布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

グローバル人材育成研究会(G研)

「自分には絶対英語は話せない!」というリミッティング・ビリーフを壊す異文化研修とは?

2017年07月24日
7月4日(火)に大阪にて「再考!従来異文化研修 多文化の中で成果を上げる交渉術とは?」を開催した。私のパートでは、まず初めに参加いただいた皆様と現在導入されている異文化研修の課題点についてディスカッションし、その後、異文化対応力強化のための「フィリピンでのプロジェクト遂行型プログラム」についてご紹介した。

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「フィリピンでのプロジェクト遂行型プログラム」の一番の目的は、『学生時代に英語の点数がいつも低かった、英語が苦手だったなど、心理的トラウマや失敗から「自分には絶対英語は話せない!グローバル人材になれるはずない!」と制限しているリミッティング・ビリーフ(制限を作り出す思い込み)を壊す』ということだ。

対象者は、今後、市場としてアジアを捉えており、英語が苦手で海外渡航経験の少ないエンジニア等が多く、中にはパスポートすら持っていない受講者もいる。TOEICのスコアも平均で400点台など、フィリピンやアジア圏の出張をいつも怖がっているような受講者がターゲットである。

参加者人数は14名の日本人にプラスし、4名現地フィリピン人が各チームに入り、フィールド調査や分析を行う。そして、1週間後の最終日に提案プレゼンを実施するというスケジュールだ。

では、研修を通してどのような変化があるか?
下記は、実際に参加された受講者からのコメントである。

1)英語に対する苦手意識が払しょくされる
)萋10件以上のアポイントメントの電話をかけ、英語を話すことの苦手意識がなくなった。
100人以上のフィリピン人に対して街頭でアンケートを実施したことで、人見知りが改善され、英語で話してもパニックにならなくなった。

2) グローバルでやっていくという自信とマインドの変化
 ̄儻譴之3件のアポイントメント承諾を取れたことは、グローバル人材としての大きな自信につながった。
▲廛蹈献Дトを通して、ネガティブに考えたり受け身な姿勢が改善された。

3)異文化間コミュニケーションの理解が深まる
.侫リピンの文化も日本の文化も違いはあるものの、優劣はないことに気付いた。また、フィリピンの文化が好きになった。
▲侫リピン人とプロジェクトを通じで最後は友人になり、初めて海外の友達が出来た。今でもメールでやり取りをしている。

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では、なぜこの研修からそのような変化が起きるのか?それには、大きく4つの学びがあるからである。

1)非常に優秀なフィリピン人からの学び
→同じチームであったフィリピン人メンバーは、自分たちより給料は低いにも関わらず、ビジネススキルは遥かに高く、英語も流暢であることに気づく。

2)自分自身の偏見への気づき
→海外に行ったことがなかった自分の今までの偏見に気付く。
例:ASEANの人は、仕事が出来ないだろう。日本人と違って、怠け癖があるのではないか? 等

3)フィリピンという国への将来性
→人口ピラミッドが日本と真逆であり、若者が多く、元気で明るく活気に溢れている。ホスピタリティーが高く、開放的な文化に好印象を持つ。
  
4)このような人材と一緒に働いていくイメージが湧く
→一緒にプロジェクトを行ったことで今後自分が何を強化し、どのように世界と戦っていく必要があるか明確になる。

今後、求められる異文化理解研修は、従来型の氷山モデル、低・高コンテクスト、ソクラテス式と孔子式などの内容ではなく、このプロジェクト遂行型プログラムのようにフィールドワークやケーススタディー、ロールプレイを通じての「実践してみる」スタイルへとより変化していくだろう。

後半のファリザ講師のパートについては、次回ブログでご報告させていただきたい。

kazukon at 17:23

G研報告(146回) 「人材をいきなり送り込んでいませんか? 」(前編)

2017年07月09日
4月26日(水)、「人材をいきなり送り込んでいませんか?」と題してグローバル人材育成研究会を開催した。

前半は私より「グローバル人材がプールできる企業、できない企業」をテーマにご参加者とのディスカッションを行った。

なぜ、グローバル人材が育成できないのか?
グローバル人材がプールできない企業の特徴としては、以下の7点が挙げられる。

1.「要は英語でしょ?」から始まる失敗
→ 「まるドメ人材」+「 英語力(TOEIC600)」=グローバル人材?
  「日本語での経営塾」+「英会話レッスン」=グローバル人材?
2.グローバル人材の定義が曖昧
→英語力以外にどんな能力が必要か定義されていない。
3.他社事例を必要以上に気にする
→他社とは、グローバルのフェーズや課題・状況などが同じではないため、参考になるとは限らない。
某社ご担当者は「他社事例ばっかり集まってしまって3年が経った。なんとかしないと。。」
4. グローバル人材育成が体系だっていない
→選抜から底上げまでがシームレスになっていない、さらに良くないことに数年で方針が変わってしまう。
5. 海外拠点の人材には力を入れていない
→現地スタッフの育成については何も手をつけられていない。国内の方向性が固まっていないので海外は全く二の次である。
6. 若手ばかりに研修を実施している
 →会社のコアとなる部課長層にはグローバル研修を実施していない。最近は減少傾向にあるが、若手だけのグローバル人材育成はバランスが悪い。若手からも「上司にグローバル人材がいない。ロールモデルが欲しい」という意見も多い。
7. 底上げと選抜の予算配分のバランスが悪い
 →英会話レッスンは予算配分が高くなってしまうため、本当に投資すべき人材に投資ができなくなってしまう。英会話レッスンや通信教育は前年から継続で進めやすいが、最重要投資が必要な国内で活躍している魅力的なリーダー人材のグローバル人材化の予算を奪ってしまう。もう一度優先順位をつけてゼロベースで考えてみてはどうだろうか?

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上記の特徴をお話した後、「御社でグローバル人材をプールするにあたっての課題は何か?」というテーマでディスカッションをした。今回も大手企業のご担当者に参加いただいたが、以下のように様々な課題が出た。

同じ人ばかりに白羽の矢が立つため、人材プールが増えない。
グローバル人事以外は、グローバル人材育成を対岸の火事だと思っている。
・人材を送り込んで、その人が日本へ戻ってきたときにどのような仕事を与えるか、ドメスティックな仕事を与えて辞めてしまわないか?海外へ送り込む人のキャリアパスをどう考えるかが課題。
グローバルで統一のコンピテンシーを作り、同じゴールに向かっていくのが中々難しい。
・まさに、前述の7つの特徴のような課題がある。


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どうしたら、グローバル人材プールができるか?
まずは、「グローバル人材=英語レッスン」、「グローバル人材=日本語での経営塾+英語レッスン」という発想を何とかすべきである。国内の優秀な人材を選抜し半年〜1年かけて「英語でのセッション」を実施し、ネットでの無料教材や低価格の電話レッスン等で「英語の自己学習の習慣化」を促すことだ。 「当社の国内リーダー人材は日本で大活躍していて英語ができない。しかし、彼らにもグローバルで活躍してもらわないと人材が間に合わない。そこで妥協案として出てくるのが日本語の経営塾+英会話レッスン。しかしこれはほとんど無駄な投資になる。欧米もアジアもグローバル企業においては、リーダー育成は英語で行われている。英語でケーススタディを行い、ディベートしディスカッションを行う。日本語で同じことを行い、英会話レッスンをつけたとしても1 +1にはならないのである。

日本語での経営塾を英語でのセッションに変えることで、最初は聞き取れなくても、次第に理解し、最終的に自分の意見を英語で発言することができるようになる。もちろんその期間中は1日数時間の英語の自己学習を受けていただくことになる。効果的な英語学習を行うことによって必ず必要最低限の英語力を身につけることができる。
DSC_0034そして、こうしたトレーニングを通して、L型*1のトップ層20%をGL型*2にすることから始めるのはどうだろうか?トップ層の方たちは、本気になれば、8カ月間の英語のセッションもやり切ることができる。最終プレゼンでも、「よくここまで来たな!」と、私自身感動するほどのプレゼンテーションをするまでに成長している。 

*1 Local型人材:国内で活躍している人材
*2 Global&Local型:国内外問わず、また国籍・価値観・専門性・ジェンダーなどの異なるステークホルダーとの協働において、最高のパフォーマンスを常に発揮できる人材

DSC_0035さらにグローバル人材プールができている企業では、5年間かけて国内のコア人材をGL型にするプログラムを続けて、100名のグローバル人材を作りさらにその中の上位20%をハーバードやスタンフォードなどトップ10ビジネススクールのエグゼクティブエデュケーションに派遣するなどしてグローバル人材育成を体系化している。

グローバル人材プールを作るには、2:6:2の法則の上位20%に集中的に投資をし、トップ級の講師によるトレーニングを行い、そして、残りの80%の方たちには、従来の英会話レッスンではない方法(低価格の電話レッスン等)で自己学習を促進させ、互いに学びあう英語学習カルチャーを作っていくことで底上げをする。つまり、英会話レッスンという機会創出にコストをかけるのではなく、英語を学ぶ動機付けや、学習法にコストをかけ、自発的英語学習を社内デファクトにするという発想に転換することで、組織全体を変えていく必要があるのだ。

(後編へ続く)
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G研報告145回:真の組織課題を解決する 「オーダーメイド論理的思考プログラム」のご紹介

2017年06月21日
3月16日、『真の組織課題を解決する「オーダーメイド論理的思考プログラム」』と題して、第145回「グローバル人材育成研究会」を開催した。

第一部では「自分軸のある人材とは?」をテーマに私よりお話をさせていただきながら、参加者の皆さんと「自分軸をもつ自立型人材」の育成について考えた。
冒頭、「自分軸のある人とはどんな人か?」についてディスカッションをした。
ディスカッションでは、「自分軸のある人」とは、あえて人でいうならイチローやスティーブ・ジョブスのような人、また、自分の考えを表現できる人という意見が出た。
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では、なぜイチローやスティーブ・ジョブスのような人たちは「自分軸」があるという声が挙がるのだろうか?

私は「自分軸」のある人とは、パーソナルグローバリゼーションモデル(PGモデル)の中核である「ビジョナリー・シンキング(ビジョン構想力)」「セルフエンパワーメント(自己強化力)」を両方備えていると考えている。
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この部分は、リーダーに必要な要素とも共通している。

「ビジョナリー・シンキング」とは、右脳的な発想、ひらめきがあり(ビジョナリー)、それを左脳が厳しく実現性をチェックする(シンキング)ことである。
例えば、ソフトバンク代表取締役社長の孫氏は、「最初は右脳を使って思う存分、成功のイメージをつかみますが、その次の段階では、そのイメージを実現するための具体策を左脳で翻訳していくんです。『この未来を実現するためにはどうすればいいか』と。そこからはもう、完全に論理の世界です」という。まさに、ビジョンとシンキングを両方兼ね備えている。

しかし、自分軸にはもう一つ要素が必要である。それが「セルフエンパワーメント」だ。「セルフエンパワーメント」とは高いビジョンを設定すればそれなりの障害が出現する。例えば、社内政治や競争相手や不運などがあなたを襲うかもしれない。
そんな時自分を奮い立たせ、絶え間なく自分を強化する力
である。

例えば、スティーブ・ジョブス氏は、アップルから追放された時、あまりの辛さに数カ月何もできなかったが、その後、自分が打ち込んできたことを信じ、もう一度自分を奮い立たせNeXTという会社を起業した。スティーブ・ジョブス氏は、その当時は気づかなかったが、後になって、アップルから追い出されたことは、人生でもっとも幸運な出来事だったと言っている。どれだけ辛い出来事に直面をしても、自分が信じていること、自身の核となるものを見出し、自分を奮い立たせ挑戦することで、その辛い経験は未来の強い自分へと変えていく。
スティーブ・ジョブスは言う。
「歩む道のどこかで点と点がつながると信じれば、自信をもって思うままに生きることができます。たとえ人と違う道を歩んでも、信じることが全てを変えてくれるのです。」と。

そこで、実際に参加者の方々にも皆さんがこれまで作ってきたドット(過去の経験)についてシェアをしていただいた。参加者の皆さんも、現在の自分を形作るドットをいくつか経験されており、普段、あまり話すことのないご自身のドットについて共有いただいた。
人生は過去から未来へ継続していて、自らの信念に基づいた純度の高いドットを作り続けることがいかに未来を照らしていくのかについて再認識していただいた。
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第二部では、竹枝正樹講師が登壇し、『研修で職場課題が考えられる!論理的思考研修〜1人ひとり思考性(強み・弱み)を把握し、改善できるプログラム』をご紹介いただいた。
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まず、「【考える】とは一体なにか?」という問いについて皆さんでディスカッションをしていただいた。その後、【論理的思考の基本技術】である 嶇静世鰺泙┐襦廖伸◆嶇帆箸澆鰺泙┐襦淵蹈献奪ツリー、MECE等))/「深く考える」について、演習も交えながらお話いただいた。
ここまでは、通常のロジカル・シンキングとあまり変わらないのではないか?と思われる方もいるだろう。竹枝講師の論理的思考研修は、これだけでは終わらない。

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続いて、【論理的思考研修の「違い」「実務要素」】についてお話いただいた。「真の課題」を解決するためには、研修で習得した知識を実践できなければ意味がない。竹枝氏の論理的思考研修では、研修で習得する「論理的思考の基本技術」を職場で実践をするために、いくつかの工夫がされている。

DSC_01491点目は、実際にある職場の課題に応じたシーンを用いて演習を実施すること。
2点目は、問題解決・コミュニケーション等、実務で考えてほしいポイントなど立ち位置、課題に応じてシーンを設定していること。
3点目は人材育成ご担当者(事務局)が、受講対象者に考えさせたいテーマ・課題でケースを設定していることである。
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特に、アクションラーニング型の研修では、テーマが職場に直結しているため、研修に参加しながら、セッションの間に適宜フィードバックをもらい、実際に起こっている職場の課題を受講者同士で解決するためのアクションをすることができる。

新しいスキルを職場で実践できるように体得するには、学んだことを職場で実践しながら、リアルタイムにフィードバックをいただくことが必要だ。このように、竹枝講師は研修で学んだことを現場で実践「できる」ことを重視し、「個別指導塾」、あるいは「自動車教習所」のような形で「真の組織課題」解決に向けて日々奮闘されている。



最後に、今回参加された人事の方からは下記のような感想いただいたので共有させていただきたい。
なぜ、ビジョナリーとシンキングが必要なのか、その重要性が分かった
・自分がこれまで作ってきたドットというものが「自分軸」に大きな影響があることが分かった。
・社内研修について「教習」の考え方が参考になり、自社でも考え方を取り入れたいと思った。
・論理的思考に関するチームでの研修は今後検討したい。
・論理思考のプログラムは多々あるが、実際に使えるものにしていくプロセスをとても明確に示してくださる内容でよかったです。
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後編:G研報告147回大阪開催 「どうする?!40代からのキャリア開発」

2017年06月02日
前回のブログで5月12日(金)に実施した大阪での研究会について書いたが、今回は、その後編に登壇いただいた斧出吉隆講師のパートについてご報告したい。

斧出講師は、P&Gジャパンで人事キャリアをスタートさせ、その後、ユニバーサルスタジオジャパンの組織構築をリードし、日本マクドナルドの執行役員人事本部長の経歴などを持つ講師である。グローバル企業を日本側の視点から見て、そして実際にマネジメントを行ってきた観点から、どうすれば日本人をグローバルで通用するリーダーに育成できるのかを身をもって深く理解されている方である。

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今回は、「40代からのキャリア開発」として、環境変化も激しく、ポスト不足である状況で、40代からどのように自分らしく輝けるキャリア開発を行っていくのか、アセスメントやワークを交えながら、セッションをご体験いただいた。

実際のところキャリア開発を行う際、自分一人で切り開くことは非常に難しいといえる。そして多くの場合、その扉を開けてくれるのは上司であり、その上司を上手く巻き込んで、彼らとの良い関係性築いていることが自分のキャリア開発にもつながる。

今回は、キャリア開発を行う上で重要となる「行動アセスメント」を実際に皆さんに記入いただいた。このアセスメントは、上司とのダイアローグを深め自分の強み、弱みを把握するために効果的である。

そしてこのアセスメントのもう一つの特徴は、本人及び上司が強制分布(例:1点は2つ以上、5点は3つ以上など)を用いて記入するため、自分では出来ていると思っているが、上司との認識が違う面があったり、自分自身が見えていない強化ポイントに気づくことが出来る点である。

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例えば、アセスメントの内容の一部としては、下記のような質問項目がある。

・自分の所属チームをどの様なチームにしたいのかを明確に説明できているか?
・「具体的で・計測可能・チャレンジング・期限」が明確になっている目標を設定しているか?
・キーとなるステークホルダーは誰なのか理解し、サポートしてもらえるように行動しているか?
・パフォーマンスを改善し、より価値の高い仕事ができるようにワークスキルを向上させているか?
・チームメンバーの他部門の人の話を真摯に受け止め真剣に聴いているか? など

これらの項目に本人及び上司が答え、その後、「自分の強み」、「改善ポイント」、「上司とのギャップ」などを分析し、キャリア開発に向けた具体的な行動プランを作成する。もちろん上司もそのシートにコメントやアドバイスを記載する。

斧出講師も研究会で言っていたように、40代のボリュームゾーンでは、ポストにも限りがあるため上に登るだけのキャリアを追うことは難しくなってきている。どんな自分になりたいたいか?、自分の強み・弱みとは何か?を、把握し、同時に上司を巻き込んで、自分自身のパフォーマンス(スキル)を常に向上させていくことがキャリア開発=自分の人生の満足度にも繋がるのだ。

最後に、今回参加された人事の方からは下記のような感想いただいたので共有させていただきたい。

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・当社でも40代が元気がなく風潮として社員全体のやる気が低い様に感じるので、この様な研修で組織が活性化されると良いと思った。斧出さんは講師としても魅力があり引き付けられた。

・役職なしのベテラン社員のモチベーション向上には大きな課題を感じているため、ヒントを得られた。

・演習も具体的で、またご自身の経験談からも学びが深かった。普段忙しい上司も真剣に部下の強み弱みを時間を取って考えることが出来るので、特にこのアセスメントは効果的であると思った。
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前編:147回大阪開催 「40代からのキャリア開発」&投資効果を最大化する「企業向け海外研修」

2017年05月26日
5月12日(金) 、大阪にて第147回グローバル人材育成会『「40代からのキャリア開発」&
投資効果を最大化する「企業向け海外研修」、その種類と要素とは?』
を開催した。

今回も多くの関西の企業ご担当者にお集まりいただき、改めて皆さんの積極的な参加姿勢と盛り上がりに感謝している。また皆さんからも「海外研修の全体像や課題が明確になった」や「ネットワーキングの機会としても有意義であった」とのお言葉を数多くいただけた。
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第1部は『今更聞けない!「失敗しない海外研修」の選び方・組み立て方』として私より話をすすめさせていただいた。

今回研究会に参加された企業の皆さんの目的は、
海外研修制度はあり、全体像の確認やその見直しを検討中。が約60%
これから新たに、或いは制度復活に向けた情報収集の位置づけ。が約40%
その他数社、といった分布であった。

まず海外研修に携わるにあたり、知っておきたい下記5つのポイントについて説明した。
1.日本企業の海外研修の成功と失敗の歴史
2.多様化する海外研修、どんな種類があるのか?
3.『とにかく現地に送り込め発想』の弊害
4.『国内研修』『海外研修』という枠組みからくる思考停止
5.若手海外研修の全社的位置づけと課題 若手海外研修を成功のために必要な3ポイント
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1980年代、企業の海外研修は欧米語学留学、MBA派遣とサバイバル研修などが活発に行われていたが、現在ではMBA派遣は激減、制度のみが残っているだけで何年も送っていないというような状況にある。
主な理由としては、高コスト、長期間、転職リスク、他参加者との社会人年数ミスマッチ(30代後半から40代をMBAに派遣してしまうケース)、などである。
一方2000年以降、Mini-MBA、エグゼクティブプログラム、客員研究員、新興国語学留学など、幾つかのプログラムがその目的やニーズに応じ開発され、派遣の見直しが進んでいる。

次に、多様化する海外研修をどのように選択すべきか?について皆さんと一緒に考えてみた。海外研修を検討する場合には、その検討要素として「目的」「講師の質」「教授法」「滞在方法」「価格」及び「治安」などが一般的だ。派遣先は欧米先進国新興国がある。

上記各要素については、それぞれ先進国と新興国に特長と違いがある。しかし、その目的である「Why(何を目的としているのか) 」の部分が重要であるのは言うまでもない。
一般的に、新興国は語学力底上げ、地域理解を目的とすることが多い。特に、現地で新興国のパワーを肌で感じることがポイントである。
一方、欧米先進国は、語学力だけではなく、リーダーシップ、ネットワーク、MBAフレームワークに関する学びを目的とするのが主流である。
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続いてリーダー育成において外すことのできないMBA的プログラムの違いについて説明をさせていただいた。
【エグゼクティブエデュケーション(オープン&カスタム)、エグゼクティブMBA、MBA、ミニMBA】
対象者、期間、学位有無、企業派遣/個人参加、などそれぞれ各プログラムにも違いと特長がある。
日本企業のMBA派遣が著しく減少している理由でもあるが、現在の多くの日本企業にはエグゼクティブエデュケーション、ミニMBA、またはその組み合わせなどが企業ニーズに合致しているケースが多い。

皆さんの納得感が強かったものに、サバイバル研修などにおける「数パーセントの成功を一般化しすぎる」があった。これは時代にマッチしない古い経験則の発想が影響していると考えられる。
また今回のテーマでありながら恐縮だが、『国内研修』『海外研修』という枠組みだけで考えることは、本来の目的を見失うことに繋がることが多い。『海外研修』はあくまで手段であり、その目的を果たすために国内外の有益なプログラムを活用したり、考え方に柔軟性を持たせることが重要である。
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また海外研修の投資効果を最大化するためには「1.人材育成」×「2.組織開発」×「3.採用 & リテンション」の面から考えることも必要だ。昨今多くの企業がこの 3つのポイントで投資を回収している。組織開発の側面とは、海外経験者を多く現場に入れることで周囲に影響を与え、内なるグローバル化を促すという意味である。
グローバル経験をして英語の継続学習へのモチベーションの上がった部下に対し上司が「英語より技術力だろ」と言うような不用意な言葉を投げかけ、せっかくの投資効果を下げてしまうような場面も多々ある。したがって、周囲(特に派遣者の上司)の視座も上げることマインドセットを変えることも欠かせない。もちろん、帰国後のフォローも重要であり、赴任に限らずグローバルに関わる仕事を創出したり、会社が求めるグローバル人材像(GL型人材*)を提示することも忘れてはならない。
(*Global&Local型:国内外問わず、また国籍・価値観・専門性・ジェンダーなどの異なるステークホルダーとの協働において、最高のパフォーマンスを常に発揮できる人材)

本来、海外研修の目的は英語力強化、異文化理解という狭い範囲のみで行うのではなく、リーダーシップパイプラインの各段階での取り組みと考えるべきであろう。
海外研修とは、将来のリーダー人材すなわち「GL型人材」を多く排出するためのプロセスであり仕組みだと考えるべきなのである。

第2部、後編につづく。
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再考!従来型異文化研修 〜多文化の中で成果を上げる交渉術とは?〜

2017年04月18日
2月24日(金)、『再考!従来型異文化研修〜多文化の中で成果を上げる交渉術とは?〜』
と題して、グローバル人材育成研究会を実施した。今回は、第二部のFariza講師に加え、
来日中のThe London School GroupのMartin McDonald氏も迎え、
「これからの異文化理解研修」について体感いただく場となった。

冒頭では、「現在導入されている異文化理解研修についての課題」について意見交換をしていただいた。
すると、
「外国籍のスタッフが3年ほどで辞めてしまう」
「海外売り上げ比率が高いにも関わらず、人材育成が追いついていない」
「研修の目的を受講生が腹落ちできるまで十分に共有できていない」
といった意見が出た。

これからの世の中は、MIT 10 Breakthrough Technologies 2016 にもあるように、
「免疫工学」「教えあうロボット」「ゲノム編集」など様々な技術革新が起こり、
更に急激なスピードで変化していく。
そのような状況の中、これからはどのような異文化理解研修が必要となってくるだろうか。

旧来型の異文化理解研修は、
⋄氷山モデル
⋄ハイコンテクスト・ローコンテクスト
⋄言語非言語モデル
等、内容としては基本であり面白いが、実践的なものではなかった。

これからの異文化理解研修は、
⋄実際起こりうるケースを用いてロールプレイングをしながら<実践してみる>スタイル
⋄各受講者のパフォーマンスに対する講師の細やかなフィードバック&ソリューション
⋄海外で実際に使えるネゴシエーション(部下指導などのスキルと直結)
のように、より実践的なものが求められている。

これからの異文化理解研修については、
第二部のFariza 講師のセッションで体験いただいたので、後述させていただく。

次に、来日中のThe London School GroupのMartin McDonald氏より、
『「The London School Group」から学ぶ真の異文化理解研修』についてお伝えした。

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The London School Groupの語学学校のポイントは以下の3点である。

エグゼクティブ向けとして、世界中の有名企業100社以上をクライアントに持つ。
マネージャー層のみならず、政府系機関、弁護士、医師などのプロフェッショナルから高い評価を受けている。
ビジネスパーソンのニーズに焦点を当て、「学校のロケーション」「サービス」「プログラム内容」等、細部に注意を払っており、そのクオリティーの高さと姿勢は他の語学学校とは一線を画している。


また、The London Groupでは、受講生も人種の多様性に富んでおり、
異文化に特化したスキルを体得できるコースもある。

実際にこの学校を視察された人事の方からは以下のようなコメントをいただいた。
・国内での選抜型グローバル人材育成プログラムの受講生(40代)を派遣したところ、
 英語が非常に伸びた。
・学ぶ場所の立地、雰囲気がとても良い。学ぶ場所の雰囲気は重要である。
・受講生のスキルセットを細かくレポートしてくれるので、人事としてとても安心。
・イギリスの学校の方が、アメリカよりも多様性があって良い。


このように、The London Groupは人事としてもフォローがしやすく、受講生も各国のビジネスパーソンと学びながら英語だけでなくグローバルビジネススキルも体得できる学校である。


第二部では、
『赴任先での異文化理解不足が自社のビジネスチャンスを奪う!
〜日本人が海外でも成功するための異文化協働の秘訣〜』

と題して、当社パートナー講師であるFariza Abidova氏による研修を体験いただいた。

Fariza講師はウズベキスタン出身で7か国語を操るマルチリンガルである。日本の大学在学中に、異文化理解と異文化理解の不足による機会損失について関心をもち、大学時代からこれまで異文化理解についての研究をされている。Fariza講師は、研修講師だけでなく、ドイツ人、イタリア人 アメリカ人等様々な文化背景の方々とビジネスを立ち上げ、実際にビジネスをしているビジネスパーソンでもある。
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Fariza講師の研修の興味深い点は、海外赴任経験のある日本人マネージャー200人、及び、
日本人と何らかの協働経験がある外国人ビジネスパーソン500人にインタビュー調査を実施し、その結果から得た失敗事例や成功事例を元にケーススタディを開発し、ロールプレイング形式の実践的な研修をしている点
だ。そのため、上述したようなインプット中心の異文化理解研修ではなく、実際に起こりうるケースをもとに、受講生がその場の状況を疑似体験し、考えることができる研修となっている。
参加者とのロールプレイングの前にFariza講師が仰っていたことで印象的だったことは、
「異文化コミュニケーションには「唯一の絶対的な解」はない」ということだ。重要なのは、「自分が物事をどのように分析してソリューションを見つけるか。解決するための分析のポイントを見つけること」「“一つのソリューション“で考えてしまうことで、逆効果の結果を招いてしまう」と言う。

その後、実際にグループ毎に2つずつケーススタディによる演習を行った。

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同じケースでも、グループ毎で様々な側面での考え方があり、非常に興味深かった。そのため、参加者同士も異なる考え方から学ぶ点も大きい。更に、ケーススタディやロールプレイングを通じて実際に起こりうることを疑似体験した後に、Fariza講師よりフィードバックをいただくことで、より理解度が深まっていると実感した。

マネジメントは、日々忙しいため、異文化でのコミュニケーションについて、座ってじっくり考える時間がないのが実情だ。Fariza講師のようなロールプレイング型の研修を通じて、相手の立場になり冷静になって考えるという場は、異なる文化背景のチームメンバーを持つマネジメント、海外スタッフと仕事をしている方にとっては非常に重要である。また、Fariza講師は、英語でも日本語でも研修が可能であり、英語でロールプレイングを行うと、よりリアルにグローバルマネジメントにおいて直面する課題を体験できる。

こうした異文化研修は、日本人だけでなく多国籍のメンバーと組み合わせると更に良い。今回のG研では、参加者の中でも日本人以外の方がいらっしゃり率直な意見もいただき、お互いにとって非常に大きな学びとなった。

最後に、Fariza講師は、文化背景の異なる方とコミュニケーションで重要な点は、
「一人の個人として接すること」、いくらその人の出身国について知っていても、知っていると思わず、ゼロからスタートして個人を理解することが重要だという。これは、日本人同士との関係性でも共通する点だと感じる。

このような実践的な異文化理解研修、グローバルマネジメント研修を通じて、機会損失を少しでも回避し、日本企業が海外でも活躍し、海外の人材からも日本企業で働きたいと思ってもらえるように当社もお手伝いができればと思う。

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<終了後に、Martin氏、Fariza講師、そして当社専務の福田と>

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なぜ分かれる?「駐在しない人(マルドメ派)」と 「海外に行ったきり(浦島太郎派)」

2017年03月29日
3月9日(木)に大阪で、「グローバル人材育成はどこから手を付ける?M&A後を視野に入れた計画的な育成戦略と、あらためてその人材像を明確化する」と題して、第144回グローバル人材育成研究会(G研)を開催した。

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まず私のパートでは、事例を基に十分に事前研修を実施せずに海外赴任に行った場合、海外社員からは、下記のような厳しい声が聞こえている現状をお伝えした。

・グローバル化ではなく、 日本化を押しつけられている。
・現地顧客ニーズを理解しようとせず、 日系企業とのビジネスに偏っている。
・赴任者の言語・異文化スキルが低く、 コミュニケーションが成立しない。
・駐在者ばかりで物事が決定され、 ローカルスタッフの意見は「不満」だと捉えられる。


実は20年前でも同じような不満は海外社員から出ていた。しかし、その時代は日本の技術に優位性があり、日本人への信頼も高く、結局何とかなっていた。
ただ今では、他の国の技術も日本に追いつき、中には追い抜かされてしまっているものもすらある。そういった中で先進国でも新興国でも優秀な社員が増え続け、英語もあまり話せない、ロジカルにコミュニケーションをとらない、その上、給料は自分たちよりも高くもらっている日本人マネージャーの下で働くことに不満を感じている海外社員は非常に多い。

G研当日は、ご参加いただいた皆様に「御社での海外赴任者の課題は何か? また、どのような対策を取っているか?」というお題でディスカッションいただいた。

以下が出ていた意見である。

・行って何とかなるだろうと思い送っているが、やはり何かしらトラブルが起きているのが現状
・赴任したものの日本人コミュニティに属し、日本人の同僚とだけ基本コミュニケーションを取って仕事/生活をしている社員もいる。結局、帰国後も英語はあまり話せないまま。
・10年間赴任して日本に帰ってくると居場所がない。海外にいるときはなんでもその人に権限があったが、日本だと決定のプロセスも遅く窮屈に感じてしてしまいモチベーションが下がるいっぽう。

このような課題が出てしまう一番の理由は、GL型人材(GlobalもLocalも適応)のプールができていないため、「駐在しない人(マルドメ派=まるでドメスティック)」 「行ったきり(浦島太郎派)」 に分かれてしまう。すなわち組織として柔軟性、弾力性を欠いた動脈硬化状態となっていることが言える。

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グロール人材を育成するために、良く聞かれるのが、とりあえず昨年と同様で、予算がとりやすい英会話レッスンとTOEIC施策のみを実施している。そして、自分たちの会社にとってのグローバル人材とは?の定義が部署によって異なりコンセンサスも取れないため、結局先送りになり何も実施できていない。このような状況下から脱出する、もう決断の時が来ているのではないだろうか?

当社では、L型人材(Local型。国内OK)のトップ人材とG型人材(Global型。海外OK)の人材を
GL型(グローバルも国内もOK)に転換していき、各階層のGL型率を20%に上げることでグローバル人材のプールを作っていくことを提唱している

その研修プログラムが「選抜グローバル人材育成」であり、多くの企業からご好評いただいている。

半年から1年間の研修の間に、下記のようなスキルやマインドを醸成する。

・Who you are(あなたは何者なんだ?)
・Up or Outの世界を知る
・MBAフレームワーク&思考ツール
・ダイバーシティ イノベーション
・Comfortable → Stretch Zone
・コミュニケーションスキルセット(武器は必要)
・英語は当たり前(言い訳なし)

グローバル人材育成において、何か手を打たなければいけないが先送りになっている、そしてまた昨年と同じ施策のみやっている。そんな状況を今年こそは変え、一歩でも前に進む研修計画を一緒に考えることが出来たら幸いだ。

第2部では、Ross Moore-Fay講師が登壇し、「異文化理解を軸とした実践的&普遍的なプログラム」をご紹介いただいた。

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Ross講師は研修冒頭でこのような話をしていた。友人であるイギリス人のビジネスマンの通訳として、ある日本企業でセールスのプレゼンを行った時のこと。Rossは長く日本にいるため日本文化を深く理解しており、「この契約はとれた!」と思ったのだが、その友人は「プレゼンは大失敗だった!」とひどく落ち込んでいたらしい。理由を聞いてみると、それは、オーディエンスであった日本人の反応が悪かったからだという。彼がプレゼン中、そこに出席していた日本人はほぼ、割り込んで質問をせず、目をつぶってまるで寝ているように聞いている。相槌もなく、終了後多くの質問もでなかったらしい。イギリスでオーディエンスがこのような反応をした場合、間違いなくそのプレゼンは失敗だったと言える。

しかし、その後Rossが日本文化の特徴について説明したところ友人は理解し、結局後日、契約も無事取れたという。Rossの友人が経験したようにビジネスを行う際に相手の文化をあらかじめ理解した上でコミュニケーションをとることは非常に重要である。

ある研究結果では、文化は3つに分けることが出来ると言われてる。ダイアローグ型、リスニング型、プランニング型。

研究会当日は、参加者の皆さんに自分はどの文化に属している傾向があるかをチェックいただいた。

・半分話し、半分聞くタイプか?よく話すタイプか?ほぼ聞いているか?
・一つのことにだけ集中するタイプか?マルチタスクをよくやるか?相手の反応をみて進め方を変えるか?
・丁寧ではあるもののダイレクトに伝えるか?エモーショナルか?丁寧ではあるが直接的ではないか?
・ロジックで攻めるタイプか?エモーションで訴えるタイプか?コンフリクトを避けるタイプか?
・会話にはほぼ割り込まないか?よく割り込むか?全く割り込まないか?

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同じ国でも全員が全員、上記3つの文化のタイプに当てはまるわけではないが一般的にドイツ、アメリカ、イギリスなどはプランニング型と言われている。イタリア、ブラジルなどは、ダイアローグ型。そして、日本、ベトナム、韓国などは、リスニング型と言われている。もちろん日本人の中にもダイアローグ型やプランニング型の方もいる。しかし、ここで重要なのは、自分とビジネスをしている相手はどの文化に属しているのかその国のマップを頭の中で描いておくことである。

例えば、プランニング型の典型であるドイツ人に対してプレゼンをするとき、感情的に相手の心に訴え、こちらが多く話すというよりも、ロジカルに図形や数字を利用し、事実に基づいた説明を簡潔にするほうが受けいれられ易くなる。

ビジネスパートナーがどのような文化を持っているのか、自分の「Cultural Intelligence」を鍛えることは非常に重要である。Cultural Intelligenceを高め、相手をより深く理解することで、双方のシナジーを高めることができる。それが出来るようになることが、今後のグローバルリーダーに必要な力だろう。

<終了後にRoss、大阪支店長川村、コーディネーターの山名と>
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kazukon at 16:27

2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える(前半:ICT企業様事例)

2017年03月09日
1月20日(金)、『2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える』と題して、
グローバル人材育成研究会(以下、G研)を開催した。
最近、特に案件として多いのが「選抜人材のグローバル化」だ。今回のG研の第一部では、私から「グローバル人材育成の新しい潮流」についてお話をさせていただき、その後、弊社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいたICT企業(以下、A社)の人材育成ご担当者様に事例をお話しいただいた。

まず、「グローバル人材育成に関して、今年こそは今までのやり方を変えたいと思っていること」をテーマに、参加者の人事の方々にディスカッションをいただいた、
すると、「異なる文化の中で現地スタッフを上手くマネジメントできる人材を育てたい」「会社がM&Aをし、外国人社員数が日本人社員を上回った。日本人社員の英語力、グローバルビジネススキルを上げることが急務」「国内でも海外でも仕事ができる人材をどのように育てていくか試行錯誤している」といった様々な課題がでてきた。

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続いて私より、「グローバル人材育成の新しい潮流」についてお話した。

弊社では、企業の国内トップ級の人材をグローバル化する「選抜グローバル人材育成プログラム」を実施させていただいている。「選抜グローバル人材育成プログラム」とは、国内で活躍してきたトップ級の選抜人材を対象に、1年間かけて、グローバルリーダーの育成を行う。ワークショップの言語は英語で最終的に役員に対して英語で成果発表を行う。プログラムは各社のニーズに応じてカスタマイズされている。

「選抜グローバル人材育成プログラム」を通じて感じるのは、国内で活躍してきたトップ級の人材がグローバル化することで、組織全体が生き生きしてくるということだ。国内でトップ級の人材は、周りへの影響力がある。国内トップ級人材は元々の能力が高く、研修中の取り組み姿勢は真剣そのものであり吸収も早い。
1年間の研修後には、国内で活躍してきた「ローカル型(L型)」人材のトップ層を「国内でも、グローバルでも適応できるリーダー人材(GL型)」に育成しプールしていく。そして、部長、課長、主任の各階層の国内トップ人材20%をGL型人材にすることで、各階層トップ層の意識改革につながり、ひいては会社全体がグローバルに対応できる組織に変革する組織開発的な意味合いがある。

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弊社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいたA社に具体的な事例を発表していただいた内容の要約が以下である。

■背景
今回、ご登壇いただいたA社は、現時点でのグローバル売上比率は低いものの、将来の外部環境・経営戦略を見据え、今からグローバル人材育成を本格的に実施する必要があるという背景から、半年間のプログラムを導入いただいた。

■成果
半年間のプログラムを通じて、参加者全員が自分をグローバルリーダー化する、英語学習を習慣化し、研修終了後も自分にとって効果的な学習法を継続していく決意をしたこと。そしてグローバルで活躍できる MBAフレームワークやプロレベルのコミニケーションスキルとマインドを身に付けたこと。

■成功の秘訣は?
A社では、プログラムの中で社長からのメッセージを伝えたり、社長レターや経営方針を説明する場などでも、グローバル人材育成や同プログラムが人事企画ではなく、「会社の施策である」というメッセージを出し続けた。
そのため、受講生自体が、会社がグローバル人材育成に本気で取り組んでいることを感じてプログラムにも積極的に臨むことができた。また、受講者同士でコミュニケーションをとるためのメーリングリストを人事部が作成したり、受講生が英語学習のための「ランチ会をしたい」などといった主体的な動きをした場合は、そうした活動を実施しやすいように人事側でサポート・後押しをした。今では、「社長お墨付」のプログラムになっている。

今後は、卒業生が社内講師となる研修や、選抜グローバル育成研修の卒業生が体験を語り、講師となっていくような場、そして、本プログラムの卒業生の会を作り、定期的に情報交換をする等、本プログラムで学んだことを継続できるような仕掛けを考えているそうだ。

その後、参加者の方からも多くの質問をいただき、活発な議論の場となった。

(後編へ続く)
kazukon at 21:57

2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える(後編)

2017年02月24日
1月20日『2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える』と題して、グローバル人材育成研究会を開催した。

前編では、当社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいた某ICT企業A社様の事例についてお伝えした。後編では、当社設立当初からパートナーとして協働しており、数々の企業のグローバル人材育成プログラムを共に作り上げてきた、ジェームス・ドハティ氏より、「グローバルになりたくない人を変える方法」と題して、グローバルマインドセットについてお伝えした。


グローバル人材育成の現場で常に悩ましいのが、選抜人材でも全員が「グローバル人材になるための」自己変革にコミットしていないことである。「参加しろ!」といわれて依存的にその場にいるだけの人、コースには参加するが日々努力するわけではないので、自己変革が起きず、結局本来の目的を達成できずに終わってしまう人も少なくない。

本気でグローバル人材になるには、「人生に向かう姿勢、そして仕事に向かう姿勢=attitude」を変える必要がある。そして、常に自己鍛錬し、自分自身で動機付けをし、我慢強く目標に向かって行動し、情熱を持ち続けることが重要だ。
DSC_0673ドハティ氏のセッションでは、グループでのディスカッションを通じ、
・グローバル人材になるために、どのようにしたら自己鍛錬や自己動機付け、忍耐力やコミットメントを保ち続けることができるか
・グローバル人材になるための、自身の一番の障壁は何か
等について話し合った。

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ドハティ氏による、研修を体験した参加者からは、
・「グローバル人材」になるためのきっかけをもらえた。
・自身の改善点について、マインドセットすべきことが明確になった。
・発想の転換、視野拡大の必要性を感じた
・グローバル人財を育成していく上でのプロセス、イシューについて非常に分かりやすい話で参考になった

といった感想をいただいた。

今後も、こうした研修により、自分事として、グローバル人材になることにコミットいただき、真のグローバル人材への第一歩を踏み出していただくお手伝いをし続けていきたい。

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終了後に、パートナー講師のJames Doherty氏と専務の福田聡子と。
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ハーバードビジネススクールを3時間で理解する(後編)

2017年02月22日
「ハーバードビジネススクールを3時間で理解する(前編)」では、

・日本企業がエグゼクティブ・エデュケーションを活用するための有効な検討プロセス
・エグゼクティブ・エデュケーションとは何なのか

についてお伝えをさせていただいた。

後編では、ハーバードビジネススクールの実際のプログラムを体験された3名の体験談を伺いながら、プログラムの特徴を見ていきたい。

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【体験談 電力系 A氏/マネジメントクラス】
・General Management Program (GMP)に参加
・期間:2016年8月〜11月(4か月間)

A氏は海外駐在経験がないマネジメントクラスの方である。
次世代のリーダーとして、国際社会で通用する考え方、論理、マネジメントの仕方、
また語学を体得
するために派遣された。

このプログラムでは、世界中から集まる様々な国籍・業界の優秀なマネジメントクラス
の方々と共に暮らし、1日3件ものケースを読み、実践をしていくというものだった。
同プログラムを通じて、リーダーとして職場でムーブメントを起こす核の役割の重要性
を認識されるとともに、よく練ったプランを強い意志で実行する重要性
感じられたという。
また、職場に戻られてからは、常に「お客様は誰か」「お客様の究極の目的は何なのか」
を更に考えるようになり、仕事の取り組み方が変わったという。


【体験談◆Ь社 B氏/課長クラス】
・Program for Leadership Development (PLD)に参加
・期間:2014年12月〜2016年6月(7か月間/内、キャンパス滞在4週間)

このプログラムは中堅マネジメント層向けのプログラムである。
トータルで7か月だが、実際にHBSのキャンパスに滞在する(On-Campus)のは4週間で、
残りはインターネットを通じて生徒は各国で受講をする(Off-Campus)。
Off-Campus中は仕事の業務をしながら、HBSの講師陣によるWeb授業やコーチング、
Personal Case Study
を行う。まさに、実践をしながら学ぶプログラムだ。

このプログラムでは61ケースものケース・スタディーを読み、実践することで、
まるで自分が当事者(=社長)になった気分でリーダーシップについて学べたとB氏は言う。また、プログラム終了後、顧客と接する上で、顧客個人だけでなく、それを取り巻く顧客企業の組織文化や企業文化等よりマクロな視点で物事を考えることができるようになったようだ。


【体験談:金融 C氏/部長・支社長クラス】
・Advanced Management Program (AMP)
・期間:2015年9月〜10月(8週間)

このプログラムは上級マネジメント層向けのプログラムである。
プログラム開始に先立ち、上司、同僚、部下による360度評価が実施され、分析レポートとしてフィードバックされることで、プログラム期間中は自分の長所・短所を意識しながら取り組めたという。また、プログラム期間中も、グループごとにコーチングが実施され、
帰国後職場に戻ってリーダーとして役割を果たしていく上での課題や取り組むべき事項
についてアドバイスを受けたため、学んだことを現場でできるように意識しやすかったようだ。

Cさんはこのプログラムを通じて「部下への接し方」が大きく変わり、またリーダーシップはいろんな形があり、自分に合う形を作らないといけないということを学び、
現在は職場で奮闘しながら、自分に合うリーダーシップの在り方を探求し続けている。

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3名の発表で共通していたのが、3名とも、40か国以上の多国籍他業種の優秀なクラスメイトから受けたインパクト・刺激はとても大きかったということだ。日本ではなかなか味わえないこうした環境にいることで、日本の特異性や、自分の意見を持ち発言することの重要性を実感したという。
また、ケース・スタディーを読み込むのが大変だったということだ。

発表後は、人事担当者や、HBSのプログラム参加予定の方より多くの質問があり、非常に有意義なディスカッションとなった。

中でも、「人材育成は、ライトパーソン・ライトタイミングであることが重要だと思っているが、参加されたプログラムは、キャリアのどのタイミングで受けたらよいと思うか?」という質問が印象的だった。これは、多くの人事の方が課題に思われていることではないだろうか?

今回参加した3名は、それぞれのフェーズに合ったタイミングで受講しており、タイミング的にも良かったようだ。
3名の方のケースは非常に成功だったので一言でどんな人材に向いているかをまとめると以下になるが、部下の人数などは限定されるものではない。

・AMP(C氏)→海外現地法人の社長の経験もあるような上級マネジメント層向け
・GMP(A氏)→10人〜20人くらいのグループを率いている部課長クラス向け
・PLD(B氏)→3〜4人の部下を持ちながら大きなプロジェクトをリードするマネジメント向け

Phillipe氏からは、「ビジネスは唯一絶対の正解はないはずだというのがHBSの考えであり、価値観の違いを理解できるのがケースディスカッションである」という説明があった。
日本人は、どうしても一つの解を探そうとする傾向にあるが、ビジネスには一つの解というものはない。また、シニア幹部になると、自身の最終決断が価値観によって下される。「大事なのは自分の価値観、他人の価値観を分かっていることであり、エグゼクティブ・エデュケーションでのケース・スタディーを通じて、あの時この授業でこういう意見もあったなと思いだすことが大事」というのが印象的だった。

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最後に、今回ご参加いただいた人事の方からは
・実際にプログラム参加者と話すことで、エグゼクティブ・エデュケーションの活用方法についてより理解をすることができた。
・どのタイミングでどのポジションの人を選定すれば良いかがイメージできた。
というお声をいただいた。

ラウンドテーブルセッション終了後は、当社にてPhilippe氏、佐藤氏、今回のプログラムに参加いただいた方を交えて年末パーティーを開催した。そこでは、プログラムでは聞ききれなかった質問をそれぞれ皆さんがされ、熱く語られており、非常に良い会となった。

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今年も引き続き、少しでも多くの日本企業が、エグゼクティブ・エデュケーションを活用され、グローバルビジネスで活躍できる日本人がさらに増えるように、今後もサポートをさせていただきたい。

kazukon at 10:48
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