布留川 勝の「人材育成の現場!」日記
企業・団体の「グローバル&自立型人材」育成に携わるグローバル・エデュケーションの代表、布留川が人材育成の現場で日々感じたことなどをまとめます。 BLOG内検索
GlobalEducationandTrainingConsultants代表取締役布留川 勝カーネギーメロン大学 Institute for Software Research International Program Director

コアグローバル人材育成

G研報告(146回) 「人材をいきなり送り込んでいませんか? 」(後編)

2017年08月23日
前回のブログで4月26日(水)に実施した東京での研究会について書いたが、今回は、その後編に登壇いただいた堀江徹講師のパートについてご報告したい。

堀江講師は、住友商事では財務担当としてロンドン、上海などに駐在し、人事担当としてグローバル人事プロジェクトをリードされ、その後マーサー、ヘイグループ、エーオン・ヒューイット、EYを経て、「日本のグローバル化を組織人事の側面からサポートする」をライフワークに人事コンサルタント活躍されている。また、ご自身も、ロンドン、上海の他に、シンガポール、バンコクに駐在経験もあり、外国人の上司や部下と共に協働もされてきた非常にご経験が深いコンサルタントだ。


今回は、「Global Challenge Program “Management in Overseas”
海外における有効なマネジメントの鍵」と題して、堀江講師の実体験に基づいたプラクティカルな事例をもとにワークも交えながら、セッションを体験いただいた。
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堀江講師のセッションでは、「海外における日本企業」がどんな位置づけなのか認識することから始まり、その後で役割、報酬制度、評価制度、育成、サクセッションプランニングなど、実際に海外に赴任した際に多くの方が直面している課題についてお話いただいた。

特に興味深かったのは、日本企業と海外の企業では育成・選抜について、「卒業方式」と「入学方式」という考え方の違いがあることだ。 日本企業では、「現在求められていることが満たせられれば昇格」という考え方(=卒業方式)のもと人材育成が行われる。一方、海外の企業で働く人材は「上位に求められていることが満たせそうであれば昇格できる(=入学方式)」という考えのもと、上位に昇格するにはどうすれば良いかを常に考えている。つまり、海外の企業では、新入社員であっても、「マネージャーにいつなれるんですか?」「私がマネージャーになるために、会社はどんな育成をしてくれますか?」「私は夜間MBAに通った方が良いですか?もし働きながらMBAを取得したら、早くマネージャーになれますか?また、もし行くのであれば、会社は補助をしてくれますか?」というような話を初日からしてくる。故に、卒業方式でずっと働いてきた日本人にとってはこうした質問が嫌で嫌でしょうがない。海外の方は「上に上がる方法を知らないと、先にいけないじゃないですか?」ということを言ってくる。そして、「この会社でこの上にいけないのであれば、この会社にはいる必要がない。」ということで辞めていく。卒業方式で考えている人と、入学方式で考えている人が話すと、双方がイライラしてきてしまうのだ。日本人赴任者が知っておかなければいけないのは、日本で多い「卒業方式」よりも「入学方式」で考える人が多いということだ。海外では、若かろうが、新人だろうが、「入学方式」で相手は話してくる。こうした状況を認識し、海外のスタッフに対してはしっかりと「入学方式」でも説明ができる準備をしておくことが必要だ。

また、今回のセッションでは「採用」について、実際に外国人スタッフを採用するというシチュエーションで、履歴書を見ていただき、「面談で何を聞くか」皆さんにディスカッションをしていただいた。今回の参加者の皆さまは人事業務に携わる方だったので、採用に関して聞くべき注意点等が出ていたが、実際に海外赴任をされる方は、あまり採用の経験がないため、採用時に聞くべきことが聞けないことがある。堀江講師のセッションでは、採用についてもロールプレイングを通じて実践的なポイントを学ぶことができる。
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最後に、今回参加された人事の方からは下記のような感想いただいたので共有させていただきたい。
・海外で仕事をする上で大切なことが網羅的に理解できたと思います。
・赴任者の所信表明のポイントを含め、海外企業でも活躍できる人材像が勉強できました。
 海外人材の育成は、日本流だけでは通用しないことも参考になりました。
・赴任前にフォーカスした研修の必要性を初めて認識することができました。
・ご経験に基づくレクチャーなので、大変実践的で説得力もあった
・大変実践的な内容で、海外赴任者向けマネジメント層の研修の参考となりました。
・卒業型で育ってきたために、新しい視点を知ることができました。

ここ最近、当社のクライアントである大手企業様の中でも、海外の企業を買収し、日本本社から日本人赴任者を現地へ派遣するものの、こうした違いを事前に知らなかったために、現地スタッフをうまくマネジメントできず、嫌われてしまうということも起きているようだ。赴任者の可能性を現地で十分に活かすために、そして、海外での成果につなげるためにも、海外で必要なマネジメントを事前に知っておく重要性を今回のセッションで改めて感じた。

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            セッション後に、堀江氏と専務の福田と

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G研報告(146回) 「人材をいきなり送り込んでいませんか? 」(前編)

2017年07月09日
4月26日(水)、「人材をいきなり送り込んでいませんか?」と題してグローバル人材育成研究会を開催した。

前半は私より「グローバル人材がプールできる企業、できない企業」をテーマにご参加者とのディスカッションを行った。

なぜ、グローバル人材が育成できないのか?
グローバル人材がプールできない企業の特徴としては、以下の7点が挙げられる。

1.「要は英語でしょ?」から始まる失敗
→ 「まるドメ人材」+「 英語力(TOEIC600)」=グローバル人材?
  「日本語での経営塾」+「英会話レッスン」=グローバル人材?
2.グローバル人材の定義が曖昧
→英語力以外にどんな能力が必要か定義されていない。
3.他社事例を必要以上に気にする
→他社とは、グローバルのフェーズや課題・状況などが同じではないため、参考になるとは限らない。
某社ご担当者は「他社事例ばっかり集まってしまって3年が経った。なんとかしないと。。」
4. グローバル人材育成が体系だっていない
→選抜から底上げまでがシームレスになっていない、さらに良くないことに数年で方針が変わってしまう。
5. 海外拠点の人材には力を入れていない
→現地スタッフの育成については何も手をつけられていない。国内の方向性が固まっていないので海外は全く二の次である。
6. 若手ばかりに研修を実施している
 →会社のコアとなる部課長層にはグローバル研修を実施していない。最近は減少傾向にあるが、若手だけのグローバル人材育成はバランスが悪い。若手からも「上司にグローバル人材がいない。ロールモデルが欲しい」という意見も多い。
7. 底上げと選抜の予算配分のバランスが悪い
 →英会話レッスンは予算配分が高くなってしまうため、本当に投資すべき人材に投資ができなくなってしまう。英会話レッスンや通信教育は前年から継続で進めやすいが、最重要投資が必要な国内で活躍している魅力的なリーダー人材のグローバル人材化の予算を奪ってしまう。もう一度優先順位をつけてゼロベースで考えてみてはどうだろうか?

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上記の特徴をお話した後、「御社でグローバル人材をプールするにあたっての課題は何か?」というテーマでディスカッションをした。今回も大手企業のご担当者に参加いただいたが、以下のように様々な課題が出た。

同じ人ばかりに白羽の矢が立つため、人材プールが増えない。
グローバル人事以外は、グローバル人材育成を対岸の火事だと思っている。
・人材を送り込んで、その人が日本へ戻ってきたときにどのような仕事を与えるか、ドメスティックな仕事を与えて辞めてしまわないか?海外へ送り込む人のキャリアパスをどう考えるかが課題。
グローバルで統一のコンピテンシーを作り、同じゴールに向かっていくのが中々難しい。
・まさに、前述の7つの特徴のような課題がある。


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どうしたら、グローバル人材プールができるか?
まずは、「グローバル人材=英語レッスン」、「グローバル人材=日本語での経営塾+英語レッスン」という発想を何とかすべきである。国内の優秀な人材を選抜し半年〜1年かけて「英語でのセッション」を実施し、ネットでの無料教材や低価格の電話レッスン等で「英語の自己学習の習慣化」を促すことだ。 「当社の国内リーダー人材は日本で大活躍していて英語ができない。しかし、彼らにもグローバルで活躍してもらわないと人材が間に合わない。そこで妥協案として出てくるのが日本語の経営塾+英会話レッスン。しかしこれはほとんど無駄な投資になる。欧米もアジアもグローバル企業においては、リーダー育成は英語で行われている。英語でケーススタディを行い、ディベートしディスカッションを行う。日本語で同じことを行い、英会話レッスンをつけたとしても1 +1にはならないのである。

日本語での経営塾を英語でのセッションに変えることで、最初は聞き取れなくても、次第に理解し、最終的に自分の意見を英語で発言することができるようになる。もちろんその期間中は1日数時間の英語の自己学習を受けていただくことになる。効果的な英語学習を行うことによって必ず必要最低限の英語力を身につけることができる。
DSC_0034そして、こうしたトレーニングを通して、L型*1のトップ層20%をGL型*2にすることから始めるのはどうだろうか?トップ層の方たちは、本気になれば、8カ月間の英語のセッションもやり切ることができる。最終プレゼンでも、「よくここまで来たな!」と、私自身感動するほどのプレゼンテーションをするまでに成長している。 

*1 Local型人材:国内で活躍している人材
*2 Global&Local型:国内外問わず、また国籍・価値観・専門性・ジェンダーなどの異なるステークホルダーとの協働において、最高のパフォーマンスを常に発揮できる人材

DSC_0035さらにグローバル人材プールができている企業では、5年間かけて国内のコア人材をGL型にするプログラムを続けて、100名のグローバル人材を作りさらにその中の上位20%をハーバードやスタンフォードなどトップ10ビジネススクールのエグゼクティブエデュケーションに派遣するなどしてグローバル人材育成を体系化している。

グローバル人材プールを作るには、2:6:2の法則の上位20%に集中的に投資をし、トップ級の講師によるトレーニングを行い、そして、残りの80%の方たちには、従来の英会話レッスンではない方法(低価格の電話レッスン等)で自己学習を促進させ、互いに学びあう英語学習カルチャーを作っていくことで底上げをする。つまり、英会話レッスンという機会創出にコストをかけるのではなく、英語を学ぶ動機付けや、学習法にコストをかけ、自発的英語学習を社内デファクトにするという発想に転換することで、組織全体を変えていく必要があるのだ。

(後編へ続く)
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多業種交流型 グローバル人材育成プログラム(大阪開催)

2017年06月28日
6月13日、14日、大阪にて第1回グローバル人材養成プログラム公開コース(GIFT)を開催した。
各企業から選抜された中堅社員がグローバルマインドセットグローバルビジネススキルの修得を通じ、海外でも通用する将来のグローバルリーダーを目指していくものだ。

通常は企業内の選抜メンバーで行っており、延べ1000名以上の人材を養成した同プログラムであるが、そこでの実績やノウハウを用いて、期間や回数を抑えながら誰もが参加しやすい公開コースとしている。
少人数から派遣できることや、他流試合を経験できることが、企業側のメリットとしても大きいのではないかと感じている。
また、今回参加者されている方はHigh Potentialな方ばかりで、これからの5か月間で互いに大きな刺激を受けていくであろう。
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キックオフは私が講師として担当し、「パーソナル・グローバリゼーション(個のグローバル化の方法)」からスタートした。このブログで何度も書いているので詳しく述べないが、キャリアにおいて自分自身のグローバル化を先延ばしする事は、大きなリスクが将来自分待ち受ける可能性がある。現在多忙の中で、グローバルスキルや英語力を磨く事は痛みを伴うが、数年後あるいは10年後に突如グローバリゼーションの中で取り残される痛みに比べればそんな努力は小さな痛みでしかない。
優秀なご参加者はもちろんそのリスクについて気づいているが、なかなか一気に行動に移すことができなかった事情もある。今回はそれに終止符を打って、一気に仕上げてしまうことが目的である。

続いて、初日後半のパートは専務取締役の福田が「右脳型英語学習法」を担当した。
参加者の英語力には多少の差があるものの、皆さんのめりこんで受講している姿に今後の成長スピードの早さが予想できる。早速、今夜からこの方法でやってみます!と言う宣言が出ていた。
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また2日目はRoss Moore-Fay講師による異文化研修を行った。異文化コミュニケーションの基本知識やスキルに加えダイバーシティな環境でいかに自身の魅力を演出することができるようになるか、研修を通じて学んでいただき、大きな盛り上がりを見せていたそうだ。
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受講者の満足度も非常に高く、研修が終わった後も熱心に講師に質問をするなど、まずは大成功のスタートとなった。

以下、アンケートをご紹介する。

・世界市場の中での海外企業と日本企業のおかれている情勢に改めて危機感を覚えた。
・なぜ英語が必要か、体系立てて説明いただき深く理解できた。また学習のモチベーションが強くなった。
・具体的な英語学習法が大変為になった。午前のセッションで重要性を理解した上で、午後に学習法を学べたことが非常に良かった。
・講師のパッションにモチベーションが高くなった。英語をやろうという意欲が湧いてきた。
・会社の若手から幹部まで多くの人に受講してもらいたい。
・海外の方が日本人のコミュニケーションスタイルをどのように感じるか?具体例を交えて説明してもらい、客観的な理解が深まった。
・講師の多岐にわたる経験を踏まえ、非常にわかりやすい説明が印象的。相手文化を理解しながらコミュニケーションを図ることの重要性に気づいた。

次回は7月13日(木)、「成功するグローバル人材の10のコミュニケーション習慣」を行う。若干数の追加参加者も受付予定である。ご興味のある方は大阪支店/T:06-6305-2712にお問い合わせいただければ幸いだ。
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なぜ分かれる?「駐在しない人(マルドメ派)」と 「海外に行ったきり(浦島太郎派)」

2017年03月29日
3月9日(木)に大阪で、「グローバル人材育成はどこから手を付ける?M&A後を視野に入れた計画的な育成戦略と、あらためてその人材像を明確化する」と題して、第144回グローバル人材育成研究会(G研)を開催した。

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まず私のパートでは、事例を基に十分に事前研修を実施せずに海外赴任に行った場合、海外社員からは、下記のような厳しい声が聞こえている現状をお伝えした。

・グローバル化ではなく、 日本化を押しつけられている。
・現地顧客ニーズを理解しようとせず、 日系企業とのビジネスに偏っている。
・赴任者の言語・異文化スキルが低く、 コミュニケーションが成立しない。
・駐在者ばかりで物事が決定され、 ローカルスタッフの意見は「不満」だと捉えられる。


実は20年前でも同じような不満は海外社員から出ていた。しかし、その時代は日本の技術に優位性があり、日本人への信頼も高く、結局何とかなっていた。
ただ今では、他の国の技術も日本に追いつき、中には追い抜かされてしまっているものもすらある。そういった中で先進国でも新興国でも優秀な社員が増え続け、英語もあまり話せない、ロジカルにコミュニケーションをとらない、その上、給料は自分たちよりも高くもらっている日本人マネージャーの下で働くことに不満を感じている海外社員は非常に多い。

G研当日は、ご参加いただいた皆様に「御社での海外赴任者の課題は何か? また、どのような対策を取っているか?」というお題でディスカッションいただいた。

以下が出ていた意見である。

・行って何とかなるだろうと思い送っているが、やはり何かしらトラブルが起きているのが現状
・赴任したものの日本人コミュニティに属し、日本人の同僚とだけ基本コミュニケーションを取って仕事/生活をしている社員もいる。結局、帰国後も英語はあまり話せないまま。
・10年間赴任して日本に帰ってくると居場所がない。海外にいるときはなんでもその人に権限があったが、日本だと決定のプロセスも遅く窮屈に感じてしてしまいモチベーションが下がるいっぽう。

このような課題が出てしまう一番の理由は、GL型人材(GlobalもLocalも適応)のプールができていないため、「駐在しない人(マルドメ派=まるでドメスティック)」 「行ったきり(浦島太郎派)」 に分かれてしまう。すなわち組織として柔軟性、弾力性を欠いた動脈硬化状態となっていることが言える。

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グロール人材を育成するために、良く聞かれるのが、とりあえず昨年と同様で、予算がとりやすい英会話レッスンとTOEIC施策のみを実施している。そして、自分たちの会社にとってのグローバル人材とは?の定義が部署によって異なりコンセンサスも取れないため、結局先送りになり何も実施できていない。このような状況下から脱出する、もう決断の時が来ているのではないだろうか?

当社では、L型人材(Local型。国内OK)のトップ人材とG型人材(Global型。海外OK)の人材を
GL型(グローバルも国内もOK)に転換していき、各階層のGL型率を20%に上げることでグローバル人材のプールを作っていくことを提唱している

その研修プログラムが「選抜グローバル人材育成」であり、多くの企業からご好評いただいている。

半年から1年間の研修の間に、下記のようなスキルやマインドを醸成する。

・Who you are(あなたは何者なんだ?)
・Up or Outの世界を知る
・MBAフレームワーク&思考ツール
・ダイバーシティ イノベーション
・Comfortable → Stretch Zone
・コミュニケーションスキルセット(武器は必要)
・英語は当たり前(言い訳なし)

グローバル人材育成において、何か手を打たなければいけないが先送りになっている、そしてまた昨年と同じ施策のみやっている。そんな状況を今年こそは変え、一歩でも前に進む研修計画を一緒に考えることが出来たら幸いだ。

第2部では、Ross Moore-Fay講師が登壇し、「異文化理解を軸とした実践的&普遍的なプログラム」をご紹介いただいた。

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Ross講師は研修冒頭でこのような話をしていた。友人であるイギリス人のビジネスマンの通訳として、ある日本企業でセールスのプレゼンを行った時のこと。Rossは長く日本にいるため日本文化を深く理解しており、「この契約はとれた!」と思ったのだが、その友人は「プレゼンは大失敗だった!」とひどく落ち込んでいたらしい。理由を聞いてみると、それは、オーディエンスであった日本人の反応が悪かったからだという。彼がプレゼン中、そこに出席していた日本人はほぼ、割り込んで質問をせず、目をつぶってまるで寝ているように聞いている。相槌もなく、終了後多くの質問もでなかったらしい。イギリスでオーディエンスがこのような反応をした場合、間違いなくそのプレゼンは失敗だったと言える。

しかし、その後Rossが日本文化の特徴について説明したところ友人は理解し、結局後日、契約も無事取れたという。Rossの友人が経験したようにビジネスを行う際に相手の文化をあらかじめ理解した上でコミュニケーションをとることは非常に重要である。

ある研究結果では、文化は3つに分けることが出来ると言われてる。ダイアローグ型、リスニング型、プランニング型。

研究会当日は、参加者の皆さんに自分はどの文化に属している傾向があるかをチェックいただいた。

・半分話し、半分聞くタイプか?よく話すタイプか?ほぼ聞いているか?
・一つのことにだけ集中するタイプか?マルチタスクをよくやるか?相手の反応をみて進め方を変えるか?
・丁寧ではあるもののダイレクトに伝えるか?エモーショナルか?丁寧ではあるが直接的ではないか?
・ロジックで攻めるタイプか?エモーションで訴えるタイプか?コンフリクトを避けるタイプか?
・会話にはほぼ割り込まないか?よく割り込むか?全く割り込まないか?

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同じ国でも全員が全員、上記3つの文化のタイプに当てはまるわけではないが一般的にドイツ、アメリカ、イギリスなどはプランニング型と言われている。イタリア、ブラジルなどは、ダイアローグ型。そして、日本、ベトナム、韓国などは、リスニング型と言われている。もちろん日本人の中にもダイアローグ型やプランニング型の方もいる。しかし、ここで重要なのは、自分とビジネスをしている相手はどの文化に属しているのかその国のマップを頭の中で描いておくことである。

例えば、プランニング型の典型であるドイツ人に対してプレゼンをするとき、感情的に相手の心に訴え、こちらが多く話すというよりも、ロジカルに図形や数字を利用し、事実に基づいた説明を簡潔にするほうが受けいれられ易くなる。

ビジネスパートナーがどのような文化を持っているのか、自分の「Cultural Intelligence」を鍛えることは非常に重要である。Cultural Intelligenceを高め、相手をより深く理解することで、双方のシナジーを高めることができる。それが出来るようになることが、今後のグローバルリーダーに必要な力だろう。

<終了後にRoss、大阪支店長川村、コーディネーターの山名と>
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2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える(前半:ICT企業様事例)

2017年03月09日
1月20日(金)、『2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える』と題して、
グローバル人材育成研究会(以下、G研)を開催した。
最近、特に案件として多いのが「選抜人材のグローバル化」だ。今回のG研の第一部では、私から「グローバル人材育成の新しい潮流」についてお話をさせていただき、その後、弊社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいたICT企業(以下、A社)の人材育成ご担当者様に事例をお話しいただいた。

まず、「グローバル人材育成に関して、今年こそは今までのやり方を変えたいと思っていること」をテーマに、参加者の人事の方々にディスカッションをいただいた、
すると、「異なる文化の中で現地スタッフを上手くマネジメントできる人材を育てたい」「会社がM&Aをし、外国人社員数が日本人社員を上回った。日本人社員の英語力、グローバルビジネススキルを上げることが急務」「国内でも海外でも仕事ができる人材をどのように育てていくか試行錯誤している」といった様々な課題がでてきた。

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続いて私より、「グローバル人材育成の新しい潮流」についてお話した。

弊社では、企業の国内トップ級の人材をグローバル化する「選抜グローバル人材育成プログラム」を実施させていただいている。「選抜グローバル人材育成プログラム」とは、国内で活躍してきたトップ級の選抜人材を対象に、1年間かけて、グローバルリーダーの育成を行う。ワークショップの言語は英語で最終的に役員に対して英語で成果発表を行う。プログラムは各社のニーズに応じてカスタマイズされている。

「選抜グローバル人材育成プログラム」を通じて感じるのは、国内で活躍してきたトップ級の人材がグローバル化することで、組織全体が生き生きしてくるということだ。国内でトップ級の人材は、周りへの影響力がある。国内トップ級人材は元々の能力が高く、研修中の取り組み姿勢は真剣そのものであり吸収も早い。
1年間の研修後には、国内で活躍してきた「ローカル型(L型)」人材のトップ層を「国内でも、グローバルでも適応できるリーダー人材(GL型)」に育成しプールしていく。そして、部長、課長、主任の各階層の国内トップ人材20%をGL型人材にすることで、各階層トップ層の意識改革につながり、ひいては会社全体がグローバルに対応できる組織に変革する組織開発的な意味合いがある。

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弊社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいたA社に具体的な事例を発表していただいた内容の要約が以下である。

■背景
今回、ご登壇いただいたA社は、現時点でのグローバル売上比率は低いものの、将来の外部環境・経営戦略を見据え、今からグローバル人材育成を本格的に実施する必要があるという背景から、半年間のプログラムを導入いただいた。

■成果
半年間のプログラムを通じて、参加者全員が自分をグローバルリーダー化する、英語学習を習慣化し、研修終了後も自分にとって効果的な学習法を継続していく決意をしたこと。そしてグローバルで活躍できる MBAフレームワークやプロレベルのコミニケーションスキルとマインドを身に付けたこと。

■成功の秘訣は?
A社では、プログラムの中で社長からのメッセージを伝えたり、社長レターや経営方針を説明する場などでも、グローバル人材育成や同プログラムが人事企画ではなく、「会社の施策である」というメッセージを出し続けた。
そのため、受講生自体が、会社がグローバル人材育成に本気で取り組んでいることを感じてプログラムにも積極的に臨むことができた。また、受講者同士でコミュニケーションをとるためのメーリングリストを人事部が作成したり、受講生が英語学習のための「ランチ会をしたい」などといった主体的な動きをした場合は、そうした活動を実施しやすいように人事側でサポート・後押しをした。今では、「社長お墨付」のプログラムになっている。

今後は、卒業生が社内講師となる研修や、選抜グローバル育成研修の卒業生が体験を語り、講師となっていくような場、そして、本プログラムの卒業生の会を作り、定期的に情報交換をする等、本プログラムで学んだことを継続できるような仕掛けを考えているそうだ。

その後、参加者の方からも多くの質問をいただき、活発な議論の場となった。

(後編へ続く)
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2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える(後編)

2017年02月24日
1月20日『2017年、グローバル人材育成の新しい潮流を捉える』と題して、グローバル人材育成研究会を開催した。

前編では、当社の「選抜グローバル人材育成プログラム」を導入いただいた某ICT企業A社様の事例についてお伝えした。後編では、当社設立当初からパートナーとして協働しており、数々の企業のグローバル人材育成プログラムを共に作り上げてきた、ジェームス・ドハティ氏より、「グローバルになりたくない人を変える方法」と題して、グローバルマインドセットについてお伝えした。


グローバル人材育成の現場で常に悩ましいのが、選抜人材でも全員が「グローバル人材になるための」自己変革にコミットしていないことである。「参加しろ!」といわれて依存的にその場にいるだけの人、コースには参加するが日々努力するわけではないので、自己変革が起きず、結局本来の目的を達成できずに終わってしまう人も少なくない。

本気でグローバル人材になるには、「人生に向かう姿勢、そして仕事に向かう姿勢=attitude」を変える必要がある。そして、常に自己鍛錬し、自分自身で動機付けをし、我慢強く目標に向かって行動し、情熱を持ち続けることが重要だ。
DSC_0673ドハティ氏のセッションでは、グループでのディスカッションを通じ、
・グローバル人材になるために、どのようにしたら自己鍛錬や自己動機付け、忍耐力やコミットメントを保ち続けることができるか
・グローバル人材になるための、自身の一番の障壁は何か
等について話し合った。

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ドハティ氏による、研修を体験した参加者からは、
・「グローバル人材」になるためのきっかけをもらえた。
・自身の改善点について、マインドセットすべきことが明確になった。
・発想の転換、視野拡大の必要性を感じた
・グローバル人財を育成していく上でのプロセス、イシューについて非常に分かりやすい話で参考になった

といった感想をいただいた。

今後も、こうした研修により、自分事として、グローバル人材になることにコミットいただき、真のグローバル人材への第一歩を踏み出していただくお手伝いをし続けていきたい。

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終了後に、パートナー講師のJames Doherty氏と専務の福田聡子と。
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「グローバル人材育成はなぜ英語研修化し、失敗するのか?」

2016年12月17日
多くの日本企業でグローバル人材育成を検討するものの、最終的には、日本語のグローバルリーダー育成コース+英語研修、または加えても異文化コミュニケーションスキル、という形で落ち着き、結果、「知識はある」が「英語では発揮できない」になることが多い。

そこで、11月25日(金)に第139回グローバル人材育成研究会「グローバル人材育成はなぜ英語研修化し、失敗するのか?〜成功事例から考察する抑えるべきポイント〜」を開催した。

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グローバル人材育成の投資効果が出せず、苦労している場合、主に以下の3つの失敗に陥っていないだろうか?

1. 「要は英語でしょ?」から始まる失敗
英語力があればなんとかなる。
ただ、あまりにハードルが高いと誰もクリアできないので、最低でもTOEICで600にする。
それがいつの間にか、グローバル人材の要件とすり替わる。
そして多くの社員はTOEIC600点を超えた時点で「やっと自由になれる」、となりその後の学習はしなくなる、という本末転倒な事態が発生。

2. グローバル人材の定義が曖昧
グローバル人材の定義に関して、社内コンセンサスがとれない状態が続き放置。
しかし、何もしない訳にはいかず、英語学習に関しては誰も異論を唱えず、結局、英語研修だけ実施することになる。

3. 知識インプット重視
冒頭の日本語での経営塾では、まずは知識、という形になることが多く、英語で実際にタフな交渉やマネジメントができるかは不問とされる。
結果、知識は持っているが、英語で発揮できないケースが多い。
また、何よりも知識重視になっており、自分自身をグローバル化する、またはグローバルビジネスを自分たちが牽引する、というマインドセットが出来ていないことが大きな障害になっている。

最近、ご相談の多い、以下の課題において共通することである。

・管理職クラスのグローバル人材化(プールの強化)
・PMI対応の人材育成(即戦力としてのグローバル人材)
・海外エグゼクティブプログラムの活動
・英語公用語化に向けた動き



今回のG研の第一部では、特別ゲストとして、第一生命保険株式会社 グループ経営本部 兼 人事部 部長 人財開発室 室長 原 由也 様をお招きしての対談を行った。

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第一生命保険株式会社は、114年の歴史を持つが、本格的なグローバル展開は2006年から始まったばかりで、現在の中期経営計画では、利益の30%を海外から、を目標として掲げており、社員のグローバル化も大きな課題となっているとのことだ。

原様は、キャノン株式会社において人事部門で18年間勤め、またそのうち11年間、イギリス、オランダ、ベトナムでの海外赴任もされている。
その原様が考えるグローバル化、グローバル人材育成の在り方について伺った。
ここではそのいくつかを挙げたい。

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Q1.原様にとってのグローバル人材の定義とは?

グローバル人材=ダイバーシティマネジメントに長けた人材と考えている。
そして、結果としてグローバルベースで組織に成果をもたらすことが出来る人がグローバル人材と考えている。

Q2.メーカーと金融業界でグローバル化にどのような違いがあるか?

メーカー:
海外拠点作りにあたって日本本社のコピー。ロールアウトが軸。

金融:
M&Aなどインオーガニック戦略が軸となるため、買収先のそれぞれの会社の価値観、方針を尊重しながら成長することが必要。

全く違うものをリスペクトしながらの成長のやり方はそこに難しさがある
自分たちが技術的にもサービス的にも優れており、それを海外に浸透させる、ではなく、自分たちのほうが優れている、独立性を主張してくる相手のマネジメントが必要

そういった意味で、日本からの赴任者は、黒子であり、リエゾン的な役割が出来ないといけない。
そして、リエゾン的な役割は、マネジメントが出来ない人には出来ない

Q3. そうしたグローバル人材は育成出来るのか?

グローバル人材の必要な要素を考えたときに、「語学力」という観点では一定レベルでは可能。
英語以外の要素としては、アサーティブネス、クリエイティビティなどが必要。
例えば、ベトナムオフィスでは、大卒、高卒、中卒、小卒のメンバーがいる。彼らにどう認めてもらうか?
Integrity(誠実さ)、立ち振る舞い、非言語的など、人間性も非常に重要と感じている。専門性と同じで、一方的に話す人は尊敬されない。

Q4.グローバル人材育成にあたり、どのような取り組みをされているのか?

海外拠点の交代要員(現在赴任している優秀な人材の後任)育成では、貴社でお世話になっている1泊2日×4回のセッションに事前・事後のアセスメント、そしてフォローアップセッションなど若手を中心に体系立ててやってきており、のべ86名を輩出するという成果が出ている。

しかし、海外にポストが豊富にある訳ではないので、すぐに海外赴任ともいかない。
そこで、本社自体のグローバル化も必要であり、人事部としては、日本語が出来る外国人社員に続き、日本語がしゃべれないオーストラリア人を部員に迎えるなどして雰囲気を変えてきた。

また、御社での異業種交流のグローバル版にも参加し、イノベーションのトレンドについて異業種で英語でディスカッションしながら視野を広げることをしている。

Q5. グローバル人材育成にあたりどのような課題があると感じていますか?

若手社員のプーリングはやりやすく、成果が出てきていると感じている。
しかし、メーカーほど海外拠点でのポストがある訳ではないので、本社のグローバル化も必要
そこで先に挙げた、人事部に外国人社員を配置するなどしているが、組織文化の醸成は難しい
これから金融業界は買収・合併、Fintechなどの変化が大きく、ここ2年半で一気に加速している。
その変化対応に向けた人材育成をしていかなければいけない。

原様との対談は非常に示唆に富むものであり、その後参加者からの質問も相次いだ。

私自身、250社以上のグローバル人材、自立型人材育成コンサルティングに携わる中感じるのは、グローバル人材育成のフェーズがまた一つ大きな転換点を迎えているのではないか、ということだ。
これまで若手・中堅を中心にグローバル人材育成の投資がされる傾向にあったが、マネジメント層への投資に関してのご相談がかなり増えてきている。
その背景の一つには、ここ数年、日本企業による海外企業の大型M&Aが相次ぎ、そこから2〜3年経過し、いわゆる「ハネムーン時期」が過ぎ、双方が乗り越えるべき壁としてマネージャー層のグローバル化なしにはどうにも回らなくなってきているのではないかと考えている。

このテーマについては2017年のG研においても事例発表出来るのではないかと思う。

第2部の河原崎圭市講師による「なぜ、あの人は英語が上手くなくても魅力的な話が出来るのか?
〜TEDトークのエッセンスから学ぶ相手に印象を残す3つの法則〜」
については後日掲載させていただく。
kazukon at 16:28

グローバル研修を日本語でやってはいけない理由: G研報告第136回パート1

2016年10月26日
9月28日(水)に第136回目のグローバル人材育成研究会を実施した。
いつもながらではあるが、特に今回は参加された方々同士の情報交換がとても多い回であった。

第1部では私からグローバル経営塾のパラドックスについて情報共有を行った。
ポイントは以下4点である。

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1. 「1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)にならない?」
先日ある企業で聞いた話だ。1年間、大変厳しい課題の「リーダープログラム」を実施したが、テーマのうちの一つであった「グローバル」は英会話レッスンをすることでお茶を濁してしまった。
本来は、1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)で、グローバルリーダーが量産されるはずだったにも関わらず、実際には最終発表会で経営陣からの簡単な質問に英語で全く答えることが出来ず、部屋中に失望感が漂ったらしい。

知識は日本語でインプットし、ディスカッションも日本語で行い、その方々に英語レッスンをすることで「英語で経営を語り、買収先のエグゼクティブと丁々発止ができ、グローバル事業の方向性と課題を練ることができるようになる」というのはいくらなんでも楽観的である。
実は、この手の話は初めてではない。日本語でのグローバル経営塾は、目的と定義があいまいであるため、コース設計ができない、その結果として1年かけたとしても育成に失敗するケースが非常に多い。

2.コンセプトが重要
経営塾のような大きなプロジェクトになると、様々な意見が飛び交うのは外部からでも想像に難くないし、そこを交通整理する担当者の方々のご苦労を考えると本当に感じ入るものがある。しかし、だからこそやはりコンセプトをしっかりと持っている必要がある。

「どういう人材を育成するのか?」

例えばアジアグローバル企業のリーダー人材(リーダーシップ、MBAフレームワーク、グローバルイングリッシュというスペックは普通に持っている)をベンチマークしていくとその答えが見えてくる。そして、今回の研究会の中ではそういった人材の要素についても定義を共有した。
今回の研究会参加者の中には、香港人やドイツ人のご担当者もいたので、さらに具体的かつ白熱したディスカッションとなった。
グローバル・エデュケーションでは、私が2008年に著した「パーソナル・グローバリゼーション」に基づき、5つの要素がある。
そして、それらは全て訓練が可能である。
当社サイトには、簡易アセスメントもあるので興味のある方はお試しいただきたい。

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3.英語に関しては言い訳なし
その5つの要素の中に、グローバル・イングリッシュという要素があり、これは、「英語を母国語としないが十分に通じる英語」というニュアンスである。これは仕事で英語にまったく触れていない人でも「できない、やらない言い訳なし」というスタンスが大切だ。そこで妥協をすると、全体が緩んでしまう。
まして経営塾にでるような優秀な方々は、英語公用語化は当たり前で論点にもならない、というところまで意識を上げていただきたい。そして、それが新しいスキルやマインドセットで自分を鍛えていくことにも繋がるのだ。そうならなかった方は、過去の当社のグローバルプログラムでは一人も居なかった。

4. 英語学習のやり方を知らない人が多いことに注目するべき
しかしながら、やる気になったとしても、やり方をがわからないと続かないのが英語学習。上達まで期間が長くかかるので、通信教育や英会話だけ提供しても目に見えて自信がつくようになるまでいくような確率は極めて低い。
どうやったらその確率を上げるのか?
それは継続できる英語学習のやり方をを知ることだ。

第2部のパートでは、当社専務取締役の福田聡子より、今まで1万名以上が受講、アンケートの評価4.5以上の大人気プログラム、右脳型英語学習法のデモンストレーションを行った。

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ご自分でも英語学習を頑張っているご参加者も多く、更にやる気になって帰っていただいたようだ。いつもこのセミナーを見て思うが、ストイックに黙々と1人でやる勉強方法しか知らない方には、この「楽しい方法を自分で見つける」手法は相当なインパクトがあるだろうなと思う。福田としては、これを通じて、優秀な皆さんが英語の壁を、やらされ感や苦行としてではなく、軽やかにさっと乗り越えてくださることを心から願い、そして誰でもできるようになることを信じていることが伝わってくる。

実際、福田が担当するコーチングクライアントでは、英語学習を続ける中で見たTEDで、自分の仕事のやり方を変えてみたら、部下から「何かあったんですか?」、と聞かれたなどの、嬉しい波及効果がよく報告される。投資効果があまりに高いので、当社としても、もっとうまくこの効果を皆さんにお伝えしていきたいと思っているところだ。

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kazukon at 16:35

リーダー層こそ「パーソナル・グローバリゼーション」

2016年01月04日
あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もグローバル人材育成及び組織開発に全力を尽くしてまいりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年特に力を入れていきたいと考えているのは、国内で活躍されている日本企業のリーダー層のグローバル化(パーソナル・グローバリゼーション)です。理由はこの層がグローバルで活躍できる能力をつけない限り限り、日本企業がグローバル経済で勝っていけないと考えるからです。
そしてこの層がグローバル化しないのであれば、その次のリーダー層も自分自身をストレッチしないでしょう。その結果組織全体にグローバル人材育成が滞る悪循環が起きます。

それではリーダー層はなぜ自分のグローバル化に積極的でないないのでしょうか?それは、安泰とはいえないが国内市場はインバウンド効果もありそこそこ健在であり、活躍する場もあるというのが一因です。
それに加えて、どのように多忙な時間の中で自分をグローバル化していくのかが可視化できないことがあるでしょう。

ただこれからの5-10年を考えるとそんな余裕のある状況が続くのでしょうか?

団塊の世代は70代になり、現役世代にかかってくる社会保障費負担は増大し、高齢化が進む中での人口減少はマーケットの縮小とマンパワー不足をさらに深刻化させます。
今は何とか持ちこたえていますが、移民に関しても真剣に検討する下地はできつつあります。
すなわちローカルにおいても、外国人をマネジメントしたり、外国人が上司や同僚になる確率は高くなってくるのです。
だからこそこれからの企業におけるコアになる人材の定義は、「グローバルもローカルも適用できる人材(GL型)」となってきます。

グローバル人材というと駐在員や海外出張で活躍する人たちを思い浮かべますが、決してそんな事はありません。ICTの発展によりどこにいてもどんなビジネスにおいても、グローバルな発想やマインドセットとスキルセットは求められてきます。
別に英語力だけの話ではありません。

大手企業のエリート層でもここを勘違いしている人が多いのに驚きます。英語が苦手だと言うだけで、自分は一生グローバルで活躍できる人材ではないと思い込んでいる人がいるのです。

そんな状況の中、昨年も数百人以上の自分をグローバルではないと思い込んでいた魅力的な日本企業のリーダー層と正面から対峙し、その勘違いを打破してきました。やはり優秀な人材は危機感を感じていますし、一旦決意して正しいやり方がわかれば自己改革を成し遂げるのです。

昨年はコンテンツをさらに革新するために、同じ思いを共有する実力派講師陣やコンサルタントや海外のビジネススクールにも協力いただき新たなプログラムの開発にも成功しました。

今年はそれをさらに発展させ充実したプログラムを提供して参ります。
ぜひご支援のほどよろしくお願いいたします。


kazukon at 10:45

G研報告:『40代からのキャリア開発』&『まるドメ社員』をグローバル人材に育成する方法と隠れた目的

2015年04月30日
先週第112回 G研、「どうする? 『40代からのキャリア開発』縦・横・センター軸で
キャリアを自立的に切り開く方法
」を開催した。

■第一部では、私より、「『まるドメ社員』をグローバル人材に育成する具体的施策」と題して、
グローバル人材育成プログラムのご紹介、ならびに実際にプログラムをご経験されたジヤトコ株式会社 米山信行様より選抜研修に選ばれた際の期待・戸惑い、そして決意・実行の思いをお話いただいた。

社長2 全体写真

今回のテーマである、「40代まるドメ社員(まるでDomestic、すなわち国内でしか通用しない人)」グローバル人材に育成するのは可能か?」という問いは、経営者や人材育成ご担当者様から最も多く聞かれる質問だ。
これは、「グローバル人材は外部からの採用」だけでは課題が解決しなかったことへの反動もある。
ドメスティック文化の強い企業に外資からの人材を取り込んでも、ネガティブな化学反応が起きてリテンションがうまくいかなかったりするのは当然である。

育成は可能か?への答えは、もちろんYesである。また、企業としては有能人材のグローバル人材化を組織のグローバル化へつなげたいという隠れた目的がある。
なぜなら各部内の有能で尊敬されているまるドメ派の意識改革プラスグローバルスキルの実装こそが、周囲に健全な危機感を与えアンチグローバル派の意識変革を促し、グローバルな組織開発へ繋がる からだ。

もちろん今までドメスティック1本で仕事をしてきた社員をグローバル人材に育成するには時間がかかる。しかし「正しく行う」×「継続する」することで、グローバル人材は確実に育てることが出来る。

「正しく行う」とは、人材定義、人選(トップ級の選抜)、研修機関(国内外)、講師を厳選することであり、「継続する」とは、場当たり的にいろいろ試すのではなく、質の高いプログラムに改善を重ねることである。

実際グローバル人材育成に成功している企業の特徴として、「選抜型グローバル研修」を実施し、社内のグローバル人材のプールを確実に増やしているケースが多い。

「選抜型グローバル研修」とは、グローバル人材に必要なマインドセット・スキルセットを月に1泊2日×11回(1年間)で学び、最終日には研修の集大成として、役員や幹部層の前で事業戦略やグローバルビジネス拡大について発表するプログラムである。

今回は実際に2009年に「選抜型グローバル研修」に参加された、ジヤトコ株式会社の米山様にそのご経験談をお話いただいた。ジヤトコ株式会社様では、この「選抜グローバル研修」を2004年から実施いただいている。

米山様米山様2

下記が米山様との対談内容である。

Q:選抜された時の気持ちは?
A:ある日、上司に声をかけられ、今年は選抜研修に参加するようにと言われた。その年は16名が選抜されたが、正直なところ、この選抜研修は社内でもよく知られていたため、「遂にきたか!」と思う反面、「自分で大丈夫か?、そして1年間頑張れるのか?」と不安な気持ちもあった。しかし、もしグローバル人材のスキル・マインドを手にいれたら、世の中がもっと面白くなるのではないかと思い、この1年は頑張ろうと決意した。

Q:参加されてからどのようにマインド・スキル変わったか?
A:このグローバル研修は「自分の知らない世界を教えてくれた研修」だった。知らないと想像すら出来ない様々な考え方・スキルを毎回学び、自分の幅が広がった。このスキルを使うと相手に影響力が持てるや、あのスキルを使うと部下が自分の話をよく聞いてくれるなど、シチュエーション毎に自分の引出し(スキル)を使いこなせるようになり、人生が楽しくなった。
現在では、米山様はグローバル研修で習得したスキル・マインドを駆使し、グローバル市場を戦略的に考える部門で韓国、中国、アメリカ、フランスなど様々な国籍の方と仕事されている。

業務と両立し、1年間グローバル研修に参加することは容易ではない。しかし、その期間のみはスキマ時間も全て使い、英語に励み、グローバル人材になると腹決めした人材には、その人にしか見えない世界が広がることは確かである。

■第二部では、斧出吉隆講師より、「40代からのキャリア開発」として、環境変化も激しく、ポスト不足である状況で、40代からどう自分らしく輝けるキャリア開発を行っていくのか、アセスメントやワークを交えながら、セッションをご体験いただいた。

斧出さんディスカッション2

キャリア開発には2つの重要な視点がある。

1.キャリアの扉は1人では開けることは出来ない
ほとんどの場合、その扉を開くのは上司であることが多く、どうすれば上司を自分のキャリア開発に巻き込むことができるのかが大切である。

2.キャリア開発できる能力と価値観を理解する
扉が開いた後にキャリアを切り開くのは自分自身であるため、そのためには切り開くための武器(スキル)がいる。

では、キャリアを切り開くにはどんなスキルが必要か?下記の5つの要素が必要となる。

・リーダーシップ(他者を巻き込む影響力)
・ビジョン(自分自身のアンビション・目標)を描く力
・コミュニケーション力で他者を巻き込む力
・物事をクリティカルに検証し戦略的に考える力
・自分のパッションを伝える力


自分の現状を把握し、上司を巻き込んで強み・弱みを客観的に理解することは容易ではない。では、どうすればよいか?今回は、研修で実際に使用する「リーダーシップ行動スキルアセスメント」を実施し、皆様にも体験いただいた。下記が皆様からの感想である。

アセスメントディスカッション

・このアセスメントは本人及び上司が強制分布(例:1点は2つ以上、5点は3つ以上など)を用いて記入するため、自己認識は出来ていると思っているが、上司との認識が違う面があったり、自分自身が見えていない点を気づくことができる。

・アセスメント後に上司との面談を実施し具体的なアドバイスがもらえるため、自分自身への期待、取るべき行動の共通認識を作りやすく、次へのステップを明確にすることが出来る。

・上司目線では、経験も自信もあるベテラン社員へ、アドバイスをするのは難易度が高いが、このツールを使えば8割がた自分で気づくことが出来るので、あとは引き出し型のコーチングで関われば良く、お互いの認識合わせの時間を他の時間に使うことが出来る。また、プレッシャーも低くなるので、部下と関わり易くなる。

斧出講師が言っていたように、40代のボリュームゾーンでは、ポストにも限りがあるため縦だけのキャリアを追うことは難しくなってきている。どんな自分になりたいたいか?、自分の強み・弱みとは何か?を、把握した上で、「横のキャリア」や「センターのキャリア」を追うことも選択肢の一つである。

横のキャリアとは、組織のニーズを満たすためにキャリアの職域を変更したりすることである。同じ職域ではあるが、より仕事の幅を広げるために職務内容を変更したり、職場環境(勤務国)が変わったりすること。

センターのキャリアとは、組織内で役職などにあるわけではないが、その専門性の深さと経験などにより組織内で一定の影響力を持つ。また、そういった個人としての存在価値を持つことである。

上司を巻き込んで「今まで気づいていなかった自分自身をより知ること」、それがカギとなりキャリア開発に繋がっていくのだと改めて感じた。

<終了後にで斧出講師とエグゼクティブ・ディレクターの福田と>
集合写真
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