を行った。

今回は、私からグローバルマインド醸成研修を2時間、弊社ディレクターの福田聡子から右脳型英語学習法を1時間、そして2クラスに別れて、1日のまとめとしてワークショップ形式の研修を1時間行った。

ここ数年こういう構成のセミナー依頼が増えているのでその背景を解説したい。

昨今の主に国内をマーケットとする企業における新人研修のニーズは大きく分けて二つある。

1 グローバルマインド研修
マーケットは国内だから、自分は技術者だからグローバルは興味がないという社員の意識を変える。

2 英語自己学習研修
英語力、特に使える英語力を、自責で学んで欲しい。もう企業としては、英会話レッスンだ、英語合宿だ、通信教育だなどの手厚いサポートをして、5年後に投資効果がほとんどなかったという結末を繰り返したくなくない。

自分で「英語をモノにしてしまう人」は急増している。なぜか?それは、TEDやオンライン英会話などフリー/安価教材の充実、英語力の重要度がアップしたなどが化学反応を起こして相乗効果が起きているからだ。

右脳型英語学習法の終了後、弊社コーディネーターが何人かの新入社員と英語学習について話す機会があった。その中には、
・「今まではTOEICなどの英語学習が主で、今回英語を学ぶ楽しさを発見できてモチベーションが上がった」
・「英語は短期間で、繰り返し行う事により、確実にものに出来るということをを学んだ」
・「これからは、マイストーリーのレパートリーを増やし、少しでも多く自分について語れる英語力をつけていきたいと思った」
などの英語学習に対しての考え方の変化が見られた。

研修最後には、1日のまとめとして3年後の自分のありたい姿を「マインドマップ」に作成に入った。
今回の新人の理解力、集中力、そして創造力には大変驚かされた。
特にクリエイティブなマインドマップが驚くほど多く、研修中の若干受け身で保守的な姿勢とは対照的で面白かった。日本の優秀若手人材の能力をどう引き出していくかが企業の重要課題である。

すなわち、それは「学校教育」や「上司の課題」でもあるのだが。。。



kazukon at 00:11

ダイバーシティー度を増す今年の新人研修

2013年04月16日
S新人

先週の金曜日に、大手メーカーで79名の新入社員に向けて、
グローバルマインド醸成研修を行った。

初めは少し静か目ではあったものの
ペアワークやディスカッションを通して、直ぐに彼らの積極性やハングリーさ
また、グローバルに対する意識の高さが見えてきた。
今年は、海外の大学を卒業している方も多く、
また、インドネシア、韓国、中国などからの外国人社員が2割を占めるなど、
例年よりもダイバーシティ度が高まっているようだ。

前年度までの企業の一般的な採用基準としては、グローバル人材と言っても、
結局日本語が流暢で、日本的な考え方を持つ偏った外国人社員を
採用する会社も多くみられたが、今年の傾向としては、
現地採用でエネルギーレベルの高くビジョン、考え方や仕事に対する情熱などを
より重視
しているようにも思えた。

また、今回の研修で私が話した殆どの外国人社員は、
当たり前のようにグローバルイングリッシュを使いこなしていたのも印象的だった。

その中でも特に印象的だったのが、インドネシア出身の新入社員だ。
彼の夢は、インドネシアでも高く評価されている日本の技術を世界に広めることとのことで、
目を輝かせながら活き活きと語ってくれた。
彼の『絶対に日本で成功する!』というハングリーさには大変感銘を受けた。

また、外国人の社員のみならず、日本の新入社員の方も
しっかりとビジョンを持っていて、会社で何を実現したいか
また具体的にどの競合企業に何年以内に売上で勝ちたいかなど、
明確なゴールを持ち未来の「自分のありたい姿」「会社のビジョン」
しっかりと理解している。

私の若い頃は、一流大学を卒業し、
一流企業に就職できれば半ば安定が約束
された訳であるが、
2013年の新入社員にはそういう形の安定はない。
そして、昨年くらいから多くの若手人材がそのことに気づき危機感を募らせている。
それは、健全であり良いことである。
逆にごく一部であるが、1960-80年代との違いをイメージできない若者もいるのは心配だ。
kazukon at 12:08

今年の新人のキャリア観

2013年04月11日
N新人

4月に入り、当社クライアントでの新入社員向けグローバルセッションがラッシュを迎えている。

先週の木曜日は大手メーカーで、グループ会社を含めた、
総勢650人の新入社員向けに講演を行った。

厳しい就職戦線を勝ち抜いてきたためか、自分自身のグローバル化に対して、
危機意識を持ち、大変ハングリーな新入社員が多い印象を受けた。
真剣な眼差しで私の話を聴き、メモも細かく取り、
休憩中にも個別に質問に来るなど大変積極的な方が多かった。

今年の新人のキャリア観は危機感に満ち溢れているというのが私の感想だ。


また、私の講演後にはグローバルに活躍している先輩社員の方々に、
プレゼンテーションをしていただき、私はファシリテーターを務めた。

グローバルビジネス前線で活躍している先輩社員の生の声を聞く事で、
新入社員にグローバルで活躍することをより身近に感じてもらい、
グローバル人材としての考え方、思い、決意、また情熱をもって
チャレンジすることの大切さ
を学んでもらうのがこの先輩社員とのセッションの目的である。

先輩社員との質疑応答では、新入社員から大変鋭い質問が出ていたのも印象的であった。
例えば、
『ビジョンを持つ事は大切だが、それを実際にはどのように現場に落とし込まれているか?
『他国と日本を差別化し、世界に日本の良さを伝えるにはどうすればよいか?
などの質問が挙げられた。

先輩社員はこれらの質問に対して、
『自分の会社に誇りを持ち、グローバル化に向けて
一人ひとりが何が出来るかを考えること
が必要』
『日本の良さを伝えるには、日本人vs 何人と考えるのではなく、
人と人との関係を築くこと
が重要』
『日本人の勤勉さ、細かさ、こだわりは世界で高く評価されているので、日本人としてのアイデンティティーをしっかり持ち「日本人はすごいな!」と思ってもらえる人材になることが大切』
といった大変貴重な意見や思いを共有していただいた。

是非、2013年度の新入社員の皆さんにも、先輩からのこの熱い思いを胸に、
日本が他国に誇れる技術力、仕事へのプライド、深い人間関係に裏打ちされた協働力を発信していける、そんなグローバル人材を目指してほしいと願う。

(写真は当日の様子)
kazukon at 13:01
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