布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

グローバル人材育成研究会(G研)

G研報告(165回)グローバル人材の武器としてのディベート応用術 〜戦略的コミュニケーターの存在がビジネスの明暗を分ける〜

2018年05月18日
私は同席できなかったのだが、4月26日(木)に開催されたG研の様子を当社コーディネーターからの報告を基に、皆様にもお伝えしたい。

「日本人がグローバルな世界で、最も向上すべきスキルはなにか」と問われたとき、皆さんならなんと答えるだろうか。

「英語力」が思い浮かんだ方も多くいらっしゃるかもしれない。ただ、私たちは、「英語力」が多少低くとも、海外で、日本人ではないビジネスパーソンとも巧みにやりとりをする方々をたくさん拝見してきた。こういった方々が優れている点はどこにあるのか、今回はその答えとなる「ディベート力」に注目した。

4月26日(木)に、第165回G研 河原崎圭市講師による「グローバル人材の武器としてのディベート応用術〜戦略的コミュニケーターの存在がビジネスの明暗を分ける〜」を開催した。河原崎講師、「5年経った後も印象に残る講師」と称されるほど、ハイインパクト・ハイスピードな講師なのである。また、今回は日英のバイリンガルで行っていただいたが、さらに中国語でもこのセッションができるという稀有な存在である。  

「ディベートとはコミュニケーションの総合格闘技」と河原崎講師は言う。

DSC_0188

確かに、ディベートは以下のような様々なスキルを即時にしかも、同時多発的に発揮できなければならない。

・プレゼン力(相手に伝える力)
・思考力(短い時間で相手の意見を受けて考えをまとめる力)
・割込力(相手のペースに引き込まれず意見を瞬時に発する力)
・反論力(反対の意見を臆せず発する力)
・傾聴力(相手の意見に耳を傾ける力)
・理解力(相手の論点を捉え、構造で整理する力)
・質問力(必要な情報を引き出す力)
・メモ力(重要な点を整理して、メモをする力)

今回は、1対1、また、グループ対抗のディベート を参加者の方々にご体験いただいた。
DSC_0198 (1)DSC_0197

DSC_0174DSC_0175 (1)

「ディベート」、ましてや、「コミュニケーションの総合格闘技」と聞くと、相手を打ち負かすスキル、論破するスキルが最重要だと想像されるだろうか。実は、今回のG研でこんな話があったそうだ。

ある参加者から「日々の社内でのコミュニケーション、クライアントとの交渉などの場面で、ディベートが生きる要素はどの部分か?」というご質問があり、それに対する河原崎講師の答えは「聞く力」

「聞く力」は「相手が一番言いたいことはどこか、それを支えるポイントはどの部分か」と相手の理論構造を正確に分析するスキルである。どうしても相手を説得させるとき、言葉を重ねてしまう。だが、より効果的なことは、相手の論点をしっかりと見極め、そこをシャープな言葉で突くことなのだ。

また、ディベートは、スキル面だけでなく、マインド面にも大きな影響を与えることができる。指摘、アドバイスをポジティブに捉えらるようになるとも言えるだろう

ディベートでは発言に対して必ず反対の意見が出る。どうしても日本では反論が出ることはネガティブなことと捉えられがちである。ただ、義務教育のころからディベートを学ぶ海外の方々などは、自分とは違う考えを持ち、それを発言してくれる人に対して尊敬をする、という日本とは大きく違う文化を持っている。それは「よりよい結果へと導いてくれる、新たな視点、より広い視野持つ機会」と捉えているからだ。指摘をされたときに心折れてしまうのではなく、「そういう考えがあるのか!」とポジティブに捉えるマインドの醸成に繋がるのがディベートなのである。これは、どこにいようとも必要なマインドセットではなかろうか。

河原崎講師の特徴は、高密度、ハイスピードに、学んだストラクチャーを使って、どんどん実践していくセッションだ。ストラクチャーを学ぶことで、英語のレベルがあまり高くなくともプロフェッショナルなディベートをすることができ、チームで行えば、チームビルディングにもなる。また、副次的ではあるが、勝敗がつくゲームのため、参加者の闘争心に火をつけ、モチベーションを高めるきっかけづくりにもすることができる。海外を渡り歩くビジネスパーソンの新たなステップとしても、これからグローバルな世界へと足を踏みいえる人のファーストステップとしても最適なセッションと言えるのだ。

ディベート力の向上は、ロジカルかつ説得力のある発言ができるようになる、自信がつく、周囲から尊敬されるという好循環を生み出す。それが、結果としてグローバルな世界での日本人のプレゼンスを高める。刻一刻とめまぐるしく変化するグローバル社会の中で、日本のビジネスパーソンが更にはばたく鍵はディベートにあり。そこに気づかせてくれる研究会となったようだ。

kazukon at 12:46

G研報告(162回)日本で“有能”なあなたが海外でも“有能”であるために絶対に知っておくべき海外駐在の極意

2018年03月02日
2018年2月22日(木)に堀江 徹講師をお迎えして、第162回G研、
「知らないと海外で“無能”になる?!日本で“有能”なあなたが海外でも“有能”であるために絶対に知っておくべき海外駐在の極意」 を開催した。

私のパートでは、グローバルでもローカルでもプロフェッショナルとして活躍できる
「GL型人材」の育成方法
についてお話しした。

DSC_0460  DSC_0563  



DSC_0521  DSC_0524











私は、グローバル人材を論じる時、下記の3つのタイプ(無敵というのはオーバーだが)に
分けて考えている。
  L型 = Local型。国内無敵。グローバルはできれば避けたい
  G型  = Global型。海外無敵。15年海外赴任して帰国したら浦島太郎
  GL型= Global & Local型。どちらでも無敵。今まさに求められる真のリーダー人材

日本企業では長らく、L型、つまり国内で活躍している人材に英語力(TOEIC600 〜800)をつけて赴任させるということを行ってきた。しかし、そのような企業には、現地採用の社員から、
 ・グローバル化ではなく、日本化を押し付けられている
 ・現地顧客ニーズを理解しようとせず、日系企業とのビジネスに偏っている
などの厳しい声が上がっている。

そこで、最近の人材投資動向としては、
L型人材の中でもトップ層をGL型に転換して、人材プールを作る
という方向に変化してきている。
つまり、国内ビジネスでピカイチの人物に投資をして
国内でもグローバルでも無敵のGL型人材になってもらおうという投資
だ。
そうすれば、社内にグローバルビジネスが出来る人が少ないので、
海外に赴任するのは毎回同じ人、という問題はなくなる。

実際、数年で100名以上のGL型のプールに成功した企業例や、昨年からどんどんと加速しているGL型人材育成の動きについて実例を交えてご紹介した。
私は2000年に創業した当初からずっとGL型人材育成の重要性を訴えて続けている。18年前に取り組む企業は少なかったものの、10年ほど前から先進的な企業は取り入れるようになり、5年ほど前からその動きは本格化した。昨年からは待ったなしの状況という色が濃い。
人材育成は時間がかかる。今日蒔いた種が明日収穫できるものではないからこそ、腰を据えて長く投資をしていくことが重要だ。
6月のG研ではGL型人材育成の取り組みに成功している企業様に事例発表をいただく予定だ。詳細が決まり次第、ご案内したい。

第二部では、昨年12月に「漫画でわかる! 海外駐在の極意」を出版された、堀江 徹講師をお迎えして行った。堀江氏は、商社、欧米系コンサルティングファームを経て、独立された方で、「日本のグローバル化を組織人事の側面からサポートする」をライフワークに人事コンサルタントとして活躍されている。ご自身も、ロンドン、上海の他に、シンガポール、バンコクに駐在経験もあり、多国籍の上司や部下・同僚と協働されてきた非常にご経験が深いコンサルタントだ。

DSC_0572











堀江講師のプログラムは、日本と海外のマネジメントモデルの違いを軸に、レクチャー、ロールプレイ、グループワークなどを織り交ぜながら進んでいくスタイルだ。

G研当日は、採用ロールプレイを行い、履歴書を見ながら、現地採用側のマネージャーとして何をどう聞くのかディスカッションをしていただいた。現地採用は赴任の中でも大きな仕事の一つだ。人材獲得競争に負けず、よい人材を獲得するために何をどう聞いて、人物を見極めるのか?そして、応募者に自社をどう魅力的に伝えるのか?は重要な課題だ。

マーカス・バッキンガム&カート・コフマンの『まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う』という書籍の中には、下記のように書かれているという。
“People get motivated by salary, benefits, career development, etc., but most strongly motivated by direct manager's management”
〜 人は、給与や福利厚生、キャリア支援などによって動機づけされるが、最も強くモチベートされるのは直属上司のマネジメントだ。 〜

どんな人と働こうとも、自分のマネジメントスタイルで、部下や同僚のモチベーションが変わってくる。日本国内でも言えることだが、グローバルだとますます難しい。ただ、すぐには完璧なマネジメントは出来なくても、グローバルでのマネジメントスタイルの違いや、働き方観の違い、同僚一人ひとりの傾向、そして、自分の傾向などを予め知っておくことで、どんな上司や部下・同僚とも働けるように準備をすることが重要だ。

DSC_0579
kazukon at 14:41

G研報告(161回)最先端の認知科学に裏付けされた組織におけるゴール達成の秘訣を探る

2018年02月17日
2018年2月6日(火)に、久野和禎講師をお迎えして、
第161回G研、「常にゴールに向かって自走するチームを作るゴールドビジョンのメカニズムとは?〜最先端の認知科学に裏付けされた組織におけるゴール達成の秘訣を探る〜」を開催した。

DSC_0301 DSC_0332







私からは「先行きが見えない厳しい状況でもリーダーが正しく即断即決するために必要なビジョン構想力とは!?」というテーマで、特にビジョナリーシンキングについて、私の起業時の話も含めてお話した。

本ブログでも書いてきたように、VUCA時代にあっては、日本の高度経済成長期を前提とした生き方や思考では生き残るのが難しい。変化に適応しながらキャリアを考えることが重要だ。

その際に重要になるのがビジョナリーシンキングだ。
ビジョナリーシンキングを鍛えていくにあたって、重要なポイントが2つある。

1.Visualization:

  実現したい夢や世界が動画で出てくると言う人が時々いる。そしてその動画がその人にとっては、行動へのモチベーターとなる。周囲から見ると他のことを犠牲にしながら行っている努力は大変なことのように映るが、本人にとっては夢に近づいていくプロセスなので痛みと言うよりむしろ快感 なのである。これはごく一部の人に可能なことなのだろうか?自分にはそんなことが起きたことが1度もないと言う人が多くいる。しかし、自分がこれと思ったことに、5年10年20年打ち込むことができれば何かが起きる。自分の心を奪うもの、自分が本当にやりたいことを見いだす事は、居心地の良い人生を送っているとなかなか思い浮かばないものである。その場合は自分が得意なこと、他の人より優れたことをコツコツとやり続けると見えてくる場合も多い。

2.Exposure:

  Visualizationのきっかけを作るのがExposureである。多くの成功者は人生のどこかで自分に強い影響を与える人との出会いや出来事を経験している。
  Exposureとは、こういった人や出来事にさらされ強い影響を受ける、ということである。こんな人になってみたい、そしてその人と自分の実力の間が開いているほど頑張れる。フィギアスケートの羽生選手と宇野選手のような関係だ。少し努力すれば追いつくような人ではないから引っ張られる。一方「会社員はがんばってもがんばらなくてもたいして給料も変わらないし、そこそこの力でやろうよ」と言う同僚が多いと、なんとなくそういう影響も受けてしまうのが人間である。それもExposureである。
  私が45歳で起業をした時、ほとんどの人は悲観的だった。「失敗して借金が残りますよ」「10年で残っている会社は100社のうち3社ですよ」と。だが、中には真剣に話を聞いてくれて、「真のグローバル人材育成をするために」と言う私の思いに心から共感してくれ、"Just do it!"と声をかけてくれた人もいた。自分がどんな人にExposureされているか、はとても重要なのだ。

では、実際にどのように、ビジョナリーシンキングを鍛え、
常に現状を超え続け、ゴールを達成し続ける個人・組織を育成できるのだろうか?


久野講師からは、最新の認知科学に基づき、
その具体例とトレーニング方法をお話しいただいた。

DSC_0317











私たちの脳は、放っておくと現状維持を求めてしまうそうだ。
脳は様々な情報処理を行うため、今までの人生において培ってきた「思い込み」によって、処理をしやすくする。ただ、その「思い込み」自体が、現状維持の元凶だ。

皆さんも心当たりはないだろうか?
「今まではこれでうまくいっていた、この方法が一番…。」
このような思考に陥ると、現状維持になってしまう。
ただ、ビジネスにおいて現状維持は衰退だ。

では、どうしたら、現状維持から抜け出し、進化できるのだろうか?
それは、脳を錯覚させることだという。
自分の脳を「すでにビジョンは達成された」と錯覚させることで、それを現実として脳は認識するので、それに向かっていく。つまり、自分のビジョンが達成された時の状態をより鮮明に、よりリアルに思い描くことが重要だ。

久野講師は、このようなビジョンをゴールドビジョン®と呼ぶ。
これには、二つの意味があり、下記のことを指す。
・Gold Vision: 輝くビジョン
・Goaled Vision: あたかもゴールされたかのように臨場感高く感じられるようなビジョン 

当日のセッションでは、ゴールドビジョン®を実現するための
具体的なトレーニング方法も交えて行った。
最新の認知科学で明らかになった脳の働きを利用して、ゴール達成しやすくしよう、ということなので、非常に納得感も高い。

組織は常に現状維持と戦わなければならない。現状維持を脱して、次のステップにいち早く進めたものだけが残っていく。そんな世界にあっては、ぴったりのセッションだ。

DSC_0363
kazukon at 22:25

G研報告(160)ハーバードビジネススクール◆Д蝓璽澄璽轡奪彎成

2018年02月01日
2018/1/19(金)に、ハーバードビジネススクールをお招きして第160回G研を開催した。
エグゼクティブ・エデュケーションの概要についての私のパートは、こちらから

今回は、コーポレートリレーションディレクターのMr. Philippe Labrousseや、
日本リサーチ・センター長の佐藤信雄氏の他、
実際にプログラムに参加された参加者お二人のお話についてレポートしたい。

DSC_0330  DSC_0333







ハーバードビジネススクールといえば、最高峰のエグゼクティブ・エデュケーションの一つだが、時々、お客様から「ハーバードは米国中心のプログラムなのでは?」というお問い合わせをいただく。つまり、米国の事例を学ぶばかりなのではないか?という懸念だ。

しかし、そんなことは全くない
ハーバードは、リサーチセンターが世界10ヶ所にあり、グローバルベストプラクティスやグローバルでの変化を学ぶために、ケース開発やプログラム改訂を常に行っている。

参加者も、
・130ヵ国
・5000以上の企業
・75の産業 から来ている、非常にダイバーシティを感じるビジネススクールだ。

ハーバードで有名なのは、リビンググループという制度だ。
同じプログラムに参加している参加者同士で、部屋を共有する。もちろん部屋は個室なのだが、8人の参加者が共同で使うリビングルームのような部屋があり、授業前にそこでまずはケース討議を行う。その8人組をリビンググループと呼び、クラスでの授業前に、ケース討議やリーダーシップのディスカッションを行うのだ。つまり、ビジネススクールの「授業」以外にも、24時間学びの環境の中に入れる仕組みがある。 私も過去にコースに参加した際に経験があるが、クラスルームに入る直前のケース討議は、特にケースメソッドに不慣れな日本人には理解を深めるという意味で有効である。ハーバードでは、1日3つのケーススタディを行うことが多い。そのため、リビンググループの仲間はまさに同じ釜の飯を食った仲間だ。

今回の研究会では、実際のプログラムの参加者お二人にもお越しいただいて、貴重な体験をお話しいただいた。

DSC_0362 DSC_0414








お二人のお話に共通していたのは、ハーバードのプログラムがまさに参加者のtransform(変身)を促進するプログラムだということだ。お話いただいたお二人が非常に優秀であることはもちろんなのだが、エグゼクティブ・エデュケーションのプログラムに参加することで、一人の人間として、より深い魅力が増したのではないかと感じた。ハーバードのプログラムでは、リーダーシップ、特に、複雑化している社会で何が必要か、何を大切にすべきかを気づかせてくれたという。リーダーシップは人間力でもあるので、人間としての胆力や深い魅力を増すというのは非常に重要だ。

ハーバードのエグゼクティブ・エデュケーションに参加することで出会える人は、やはり非常に優秀で面白い。IQだけではなく、EQも非常に高い参加者が集まり、多様な価値観の中で揉まれる。桁外れに優秀で面白い人と同じ時間を一緒に過ごすことで、大きな刺激を受け、自分がもともと持っていた魅力を深化させるのだろう。

改めて、エグゼクティブ・エデュケーションに参加する意義を感じた研究会だった。

kazukon at 22:03

G研報告(160)ハーバードビジネススクール Д┘哀璽ティブ・エデュケーションとは?

2018年01月28日
2018/1/19(金)に、ハーバードビジネススクールをお招きして第160回G研を開催した。
コーポレートリレーションディレクターのMr. Philippe Labrousseや、
日本リサーチ・センター長の佐藤信雄氏の他、
実際にプログラムに参加された参加者お二人もお招きして、貴重なお話をいただいた。

盛りだくさんな内容の研究会だったため、2回に分けてその様子をお伝えしようと思うが、
今回は、エグゼクティブ・エデュケーションについて知っておきたい、
下記の4つのポイントをお伝えしたい。

1. エグゼクティブ・エデュケーションとは?
2. なぜ、いまエグゼクティブ・エデュケーション?
3. どういった人材を派遣すべきか?適応できる幹部をどうプールする?
4. 事前研修と事後の仕掛けの組み合わせで成功に導く

DSC_0465  DSC_0483  








1. エグゼクティブ・エデュケーションとは?

ビジネス・スクールが提供している最高峰のビジネスプログラムだ。
かなりおおざっぱな説明になってしまうが、下記が大きな特徴だ。

◆ MBAとは違い、学位は授与されない
◆ 最短で3日間程度、最長で2ヶ月ほどのプログラム
◆ 企業独自のプログラムを組むこともあれば(カスタム)、世界中の様々な企業から派遣される人と一緒に学ぶプログラムもある(オープンエンロールメントプログラム)
◆ オープンエンロールメントプログラムの場合、個人で参加する人もいるが、会社派遣で選抜されて参加する人が圧倒的に多い
◆ オープンエンロールメントでは、大きく分けて3つほどの階層別のプログラムに分かれていることが多く、キャリアのどの段階にいるかによって、参加すべきプログラムが変わってくる。例えば、1プレイヤーからリーダーになるためのプログラムや、10年間P/L責任を持ってある事業を牽引してきたリーダーが、全社を俯瞰的に見てリードできるようになるためのプログラム、などだ。
◆ ビジネススクールの中でも実力トップの教授が集まっている場合がほとんどで、世界中で人気教授の引き抜き合戦が行われている

2. なぜエグゼクティブ・エデュケーションが注目されているのか?

エグゼクティブ・エデュケーションは、間違いなくグローバルリーダー育成の場として最高峰の場である。世界トップの教授とグローバル各社のトップタレントが意見を戦わせ、自分自身のリーダーシップを見つめ直す。このプログラムを自社のサクセッションプラン(後継者育成)の一部として組み込むグローバル企業は非常に多い。また、国境を越えたM&Aが増加していることもあり、PMI(合併後の統合)をリードできる人材は世界的にも枯渇気味だ。そのようなポテンシャルのある人材に投資するグローバル企業は多い。

日本では未だに、日本語での経営塾を行い、グローバル対応が必要な社員には、それに加えて英語レッスンを個別でつける、ということを行っている企業もある。しかし、そのような日本語での経営塾は機能不全に陥っていると言わざるを得ない。VUCAワールドでビジネススピードが格段に速まり、最新情報は英語で発信されているにも関わらず、日本語だけで閉じた世界で、グローバルビジネスをけん引する人材が育成できるのだろうか?

DSC_0296 DSC_0313








3.どういった人材を派遣すべきか?適応できる幹部をどうプールする?

言わずもがな、自社の次世代を担う人材を階層ごとに派遣すべきだ。
ビジネススクールは階層ごとにいくつかのプログラムに分かれている。キャリアのどの段階にいるかによって、それぞれにプログラムのゴールや内容が異なるため、派遣人材とプログラムゴールのマッチ度が重要である。ただ、どのレベルのプログラムに派遣するにしろ、日本企業に共通した課題というのは、このようなエグゼクティブ・エデュケーションに適応できる幹部輩出が出来ていないというものだ。先に述べたような日本語での経営塾や、英会話レッスンを通じてグローバル人材育成を行ってきた時代が長く、残念ながら、自社のビジネス戦略にマッチする長期的人材戦略が欠如している企業が多い。ここに来て、この問題が表面化しているのだ。

この問題に対するソリューションは、ただ一つ、まるドメ派(まるでドメスティック)のAクラス人材に腹をくくってもらい、1年間かけてグローバル人材に変身してもらうことだ。グローバルビジネス、および海外ビジネススクールのエグゼクティブ・エデュケーションに必要なスキルは多岐に及ぶ。インプレッションマネジメントやアサーティブネス、プレゼン、ファシリテーションスキルなど様々だ。それらのスキルを英語で学び、実践できるまで身につけてもらうような研修を行うのだ。そうして、エグゼクティブ・エデュケーションに適応できるような人材をプールし、その中から最適な人材を最適なタイミングで派遣する。そうすることによって、投資効果を最大化するのだ。

4.事前研修と事後の仕掛けの組み合わせで成功に導く

派遣者が決まれば、エグゼクティブ・エデュケーションで成果を残せるように事前準備を行う。アセスメントやカウンセリングを通じて、その派遣者がプログラム前に身につけるべきスキルやフレームワークを洗い出す。たいてい、このようなプログラムで選ばれる派遣者は、現業で非常に忙しい優秀な人材だ。そのような人材の時間を最大限有効に活用できるよう、凝縮された内容で事前準備を行う場合もあれば、英語自体の底上げが必要で、1-2年間かけて語学力の向上から事前準備を行う場合もある。

当社では、エグゼクティブ・エデュケーション派遣を「単なる派遣」に留めず、サクセッションプランの一部として位置づけ、各社の状況に応じたトータルソリューションを提供している。説明会やアセスメント、個人コーチングや事前研修(国内外含む)、派遣者のモチベーション維持、そしてそれらのトータルマネジメントやスキーム作りまで行っている。そうした中で培ったノウハウも多いので、エグゼクティブ・エデュケーションへの派遣を検討されている場合はご相談いただきたい。

G研では毎年、様々なビジネススクールの担当者を招いてお話をいただいているのだが、今回は特に、エグゼクティブ・エデュケーションへの関心の高まりを感じた。やはり、各社で、サクセッションプランの一環として、海外ビジネススクールのエグゼクティブ・エデュケーションを活用し、真のリーダー人材を育てていくという本気度が高まっていると感じる。

次回は、ハーバードビジネススクールの内容と、実際に参加された方のお話をお届けしたい。

<終了後、ディレクターのMr. Philippe Labrousseと一緒に>
DSC_0487




kazukon at 18:34

新年のご挨拶

2018年01月04日
New Year


新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。

本年も「グローバルと自立」をテーマに国内外で様々なプログラムをご提供できますよう邁進して参ります。

本年第1回目のグローバル人材育成研究会(G研)は、1月19日(金)にハーバードビジネスクールをお招きし、グローバル企業のエグゼクティブ教育の最新の動向をお届けさせていただきます。
ぜひ奮ってご参加いただければと思います。

<詳細はこちら>
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_160.html

<前回の模様>
DSC_0430DSC_0347 DSC_0363DSC_0297















それでは改めまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

kazukon at 10:13

G研報告(158回)「4社の事例!一挙公開グローバル人材育成の取り組みと課題を検証する!」

2017年12月29日
2017/12/8 (金)にG研、
「4社の事例!一挙公開グローバル人材育成の取り組みと課題を検証する!」を開催した。
味の素株式会社様、DIC株式会社様、NTTコミュニケーションズ株式会社様、
そしてラグジュアリーブランド様
の4社の教育ご担当責任者様に各社の
グローバル人材育成に関しての事例発表を行っていただいた。

第一部では、私から「VUCA時代に求められる人材戦略」と題して、
まるドメAクラス人材を鍛えてグローバル人材に変革していくことがいかに重要かについてお話しした。(まるドメ:まるでドメスティック:国内では優秀だが、グローバルとなるとパフォーマンスが発揮できない人材)

何も仕掛けなければ、まるドメAクラス人材は変わろうとしない。
彼ら・彼女らを変えるキーワードは、VUCA時代をどう生きるか?を提示することだ。

つまり、VUCA時代に今までのような生き方は通用せず、
変化を拒むような生き方は危ない、ということを伝える。
なんとなく知っている、ではなく、一つひとつのデータやエビデンスを
積み上げて説得していくことで、健全な危機感を醸成し、
自らが変わるきっかけとなることが可能になる。
ポイントは4つだ。

100年ライフがもたらす影響:
60-65歳で引退し、その後は余生を送るというライフプランは、
100年人生では破たんする。定年退職の年齢はぐっと上がり、
仕事も同じ仕事ではなく、異なる種類の仕事をいくつか経験することになるだろう。

Disruptive Innovation(破壊的イノベーション)の影響:
破壊的イノベーションでは、既存の大きな産業で長く変化がないところを
ピックアップし、テクノロジーと圧倒的な生産性によって総攻撃することで
Disrupt(破壊)を起こし、強い会社を弱体化させることで大きな利益を得ている。
これらは、自社、そして自分にとってどういう意味を持つのか?
その意味を正確に理解しなければならない。

熾烈なポジション争いの幕開け:
グローバル企業では、下記の3種類の人材の熾烈なポジション争いが始まっている。
 • 超優秀でハングリーで超高収入人材
 • 優秀で安定志向で高収入人材
 • 優秀でハングリーで低収入人材

た執鏖修垢訖雄猊埖:
War for Talentsという言葉が叫ばれて久しいが、
世界中から最も優秀な層を魅了するための人材獲得&リテンション戦略が
ますます重要になってくる。
すなわち日本にいたとしても、社内の人材やクライアント取引先に外国人が
たくさん存在する社会になる。
海外=グローバル 国内=ドメスティックと言う概念は、今後ますます薄まっていく。

このような中、各社では、どのような人材育成を行っているのだろうか?

今回は4社様にご登壇いただいたのだが、
4社とも「グローバル経営」や、それを実現するための
「グローバル人材戦略」が意味するところや、ステージは少しずつ違う。
大きな共通の枠組みは押さえつつ、自社の置かれた状況をもとに
丁寧に分析・計画・実行されている様子
を赤裸々に語っていただいた。

DSC_0051 DSC_0145










     • グローバルTop10に入るための人材戦略はどのようなものか?そのための人材定義は何か?
     • 外資系ブランドの現地法人である日本オフィスとして独自に行う研修は何が求められるのか?
     • 自社ですべてを完結する自前主義から、世界中のリソースと組むことへ事業変換する中で起こる人材の課題をどう解決するのか?
     • 新しくグローバルリーダー研修を導入した際の、社内へのメッセージは何に気を付けるべきか?初年度ならではの喜びと苦労は何か?
     • 教育(研修)とキャリアマップ(異動配置)はどう連動させるのか?



DSC_0155 DSC_0156







グローバル人材育成研究会を15年ほど前に始めた時、私の中には、
人材育成ご担当者様同士が熱く人材育成について議論をする場にしたい
という明確なビジョンがあった。
今回のセッションでは、まさにこのビジョンが実現できた会で嬉しい。

ご登壇していただいた皆様、そして、ご来場いただいた皆様には、
改めて心より感謝申し上げたい。

kazukon at 11:17

G研報告(第157回)『ビジョンとスキルがないと認められないのがグローバル!日本型グローバル人材の課題とは?』

2017年12月28日
第157回G研(11月28日(火))では、
元コカ・コーライーストジャパン株式会社常務執行役員人事本部長で
今年10月より独立をされた石坂講師をお迎えし、
『ビジョンとスキルがないと認められないのがグローバル!日本型グローバル人材の課題とは?』をテーマに開催した。

DSC_0016











石坂氏は、伝統的な日本企業を前代未聞のスピードで改革した人事責任者として、
多くのメディアに登場されている方でもあるので、ご存知の方も多いかもしれない。

私は、新人から幹部レベルまで、年間を通して
「パーソナル・グローバリゼーション」という、
個のグローバル化を自ら行うことの大切さを訴えるセミナーを行っている。
今回の石坂講師のセッションは、まさに私も長年訴えてきている
日本人エリートの「変わらない頑固さ」を早急に解決しなければならない、ということで、
私も非常に共感するところであった。

ー 面接であなたは何が出来ますか?と聞かれて
「課長ができます」と答える −

日本人の働き方観を表す使い古されたジョークではあるが、
未だにその状況は変わっていない。
社内調整のプロは、多くの企業で存在するが、企業に本当に必要なのは、
現場の労働者と変革を起こせるグローバル・プロフェッショナル
だ。

DSC_0032











石坂氏は、このグローバル・プロフェッショナルを「ニュータイプ」と呼ぶ。
日本人リーダーの「ニュータイプ」とは、
既存の企業文化から解放され、変革を起こすために
会社を超えて個として行動できる日本人リーダー
のことだ。
当日の石坂氏のセッションでは、あなたのニュータイプ度はどれくらい?
ということで自分を振り返って、参加いただいた方々にお話しいただいた。

個のグローバル化は日本にとって待ったなしの状況だ。
今回、石坂氏が長年グローバルで戦ってきたからこそ語れる言葉の重さを感じた。
私が2008年に「パーソナル・グローバリゼーション」の初版を出版してから
もうすぐ10年が経つ。その間に日本企業が変わったこともあれば、
変わっていない面もある。

日本の大手企業のごく一部の人たちは、ようやく「自分を改革しないこと」が、
自分の人生の致命傷になるのではないかと感じ始めている。

今の30代40代のビジネスパーソンは間違いなく70歳まで、現実的には80歳まで
現役
でいることを強いられる可能性がある。

そんな状況の中で、働き方改革で残業が減り、家に帰っても迷惑がられるので、
ゲームセンターやいっぱい飲み話で時間をつぶして家に帰る人が多い「フラリーマン」が
急増しているらしい。テレビカメラに向かって、「自分の場所が欲しいんですよー」と叫んでいるサラリーマンがいたが、自分の場所は自分で作らなければならないのですよ。

それにしても働き方改革は一体どこに行くのだろうか?

まだまだ日本経済には余裕があるのかもしれない。だからこんなゆるい現象が起きているのだろうが、
私にはこんなことがずっと続くようには思えない。

石坂氏の危機感溢れるメッセージが本当なのか、フラリーマンの現状認識が正しいのかは
もうすぐはっきりしてくるだろう。

DSC_0061

kazukon at 07:44

G研報告(155回)「理想のチームとリーダーの役割 〜チームがうまくいかなくなるアンコンシャスバイアス〜」

2017年12月21日
第155回G研(2017年10月30日(月))は、
『理想のチームとリーダーの役割
〜チームがうまくいかなくなるアンコンシャスバイアス〜』

と題して、守屋智敬講師をお招きして開催した。

第一部では、私から『“人生の輪”を豊かにするセルフエンパワーメントの力』という
タイトルで、人生を8つの分野に分けて満足度を測り、自分を見つめ直すツールの紹介や、
セルフトーク(独り言)の重要性、そして最近話題のマインドフルネスについてお話した。

第2部で登壇いただいた守屋講師は、リーダーシップに関する書籍も
多く執筆されているので、もしかするとご存知の方も多いかもしれない。

DSC_0655DSC_0661








今回テーマに取り上げたアンコンシャス・バイアスとは、
無意識に持っている偏見や思い込みや囚われのことだ。
最大の問題は、悪気はなく、そのことに自分に気づいていないことだ。

例えば、次のようなことは、アンコンシャス・バイアスの例だ。
・周りで危険なことがあっても「自分は大丈夫」と思ったことがある
・血液型をきいて「○○なタイプの人だ」と思ったことがある

脳は無意識に自分に心地よい理由を作り上げ、責任を回避するような動きをするそうだ。
そのため、自分に都合のよい思い込みに知らず知らずのうちにとらわれてしまうのが
アンコンシャス・バイアスの怖いところ
なのだ。

それでは、アンコンシャス・バイアスに振り回されないように
するためにはどうしたらよいのだろうか?

重要なのは、「これって、わたしのアンコンシャス・バイアス?」と
自分自身に問いかける
ことだ。
アンコンシャス・バイアスは、無意識に起こることだからこそ、逃げられないが、
それをきちんと認識することで、自分の行動を変えることは出来る。
リーダーとしても、自分がメンバーに対して無意識に抱いている
アンコンシャス・バイアスに気づき、行動することで、お互いの理解が深まる。
自分がメンバーに貢献するような態度を示せば、メンバーも必ずそれに応えてくれる。
チームとはそのように成り立っている。

ひと昔前までは、精神論では?というリーダーシップ論も見られたが、
最近は、脳科学の研究が進んでいて、人の行動を科学的に分析したアプローチも多い。
リーダーシップ開発は今後も発展が楽しみな分野だと、研究会のたびに思う。

DSC_0668

kazukon at 18:07

G研報告(153回)「やらねば/やれそう/やりたいの3つのキーワードで劇的に変わる!上司と部下の相互理解」

2017年12月06日
本日は、第153回G研(2017年9月29日(金))の報告をしたい。
今回は、
「やらねば/やれそう/やりたいの3つのキーワードで劇的に変わる!
上司と部下の相互理解」

と題し、藤崎雄三講師をお招きして開催した。

私からは、
「VUCA(先が見えない時代)に適応できる
『ビジョン型マネージャー』のつくり方」
と題し、
「ビジョン力(りょく)」の開発方法、そして、折れない心である
セルフエンパワーメントの強化法についてお話しさせていただいた。

DSC_0421











マネージャーに求められるのは、自分ひとりの成果ではなく、
いかにチームメンバーに動いてもらって大きな成果を出すか、ということだ。
藤崎講師によると、人を動かすためには、
『やらねば/やれそう/やりたい、という3つのやる気スイッチ』
を使い分けることが重要だ。
全ての人に毎回同じ対応をするのではなく、その人が今どんな状態なのか、
を見極めて話すことが肝になる。

 ・「やりたい」:課題に取り組んだ際に得られるメリットが大きい程、
         「やりたい」スイッチは入りやすい。
 ・「やれそう」:このステップを踏めば「やれそう」というやり方や、
         フィードバックを必ず行う。その繰り返しで「やりたい」が芽生える。
 ・「やらねば」:本人の気持ちに理解を示したうえで本人の危機感を高める。
         そうすると、「やれそう」「やりたい」が芽生える。

DSC_0388DSC_0411








ここで重要になってくるのは、やはり普段からの観察力と関係構築である。
自分と部下、もしくは周囲の人間との関係を築くために、普段どれだけ時間を使っているだろうか?
今、自分の部下を動かすためには、どのやる気スイッチが有効なのか、瞬時にわかるだろうか?

限られた時間の中でも、時間を作り出して、部下や周囲との人間関係を築く。
自分の思い込みでの判断ではなく、きちんと相手と向き合う。


忙しいマネージャーがついついおろそかにしがちになってしまうような
日々の積み重ねと気づきこそが重要なのだ、と改めて感じた会だった。

DSC_0423
kazukon at 08:06
ページの先頭へ


このWebサイトに掲載されている文章・写真・イラスト等の無断転載等を禁じます。(C)Copyright 2006 GLOBAL EDUCATION AND TRAINING CONSULTANTS. All Rights
      Reserved.
布留川 勝の「人材育成の現場!」日記 グローバルエデュケーションのサイトへ 詳しくはこちら