布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

どこでもイングリッシュ

英会話研修や英語公用語化以外の方法で社員英語力をアップする方法

2015年03月09日
「英語力の底上げ」は各社にとって長年の課題である。

多くの日本企業では、社員の英語力強化に向けて社内英会話、合宿型研修などを大量に導入してきた。しかし、その投資効果は低く、未だに英語力底上げに頭を抱えている企業が多いのが現状である。

近年では、英語公用語化を宣言し、社員の英語力強化に真剣に取り組む企業も増えてきた。もちろん英語を社内公用語にすることも策の一つではあるが、それ以外の方法で「組織の英語力」を底上げする方法はないのだろうか?

次回3/19(木)のグローバル人材育成研究会(G研)では、この課題に関連して企業における英語研修を事例発表も含めて取り上げる。

事例に関しては、サントリー食品インターナショナル株式会社より人材育成ご担当者をお招きし、英語力強化において、どのような取り組みをされているのかお話しいただく。

同社では、「英語力の底上げ」という課題に対して、管理職に向けに「パーソナル・グローバリゼーションセミナー」を導入いただいている。

オランジーナ・シュウェップス社(英)や、フルコア社(NZ)などを傘下に持つ同社では、組織と社員のグローバル化と英語力アップが経営課題として大きく浮上してきている。

しかし、英語を学ぶにあたり、なんとなく必要性は理解していても、現在の業務では英語は使わないという現実があると、自分自身、そして部下の英語学習へのモチベーションを高めることはなかなか出来ない。

そこで、「英語」そのものに目を向けるのではなく、そもそも今自分達を取り巻くグローバル化とは何か、自分たちのキャリアにどのような影響があり得るのか。そしてどのような要素を持った人材が求められるのか。それらの要素をどう高めるのか、というキャリア視点でのグローバル化について考えて頂いている。その流れの中で、英語力の重要性も理解して頂く流れだ。

管理職がまず率先垂範しパーソナル・グローバリゼーション (自分グローバル化)を実践し、その上で部下にも「自分をグローバル化」するメリットを明確に説明し、英語を学ぶ必要性を伝えるという構造を作る。それが大きなレバレッジとなり、組織のグローバル化は自律的に動き出す。

「やってみなはれ文化」で有名な同社では、自発的な英語学習者を各部門で増やし、周りや部下への波及効果を狙うということが、組織の英語力底上げに繋がると考えている。

大変貴重な事例発表なので是非、多くのご担当者様にお越しいただければ幸いだ。

▼お申込みは、こちらから▼
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_111.html

kazukon at 22:52

社内英会話レッスンの時代は終わった

2013年12月03日
PG



















先月末、当社クライアントで「英語力の底上げ」に向けた新しいプロジェクトが始動した。
これまで長年行ってきた、社内英会話研修を廃止して、「自己学習を促し、習慣化させる」ことに重点を置いたプログラムに切り換えた。
33名のプログラム参加者を迎え、キックオフを私と当社ディレクターの福田によるセッションで行なった。

「英語力の底上げ」は各社にとって長年の課題だ。
多くの日本企業では、「国際化」の時代である、70年代、80年代から
社員の英語力の強化に向けて社内英会話、合宿型研修や英会話学校への通学などがブームとなり大量に導入された。
しかし、90年代に入り、「Japan as No. 1」の時代がバブルと共に弾け、「Japan Passing」の時代となった。
景気後退と共に、研修価格が下がり、80年代には多くいたプロフェッショナル講師やMBAホルダーなどが来日しなくなり、質も低下していく負のスパイラルに入った。

質が下がることで、社内英会話レッスンの出席率が低下した。参加して欲しい人に参加してもらえず、出席しているのは「英語好き」ばかり。出欠管理や会場確保などで、事務局には運営の負担ばかりがかかる。当然ながら結果は出なく投資効果に対する疑問も出る。
しかし、グローバル化の波が押し寄せる中、英語はやはり必要であるため、その他有効な手もなく、従来のやり方を続けてきた

多くの日本企業における英語力強化はこのような変遷をたどってきたと捉えている。

結果どのような状況となっているか?
・70〜80年代に新人英語合宿などを体験してきたはずの現在40〜50代に、グローバル人材が足りない
TOEICベースでの目標は、ライバルとなる他国の企業、例えばサムスンなどと比較しても低いまま(サムスンではTOEIC900以上が当然であることに対して、日本企業では管理職は、TOEIC600を目標にする、しない、といった議論が今だに続いている)
・ネット上に無料またはローコストでの学習ツールが豊富にあり、新興国では爆発的な人気が出ている、にも関わらず「慣れた」やり方のままになっている。

この状況を打破すべく以下の流れのプログラムを組んだ。

・Why? 目的&モチベーションを明確にし、学習意欲に火をつける
・How? 英語の学び方を学ぶ
・What? 自己学習を始める・習慣化する


まず、「Why?」
ここでは、「パーソナル・グローバリゼーション」を行った。
「自分自身のグローバル化の一環としての英語力強化」であることへの認識を高めるところから始める。

英語はいつかは必要といった曖昧な動機では弱く、毎日多忙で英語を使わなくても何とかなる環境であれば長続きしない。TOEIC600以上取らないと管理職になれない・出張に行けない、という外発的動機も利かない訳ではないが、TOEIC600を取った途端に英語学習をやめてしまう、という本末転倒なことが起きる。
まずはこれからのキャリアにおいてグローバル化しないことのキャリアリスク、グローバル化した時のキャリアメリットを考え、グローバル化するためには英語以外に何が必要か、全体像を捉える。その上で、英語が出来るとどんなことが出来るか、どんな生活を送れそうか、ワクワク感のあることを考え、ビジュアル化することで、中長期的に続く内発的動機を引き出す

グローバル度チェック


















そして、「How?」
週1回ないし2回の英会話研修を受けているときだけ英語を使う自分ではなく、日々のスキマ時間を使って英語を学ぶ自分を作るために、コストをかけずに手軽に始められるやり方を学ぶ。
勉強としての英語ではなく、ビジネスツールとしての英語を学ぶために、「右脳型英語学習法」を通して以下のような方法を学ぶ。

・「マイ・ストーリー」
自信を持って話せる話題のストックを増やす。

・「ひとりごとウォッチング」
目にした様子を即興で英語にして、口にしてみる。

・「一人DVD!」
好きな映画やドラマの俳優になりきって、言語・非言語まとめて演じてみることで深い記憶にする。


マイストーリー

ディクテーション












そして「What?」
自己学習の習慣化を実現するために、これから半年間、週3回の「どこでもイングリッシュ」を行う。参加者の携帯にフィリピンにいる講師から電話がかかってきて、1回10分のレッスンを行なう。レッスンでは、例えば右脳型英語学習法の「マイストーリー」を実践してみる。明るい講師陣ばかりなので、英語にあまり自信がない人でも、乗せられてしまう。そして、続けていくうちに自信がついてきて楽しくなる。そして、1回10分なので、日々の生活の一部に取り込みやすい。また、電話が「かかってくる」ことで、強制力もあるというのがミソである。

もちろん更に勉強したい人たちのために、専用サイトでは英文無料添削などもしてもらえるので、ライティング力もつけられる。


ただ、これだけでは元々モチベーションが高いメンバーであっても、半年間も続かない場合や、マンネリ化してくることも当然ながら想定される。
そこで、以下の2つの仕掛けを設けた。

1)グループで互いの状況を報告し合う
英語は時間に正比例して伸びない。Tipping Point(閾値)に達するまでは、正直効果があるのか、ないのか見えずに不安になる。
だからこそ同じ目的に向けて頑張る仲間たちで定期的にメールを出して励まし合うことで、乗り越えられる。

2)自身の「価値を高める」プログラムを定期的に行う
「英語力の底上げ」ではあるが、Why?で考えたように、英語力の向上そのものは目的ではないグローバルビジネスで通用するコミュニケーションスキルを学ぶことで、今持っている英語力の価値を高め、自分自身の価値を高められるセミナーを中間時と、最終時に実施する。そうすることで、英語を学び続けることのメリットをより具体的に感じられる。

このプロジェクトには、企画された人材育成担当マネージャー自らご参加頂く力の入れようだ。

半年後、どのような結果が生まれるか楽しみだ。
このプロジェクトの推移についてはまたレポートしたい。

尚、12月7日(土)の公開セミナーでは、ここに紹介した「パーソナル・グローバリゼーション」と「右脳型英語学習法」を体験できる1日となっている。
ご興味ある方は、ぜひ。

▼▼お申込み・詳細はこちらから▼▼
http://www.personal-globalization.com/seminar/pgseminar31_20131207.html

写真は上から、パーソナル・グローバリゼーションの様子、自分自身のグローバル度チェックの共有の様子、「マイストーリー」に挑戦している様子、ディクテーションに挑戦する様子である。
kazukon at 17:42

企業内英語研修 <ハピネスorフラストレーション>

2013年06月25日
unougata 私が企業のグローバル人材育成における英語研修に関わり始めてから既に25年以上が経過している。
そして、最近各企業のご担当者から、英語研修について再考したいというご相談が多くなってきている。


それはなぜかを公式化するとこんな感じである。

<やる気のない人> X <中途半端な質の研修> = フラストレーション

やる気のない人達に、中途半端な質の研修をいくら提供しても結果が出ないのは当然である。
これは主観であるが、25年前に来日していた英語の先生の質は今より高かった。やはり当時の日本のパワーとエネルギーが魅力的な英語講師を日本へと向かわせていた。
日本の大手企業で教えることはステータスであり、レジメに必要なアイテムだった。

英語の先生というのは、スキルだけではなく、人間的魅力が大事である。この2つの要素の掛け算が先生の質である。
不景気が価格を下げ、それが先生の質を下げ、本来あるべき先生へのトレーニングをカットした。
結果として受講者への不利益につながるという負のスパイラルに繋がったのだ。

ではあるべき姿はどうか?一応こんな公式ではないだろうか。

<危機感のある人> X <自責マインド> X <妥当な研修/教材> X <妥当な評価システム>=ハピネス

本人に危機感もあり、会社側の評価基準にもきちっと組み込まれ、そして本人は自責で学ぶという姿勢の場合は会社からの研修や教材支援は大きな効果を発揮する。

どの企業も無駄な経費は使いたくないし、現場のご担当者にしても無駄使いをしようとするような人は見当たらない。
それなのに、日本企業はなぜこの原則を無視し、投資効果の低い英語研修を継続してきたのであろうか?
こんなことを感じているのは私だけなのか?

次回のG研第89回では、ではこのテーマを取り上げ、皆様との意見交換の場にしたいと考えている。ぜひ気軽にご参加いただきたい。

『組み合わせが鍵!英語教育体系を見直そう!』
〜フィリピンの英語教育リソース活用と組織全体の英語力を
底上げする今話題の自立型英語学習サービスのご紹介〜

詳細はこちら
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_89.html

(上の写真は弊社福田聡子による某社での新人向け右脳型英語学習法の様子。英語を学ぶのではなく、英語の学び方を学ぶ)


kazukon at 15:03

韓国英語事情

2012年08月18日
今週は気候と日韓摩擦でホットなソウルに来ている。天気が悪いので東京より少しは過ごしやすい。

訪韓の目的は、韓国企業の英語事情のリサーチと弊社が韓国企業とのパートナーシップで展開している電話英会話の打ち合わせである。
背景としては、日本において英語研修の投資効果の再考に関するコンサルティング案件が急増中ということがあり、韓国グローバル企業の英語研修の実態を探ってみたかったことがある。

また、韓国グローバル企業では、フィリピンやインドの質の高い英語講師を使った電話英会話が、従来型クラスルームの英会話レッスンの代替案としてシェアを伸ばしているのでその現場感も感じてみたかった。

シェアが伸びているその理由は、至って明快であった。<ローコスト・ハイパフォーマンス>である。
このあたりは、日本より韓国のほうが合理的で一歩先を行っている。

電話英会話レッスンは個人の携帯電話にかかってくるので、個人レッスンであり、教室の用意も担当者の管理に要する時間も費やさないという面で投資効果大なのである。

弊社が提供している電話英会話コースにおいても英語のスピーキング力向上に高い効果があることがここ数年のデータからわかってきていて、口コミで利用者も増えてきている。

近日中にこのローコストの英語スピーキング力アップのコースについてはG研(グローバル人材育成研究会)で発表する予定であるので是非ご参加いただきたい。

<TOEIC+スピーキング力>

韓国の弊社パートナーによると、日本企業のTOEICスコアを平均点ではるかに上回るサムソンや現代の昨今の英語に関する課題は、スピーキング力とのことである。TOEICで平均900点をとったので、次のターゲットがスピーキング力という訳だ。


大丈夫か日本企業?

今回のリサーチで改めて実感したことは日本企業が管理職にTOEIC600-700を求め、韓国企業はTOEIC900以上を厳しく求め(すでに達成)、さらにそのスコアに応じたスピーキング力とコミュニケーション力のスキルセット(交渉力・プレゼン力、ファシリテーション・コーチングなどを求めているという現実である。

日本企業がグローバル人材の要素の一つである「英語の点数でも劣り、使える英語習得対策」にも周回遅れなのは明確で憂慮すべき事態である。

下の写真は先ほど地下鉄の売店で撮影したもの。
ソウル売店


中央の朝鮮日報は、一面トップに天皇の写真を持って来ている。韓国メディアの論調は、李明博大統領の勇気を称賛するものから、ポピュリズムと切り捨てるもの、韓国が日米韓連合に距離を置き、親中に舵を切る前兆などまちまちのようである。

一方、私がこの3日間で接したソウルの一般市民は、私が日本人とわかっていても皆親切である。先ほどランチを食べたチャン・グンソクがよく来ると自慢していた食堂のおばちゃんはわざわざ外まで送ってくれて丁寧に道を教えてくれた。
韓国は政治、経済、文化面における大事なパートナーであり、早くどこかで着地点を見出してほしいものである。



kazukon at 16:45
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